TOKYOタクシーのレビュー・感想・評価
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静かに泣ける大人の映画
65歳になり先月定年退職したばかりの会社が支援してきた山田監督。
制作にも参画したこの映画を、フリーになって初日の初回で見た。
いつも快適に空いている聖地シネマイクスピアリは平日ますます快適。
山田監督の、くすっと笑って、あー面白かった、明日も頑張ろうって
思えるような映画を作り続けていきたいという思いがあふれた映画。
しみじみ泣けた。
さんまさんが、関西弁を抑えてと言われ、抑えすぎて、さんまさん
だとわからなくなっていた。
音楽をもっと使ってもよいかなと思ったのがO.5マイナス。
実質4人目の民子
【今作は名匠山田洋次監督による人生の喜怒哀楽が詰め込まれたロードムービーであり、大女優倍賞千恵子さんと木村拓哉さんの演技に支えられた人間性肯定映画であり、鑑賞後の余韻が大変心地良き作品でもある。】
ー ご存じの様に、今作は2022年公開のフランス映画「パリタクシー」を原案にしているが、名匠山田洋次監督の手にかかると、これが見事に人間性肯定映画になるのである。流石と言うほかはない。(勿論、「パリタクシー」も佳き作品ですよ。私はオリジナルとリメイクを比較する事は、余り好まないのでどちらが良いのかという事は書かない。敢えて書くなら、”どちらも良い。”である。)ー
<Caution! 以下、内容に触れていますので、鑑賞後にお読みください。>
■休みなく働くタクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は、夜シフトが終わり早朝に帰宅する。妻(優香)もスーパーで働いているが、彼と娘(中島瑠菜)の為にキチンと朝食を用意してくれている。
娘は、念願の名門音楽私学への推薦入学が決まるが、その高額な学費を聞き、夫婦で金の算段を考えるている時に、仲間から”腰を痛めたので仕事を代わってくれ。”と連絡が入り、彼は指定の葛飾の柴又帝釈天まで車を出すのである。
そこに居たのは、品の良いお金持ち風の老婦人高野すみれ(倍賞千恵子:若き時は蒼井優。名女優共演である。)であった。すみれの行き先は、神奈川・葉山の高齢者施設であったが、彼女の希望で東京内の彼女の想い出の地を巡りながら葉山に向かう二人なのであった。
◆感想
・すみれが指定する場所は、父が第二次世界大戦末期の東京大空襲で亡くなった橋であり、初恋の朝鮮人青年と過ごした場所である。この作品は、山田洋次監督が激変する東京の中で戦後の面影を残す場所を探すが如きロードムービーなのだが、残念ながらその面影は殆どない。
・そして、すみれが朝鮮人青年の子を宿しながら、青年が朝鮮戦争により祖国に帰った後に結婚した愚かしきDV男の話に移って行くのである。
その際に彼女が言った言葉。”あの頃は男が女、子供に手を上げるのは普通だったのよ。DVなんて言葉も無かったし。”けれども、その後に彼女はこうも言うのである。”あの頃は、どの町でも活気があったわ。住んでいる人たちも元気があった。”と。
・愚かしきDV男に対するすみれの所業は原案とした作品でも同様の事が描かれているが、すみれは”それでも、女性達の多くが支援してくれたわ。ウーマン・リブっていうのかな。”と言うのである。
すみれは、刑務所内で息子が事故死した事を知った事や、出所後に女子陸上選手のジョイナーに影響を受けて、米国に渡り勉強しネイルサロンを開いた事を語るのである。因みにすみれの爪が綺麗な事に宇佐美は気付いている。
ー タクシー運転手さんは、客の服装、態度で人品を見抜く話を直接タクシー運転手さんから聞いた事があった事を少し思い出したシーンである。ー
・そのタクシー内の会話の中で、宇佐美浩二はすみれから促されて妻との出会いを語り、”素敵な奧さんなんでしょ。愛しているって言いなさい!”と言われたり、一時停止違反で警察に呼び止められた際にもすみれの名演技により(そりゃ、そうだ。)違反切符を切られずにすむ中で二人の交流は進み、夕食を共にするのである。
