「タクシー運転手との会話で明かされる1人の女性の生き様」TOKYOタクシー 映画ファンさすせそさんの映画レビュー(感想・評価)
タクシー運転手との会話で明かされる1人の女性の生き様
娘の進学費用など家計の問題に悩む個人タクシー運転手 宇佐美浩二(木村拓哉)は柴又帝釈天から神奈川の葉山までの長距離乗車客の高齢女性 高野すみれ(倍賞千恵子)を乗せる。東京の思い出の地を巡りながら彼女は自らの生い立ちを語り始め――
山田洋二監督の手腕と倍賞千恵子さんの演技により「高野すみれ」という女性の存在感が実際に生きているかのようにリアルに感じられる。
生き様も語り口もアグレッシブなすみれと、真面目だがやや無愛想なタクシー運転手とのやり取りの中で徐々に明かされるすみれの生涯は波乱に満ち驚かされる。
最初は少し面倒そうに対応する浩二がすみれと東京のあちこちを巡る中で徐々に打ち解けていく様も心地よい。
こういった「人間」を描かせたらやはり山田洋二監督の右に出る者はいないとあらためて思わされる。
『パリタクシー』を翻案して見事に日本映画に仕立てあげている。
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