「各時代のトレンドを押さえた脚本が巧い」TOKYOタクシー totocinemaさんの映画レビュー(感想・評価)
各時代のトレンドを押さえた脚本が巧い
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山田洋次監督91作目。御年94歳、流石にこれが遺作になるかも知れませんね。昭和臭漂う映画でしたが、観ている側も大半が昭和世代でした(自分も含め)w
2022年のフランス映画「パリタクシー」に着想を得た作品。舞台を東京に移し、住み慣れた街(東京・柴又)から神奈川の高齢者施設に入居することになった85歳のマダムを送り届ける道中、思い出の地を巡る寄り道に巻き込まれる事になったタクシー運転手との心の交流を描いた作品。最後はベタオチでしたが、優しさに溢れた佳作でした。
女性にとって生きづらい時代であった戦後の昭和から、平成・令和に至るまで激動の人生を歩んできた一人の女性の語り口が本作の見どころ。叶わぬ恋、シングルマザー、再婚、DV、復讐、投獄、渡米、ネイルで一発逆転・・・と、各時代のトレンドをしっかり押さえた脚本が巧いっすね。
女優・倍賞千恵子の花道を飾りたい。そして、大好きな街・東京を舞台に自らの映画人生の集大成を残したい。そんな思いの伝わる映画だったように思います。
本年度の日本アカデミー賞はコレで決まり!?
p.s.
冒頭のシーンで登場する、キムタクの同僚ドライバーの電話の声って、明石家さんまだったんですね。えらくベタな関西弁だなと思って聞いてましたw
ちなみに大竹しのぶもキムタクの姉役で声のみ出演。元夫婦をこんな形で共演させる所も皮肉が効いていて面白いなと。
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