宇佐美浩二のすみれが立ち上がる時にさり気無く腕を貸す振る舞いなどが、ぎこちないながらも善性溢れる姿であり、それを木村拓哉さんが絶妙に演じているのである。
観ている側は、それにより宇佐美の奥さんがキチンと栄養バランスの取れた朝食を作り、娘が宇佐美に懐いている理由が分かるのである。良き男には、良き家庭があるのである。
そして、すみれの願いで二人は夜の街を腕を組んで歩くのである。すみれの嬉しそうな顔を観ていて、こちらも嬉しくなるのである。
・漸く高齢者施設に到着した時に、すみれは”夕食を摂ったホテルに泊まりたい。”と駄々をこねるのだが、宇佐美はその誘いを断り二人は別れるのである。
すみれはお金を支払い忘れるが、後日宇佐美が妻と訪問する時に支払う・・という事で。
・後日、宇佐美夫婦が高齢者施設を訪れると、すみれは数日前に亡くなっていた事が分かる。律儀に葬儀に出席した二人に近づいてくる柴又帝釈天ですみれを見送った男(笹野高史)。彼は司法書士の名詞を差し出し、”お時間が有れば、事務所にお越し頂けませんか?奥様からお預かりしている手紙があるのです。”と言い、二人にすみれの手紙を渡すのである。このシーンでの、すみれを演じた倍賞千恵子さんの張りのある美しい声で読み上げられる手紙に綴られた文章は、聞いていると涙が出そうになるのである。
そして、封筒内に入っていた一億円の小切手。驚く宇佐美夫婦であるが、これこそまさに”賢者の贈り物”であるよな、と思ったシーンなのである。
<今作は名匠山田洋次監督による人生の喜怒哀楽が全て詰め込まれたロードムービーであり、大女優倍賞千恵子さんと木村拓哉さんの演技に支えられた人間性肯定映画であり、鑑賞後の余韻が大変心地良き作品でもある。>
人生の終盤に見つけた心の寄り道
今回も舞台挨拶の中継付き上映で鑑賞しました。
その様子は感想の中で触れます。
観客は約80名ほどで、女性7割、男性3割といった感じでした。
この映画はフランス映画『パリ、タクシー』が原案で、おおむねその流れを踏まえている。
物語の半分以上はタクシー内のシーンで、撮影はスタジオにタクシーを置き、周囲をVP(バーチャル・プロダクション)のLED壁で囲み、そこへ事前撮影した東京の街並みを映し出すという方法。大型ディスプレイを背景に演技するような形だ。
映し出される景色は、柴又を皮切りに、隅田川に掛かる言問橋、浅草、皇居、神宮外苑のイチョウ並木、渋谷スクランブル交差点、夕景の横浜ベイブリッジなど。
タクシーとは、他人同士が一時的に同じ空間を共有する“異空間”とも言える。そこに運転手役がキムタクとなれば、倍賞千恵子演じるすみれの気持ちも自然と高揚する。
倍賞千恵子は、木村拓哉との掛け合いが本当に楽しそうで、乙女のような雰囲気さえ感じられた。
木村拓哉は“キムタク”ではなく、完全に「木村拓哉」という俳優として、普通の個人タクシードライバーに徹していた点が好印象。
53歳とは思えない格好良さは相変わらずだった。
また、若い頃のすみれを演じた蒼井優は、若き日の倍賞千恵子(「男はつらいよ」のサクラ)を思わせる話し方や立ち居振る舞いで驚かされた。
山田洋次監督(94歳)は本作で91作目。アメリカにはイーストウッド(95歳)という“同世代のライバル”もいるが、ぜひお二人とも無理なく、ゆっくりと活動してほしい。
大人向けの映画で、特に50代以上には響くものがあるはず。
ヒロイックなキムタクを期待して観ると物足りなさを感じるかもしれないが、“俳優・木村拓哉”を見る映画としては十分楽しめる。
とにかく、山田監督には健康第一でゆっくりしてほしいと感じた。
〇初日舞台挨拶の様子
全国220館での舞台挨拶ライブビューイング。
