劇場公開日 2025年11月21日

「パリでは泣けても東京では泣けなかった」TOKYOタクシー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 パリでは泣けても東京では泣けなかった

2025年12月2日
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鑑賞方法:映画館

オリジナルは鑑賞済み。
結構好きな映画なので山田洋次監督、倍賞千恵子、木村拓哉でリメイクされることに不安はあった。たしかに人情物語だけど。その不安は一部当たり、一部はむしろうまくリメイクされていた印象だ。
残念だった点。まず、タクシーの運転手がスマートすぎた。パリではもっとダメで少し嫌なヤツだったのが、実はいいヤツだったと印象が変わる。その変化が少ない。最後のホテルに泊まるかどうかのくだりも、ほんのり恋愛要素が臭ってしまうのもキムタクだからこそ。ただ、彼の演技はよかった。他の作品のようにカッコつける要素がないからかとても自然体に感じた。
そしてタクシーに乗せた女性の人生が若干薄かった。年代的に戦争を絡めることに限界があったり、日本社会の問題としてウーマンリブを強く押し出せない部分があったのはわかるが。ただ、若い時のすみれを演じた蒼井優はよかった。芯の強い女性演じるのが本当にうまい。
次によかった点。上映時間をそれなりに確保した(パリは少し短め)から、浩二とその家族が少し丁寧に描かれていた(仕事中に電話をかけてくる娘はどうかと思うが)。パリを観て少し不満に感じていたことだったからよかったと思う。
設定は少し変えているが、基本的にオリジナルから大きく逸脱しない作り。でも、パリでは泣けても東京では泣けなかった。ラストの展開を知っていたからではない。山田洋次監督の人情演出が個人的にはあまりハマらなかっただけ。「キネマの神様」の時もそうだったが、リメイクや原作ありの作品はよろしくないのかも。

kenshuchu
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