壇上には倍賞千恵子、木村拓哉、蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、神野三鈴の俳優7名に山田洋次監督を加えた8名が登壇。以下に印象的なインタビュー内容を記載する。
【山田洋次監督】
・昨年の今頃に撮影しており、こうして1年後に無事公開できた。高齢の自分を周囲が気遣ってくれ、その温かさが映画にも反映されたと感じる。
・毎回、毎回、一所懸命に映画を作るが、本当に撮りたかった映画になっているのか不安になる。舞台挨拶で観客の反応を見て、ようやく“審判”が下る気持ちになる。
・良い俳優と出会えるかが監督の運命を左右する。芝居の上手下手以前に、人間としての魅力が作品を決めてしまうことが多い。どれだけ見ていても飽きない俳優こそ良い俳優だ。
【倍賞千恵子】
・撮影初日は柴又でのロケ。『男はつらいよ』の終着点だった柴又で、本作という新たなスタートが始まり感無量だった。
・84歳で映画178作、そのうち約70本が山田監督作品。最初の出演は『下町の太陽』で、当時脚本・監督の山田さんに挨拶に行った出会いが忘れられない。
・公開日を迎え、改めてスタートラインに立った気持ち。演じる前に“人としてどうあるか”が問われると感じ、自分はまだまだ未熟だと思う。
・木村拓哉さんは真面目で、どんな言葉を投げても受け止める度量がある。後部座席から掛け合うシーンでも、その懐の深さが自然と台詞に反映された。
【木村拓哉】
・本作に携わった人たちの想いが“作品の艶”になり、味わい深い映画が完成した。山田監督は台本通りに順撮りするため、非常にリアルな映画になったと感じる。
・自分は舞台挨拶が上映後になることが多く、鑑賞後の観客の表情がいつも忘れられない。それもまた出会いの一つ。
・倍賞さんは経験が桁違いで、最後は笑顔で包み込んでくれるような“優しい魔法”のような人。
【蒼井優】
・かつて山田監督作『学校』のオーディションに落ち、芝居に向いていないと思い一年半ほど休んだ。その後『おとうと』のオファーで再挑戦を決意した。
47都道府県あるので、今後“北海道タクシー”や“新潟タクシー”など続編が作れるはず。このメンバーでまた撮影したい。
以上
高齢者には間違いなく響くジャパニーズ・スマイル
作品に艶が出る
山田監督作品を劇場で観るのは初めてで初回舞台挨拶付きで視聴しました
普段の映画視聴時は劇中何回かは、どれくらい作品が進んだかなぁなんて思い時計を見るのですが今作は時計を一度も見る事無く終劇を迎えました
滅茶苦茶、作品に没頭していた意識は無かったので流石はベテラン監督だなぁと感じました
舞台挨拶の中で木村さんが監督の言葉で演者、関係者、スタッフが作品に関わる中で一人一人の力がその作品の艶になると仰っていて今作も良い艶が出たと仰っていたというエピソードを披露していました
「中々そのセリフは出ないなぁ」と感嘆して91作品を送り出した監督は違うなぁと改めて思った次第です
泣ける作品なのかと思いましたが淡々と物語が進み気付けば物語が終わるという感じでしたが心に残る作品でした
内容は観てからのお楽しみです
余談ですが「倍賞さんがお若い」まだまだ元気
だなぁと感じました
オリジナルとはまた違った趣きで、悪くない。
まず葛飾柴又の帝釈天の前から乗せるというシチュエーションからして、もう山田洋次ワールド全開😁
上品な身なりの割にワガママでつっけんどんだが何やらワケありな老婦人に倍賞千恵子。サクラではなくスミレさんなのね。
そして娘の学費や家賃の更新費用にアレコレ悩む個人タクシーの運転手なのにそれにしてはそれほど生活に疲れた感が出ないのは、良くも悪くもさすがキムタク。
葉山に行くはずが、何故か東京観光を楽しみながら、身の上話を語り出すスミレさん。波瀾万丈というかあまりにヘビーな人生の果てに、DV旦那の股間に鍋で煮えたぎらせた油をかけたとんでもない過去が明かされ、殺人未遂で懲役9年の実刑判決を喰らっていたとは。若い時代を演じる蒼井優もなかなか熱演(怪演?)でした。
1週間後にタクシー料金を受け取りに行ったら、3日前に亡くなっていて、キムタク宛に感謝の手紙と1億円の小切手が。
施設での最後の数日はどうだったんだろうと思うと切ない。
PS 手紙はいつ書いたのだろう。少なくとも葉山の施設に入った後だけど、自分の死ぬ運命が分かっていたとは思えないし… 。それにしても1億円は多すぎだろ😥
山田洋次監督の人情味溢れた映画の世界観
名作パリタクシーの日本版リメイク
訳ありのお婆さん(乗客)を演じる倍賞千恵子さんと家計が苦境にたたされている個人タクシー運転手さんを演じる木村拓哉さんの熱演…本当に最高でした
素晴らしい映画でした
映画「男はつらいよ」をリアルタイムで観てきた昭和生まれの自分としては、山田洋次監督の人情味が溢れた映画が、名作パリタクシーの日本版のリメイク「TOKYOタクシー」として観れた事は本当に良かったと思います
※お涙ちょーだい系…映画🎬です
山田洋次監督の作家性は変わらない名作!
「TOKYOタクシー」を丸の内ピカデリーで公開初日の朝一の上映をみた。主演は倍賞千恵子、木村拓哉
山田洋次監督は94歳で91本目の監督作との事(!)
(ネタバレなし)
これはキムタク映画ではなく、間違いなく山田洋次監督の作家性が滲んでくる作品だった。
葛飾柴又から葉山にある場所へ移る85歳の老女、高野すみれを乗せて、彼女の壮絶な過去の人生を聞きながら進んでいくロードムービーの建て付け。東京の観光地🗼を巡りながら清々しい気分になれると思ったら、老女の壮絶な過去を巡る物語であり、昭和という戦争の世紀を生き抜き、男尊女卑の時代に耐えて生き抜いた、昭和を生きた女性の辛すぎる回顧録によるファミリーストーリーだった。
中盤、タクシーで老女すみれの手を握るあの人物の登場はファンタジックな演出ながら、涙を堪え切れないほど素晴らしかった。本作の白眉だと思う。
韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」にも似たようなシーンがあるが、あの手の演出に涙腺は弱くなる😭
終盤、宇佐美(木村拓哉)が、すみれが滞在する場所への再訪問時のアレは予想が当たってしまったが、
身寄りが無く孤独な老女の人生を知ってしまうと本当に切ない…。そして彼女が残した宇佐美への手紙の内容は、甘めのおとぎ話にも見えるが、後悔の念駆られる宇佐美にとっては救いになり得るラスト。
夢物語のようなエンディングは、彼女の壮絶な生き様を懐柔する上でも必要な演出だったのかもしれない。 とても良い映画を観た。山田洋次監督らしい作品だった。観てよかったと思える映画。
(備忘録)
・若き日のすみれを演じる日本の至宝、蒼井優はいつも通りの安定感で好感だが、子連れ結婚した男、小林(迫田孝也)がクソ男で本当にゲンナリ…「君の連れ子だろ!」とか言って妻を平気で殴るシーンなどに非常に苛ついた。若きすみれが企てた男へのある”復讐”は仕方のない事かもしれない…しかし溜飲は下がらん。小林は万死に値する男だと思う(昭和の有害な男性性の典型であり、多数派かもしれん)
・倍賞千恵子が歌う「星屑の町」と「とても静かな夜だから」がとても素敵でした。(元々はSKD専属の歌手なんだよね)
木漏れ日の差す部屋でのサプライズ。
終活のため老人ホーム行きを決めたマダム高野スミレと、スミレを老人ホームまで送るタクシードライバー宇佐美浩二の話。
目的地の神奈川県葉山の老人ホームまで送迎することになる宇佐美だが、思い出の地の東京をゆっくり見たいと言われ、思い出の場所に立ち寄りながら、スミレの過去の恋愛、結婚、息子のエピソードを絡め2人のドライブが始まる。
オリジナルの「パリタクシー」から数年、山田監督リメイク作品、とりあえず凄いなと思うのはオリジナルのパリタクシーはミニシアター作品で劇場鑑賞されてる方は私達の様な一部の人間、山田洋次が監督になり木村拓哉さんと倍賞千恵子さんが出演となればシネコン作品!
本作を観て肌で感じるのは山田洋次監督と倍賞千恵子さんの人気ぶりですかね、ちなみに私は木村拓哉さん見たさで観に行ったんですけどね。
ストーリーは日本版用に手を加えられオチも分かっていたけれど泣けた。洋次が監督になれば令和現代から昭和劇の世界観になっちゃうんですね!話し方も!スミレと宇佐美の徐々に縮まってく距離感がいい!
仏映画が元ネタの東京版でした
少し前ちょっとばかり(自分の中だけかもしれませんが)話題になっていた仏映画が元ネタだと知らずに見て少し残念。というのも、本家の作品を見る機会がなかっただけなのですが・・・とはいえ、ストーリーは恐らく大丈夫だろうし、演者やスタッフに至っては間違いない訳なので─果たして・・・
安心安定の作品だったという印象です。過去から現代の歴史観と東京の街並みを丁寧に描写していて、少しばかり東京などを知っていれば見応えがあったかと思います。ただ、洗練されている雰囲気が際だっていた気がしたので、リアリティは希薄だったような・・・
落ち着きどころもやっぱそこになるのですねと思ってしまったし、まさに130周年記念と銘打たれた巨匠の作品といったところです。
『大阪タクシー』が観たい
明石家さんまが、そのまま予約を受けて
天神さんで、お客さんを乗せる
そやなぁ
関西弁ができる、倍賞千恵子に匹敵する
品のある女優さん・・・
もう亡くなってしまったけど
星由里子さん
そんな感じの物語も観たいと思いました
決して木村拓哉の演技が気に食わない
わけではなくて
倍賞千恵子も、ぴったりでしたが
ただただ、私が、ものすごく
濃いい関西人なので
さんまさんがタクシードライバーを演じる
物語を観たいと思っただけです
それにしても、迫田孝也は
クズを演じたら天下一品ですね
これからもクズ専門役者で君臨してほしい
そして、「何を演じても、キムタク」ではなく
木村拓哉さんは、ちゃんとタクシーの
運転手でした
すみれさんの過去が壮絶であることは
物語上、必然ですが
イチからネイルを学んで、会社を
立ち上げるような人が
初恋は、ともかく、あんなクズには
引っかかりません
息子を抱えて、頑張り倒す!けれど。。。
みたいな話にしてほしかった
私はオカンなので、亡くなった息子が
ひたすら不憫で、やりきれません
木村拓哉さんも倍賞千恵子さんも
とても良かったのに
遺産全部あげるとか、「わらしべ長者」的な
むかし話のようで、リアルに感動できませんでした
私にとっては、観た後の、爽快感や、
感動が薄くて
でも主役のお二人がとっても良かったので
星3つにしました
パリでは泣いたけど…。
パリでタクシー に乗ったら泣かされたけど、東京では泣けませんでした。
帝釈天がスタートだったので監督と倍賞千恵子さんの関係性が色濃く出るものだと勝手に解釈してしまったのがそもそもの間違いだった気がします。
ちょっと映った帝釈天の境内に佐藤蛾次郎さんの姿を探しちゃったし、ほとんどビョーキです笑
丁寧に本家を踏襲した展開にも「昭和ノスタルジー」に浸れる要素など微塵もありませんでした。
辛うじて、花に因んだ老婆の名前と過去に出てきた団地のシーンに監督と倍賞さんの繋がりを感じたくらいです。
とはいえ劇場では多くの人が嗚咽を漏らしていました。
本家を知らない人、または主演の 2人に思い入れが強い人は「泣ける」のではないかと思います。
「パリタクシー」をうまくリメイクしたが・・・・・・
フランス映画の名作「パリタクシー」は視聴済み。元映画の要素をうまく日本映画に置き換えていましたが、リメイク映画の常として「オリジナル」を乗り越えることはなかなか難しいと思いました。
・ドライバー役「木村拓哉」と乗客役「倍賞千恵子」の葛飾柴又から神奈川県葉山の老人ホームまでのロードムービーで、倍賞演じる女性の思い出の場所を巡りながら、東京都内、横浜などの名所を訪問しつつ、倍賞演じる女性の数奇な半生をつづるストーリーは感動するのですが、山田監督の映画のため「人情」ものの要素がオリジナル映画よりも強く出ているので、日本映画風な味付けをどうしても感じてしまいました。
・オリジナル映画のドライバーはいってみれば「三枚目」風な役者さんでしたが、本作は「木村拓哉」であり、木村としては映画の中では、子育てに追われる一般庶民の「父」「夫」を演じていますが、「二枚目」なドライバーに「倍賞」演じる老女が心惹かれるという感じがしてしまい、「人生最後の旅を提供してくれたドライバーに恩返しをする」という本作の重要テーマが少し薄れてしまったような感じがしました。
・本作での木村拓哉は、かつての「キムタク風」の演技は封印して、庶民的な人柄はよく演じていたと思います。
・倍賞の演技力が良く、高齢者層には「刺さる」映画だと思います。
・倍賞の若い時代の役を演じた「蒼井優」は数奇な人生を生きた女性役を好演していました。
山田洋次が描く東京ドリーム
ため息の数だけ思う、生きてきた道
さくら では無く すみれ
名前にあの映画が過ぎる。
彼女の持ち物と衣装に
普通の老女では無い何か
最後と云い思い出の地を巡る
それは観光では無く記憶の旅
心の奥底に有る記憶を戻す旅。
ため息の物語
彼女とタクシー運転手との交流
ぎこちない空気から打ち解ける。
明るく晴れやかな顔
過去を語る重いもの
交流の中、変わる顔
彼女の心情を表す顔と顔
別れの時のエレベーター
閉まる一瞬の顔の切なさ
山田洋次監督の周りには優秀な人が集まってくる。この映画は元の物語と違い、視線や言葉に温かみを加え、心に寄り添った作品になっている。老女の住処をあそこにしたのは意図してなのか。後半になって、ある台詞にドキッとした。
長い人生の最後の数時間、彼女の気持ちの流れ、感謝の心が優しく…。
あのエレベーターの顔、悔いる運転手の気持ちが後を引く。
年齢に関係なく、生きている人なら分かる
それぞれの「ため息」の意味。
最後は涙涙、勘弁して下さいと思った。
※
笑いと涙のバランスが絶妙
令和から見る昭和の価値観が見どころ
原作となった 2022 年のフランス映画「パリ タクシー」は未視聴であるが、この映画を見て俄然見たくなった。東京の名所なら、先日徘徊して来たばかりなので、東京駅や皇居周辺、国会議事堂など、リアルに感じられた。タクシーの運転手宇佐美浩二役がキムタクで、乗客の高野めぐみ役が倍賞千恵子というのは、21 年前の「ハウルの動く城」を彷彿とさせる組み合わせである。
柴又の帝釈天で映画が始まるのは、山田洋次ならではのパロディであろう。帝釈天から神奈川の葉山までだと、高速を使えば2時間ほどだと思うが、あちこち寄り道しながら一般道を通っているので、10 時間ほどもかかっている。その間、車の中で交わされる二人の会話が大きな見どころになっている。
すみれの語る身の上話は昭和感が満載であるが、それはむしろ昭和の生きづらさや男尊女卑の空気が強く残った思い出話で、必ずしも嬉しさを伴うような懐かしく思い出される話ではない。亭主とも子供とも縁の薄い人生を送って来た人物で、聞いていると深く同情を感じさせられるところが多く、令和の常識では理解し難い人生である。
宇佐美の方も個人タクシーでの生活は厳しく、中学生の娘は音大附属高校への推薦受験が認められているらしいが、出費が大きくて夫婦は頭を抱えていいて、信州にある妻の実家を売却しなければならないのではという切羽詰まった状況にある。
車内での会話は示唆に富んでいて、特に宇佐美が奥さんについて語る話をすみれが叱責する部分は、普段私が娘から注意されている内容で、非常に身につまされたが、昭和の男にはまず絶対に歩み寄れない部分であると思う。私は幸いにも意識の高い平成生まれの娘の薫陶を受けて、そういう価値観を理解できる珍しい昭和の男になっているので、こうした視点に注意が向けられる山田洋次は流石だと思わされた。
DV という言葉もない時代に、卑劣な男に復讐するすみれの気持ちはよく分かるが、行った行為は重罪である。事件が世間を騒がせたことで息子の生活にも大きな影響があったことは疑いない。多くの人が犯罪に手を染めることなく踏みとどまるのは、その行為によって自分ばかりではなく家族にも辛い思いをさせることが分かっているからであるが、彼女は我が子可愛さに踏み越えてしまったのだろう。ただし、その気持ちは、我が子には残念ながら伝わらなかったようである。
一時停止違反を巡回の警察官に見咎められた場面では、宇佐美がすみれの機転で救われており、このドライブでは宇佐美が一方的に世話を受ける立場になっている。宇佐美が真剣にすみれの話を聞いて同情してくれたのは確かであるが、例えば心臓発作を起こしたすみれを病院に運ぶとかの、すみれを助ける側のエピソードがあった方が良かったのではないかと思う。
人生において、自分の努力よりも大きく作用するのは、誰と出会うかであると思う。すみれが若い頃に宇佐美のような男性と会えていれば、きっと違った人生が送れたに違いない。すみれが最後に言った我が儘を宇佐美が厳しくたしなめたことが、宇佐美には決して消せない後悔として残ったはずである。その負い目を感じながらあんな手紙を読まされたら、心が震わされるに違いない。
明石家さんまと大竹しのぶが両方チョイ役で(さんまは声だけだったが)出て来たのと、小林稔侍がカメオ出演しているのにも驚かされた。それにしても、笹野高史が演じた司法書士が善良な人で良かった。彼が自分の懐に入れていたら最悪の結果になっていたところである。エンディングの歌は衰えを感じさせない倍賞千恵子の見事な歌唱が大変な聴きものであった。
(映像5+脚本5+役者5+音楽4+演出5)×4= 96 点。
パリ>TOKYO
大好きな蒼井優さんが観たくて公開初日の初回へ行ってきました。
以前観た 「パリタクシー」がとても良かったので期待せずにゆったり構えていたら、明石家さんま(声)登場で笑った!おまけに大竹しのぶまで(写真と声)木村さん保険かけ過ぎですよー。山田洋次監督は東京を映すのがほんとうにお上手ですね。
蒼井優さんが演じた役は30年前なら大竹しのぶさんがピッタリではないかな、と思いました。倍賞千恵子さんは大女優と呼ばれると思いますが、15年ほど前に観た「ホノカアボーイ」で憧れた頃が懐かしいです。木村さんの演技の感想は置いといて、「パリタクシー」のストーリーをなぞっている感じが物足りなさになり、設定の無理な部分も気になって、「パリタクシー」に感動した方へはオススメできません。
全216件中、181~200件目を表示
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