「山田洋次監督94歳いまもなお衰え知らず」TOKYOタクシー 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
山田洋次監督94歳いまもなお衰え知らず
2025年映画館鑑賞116作品目
11月29日(土)イオンシネマ石巻
ワタシアタースペシャルクーポン1200円
監督と脚本は『小さいおうち』『家族はつらいよ』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『キネマの神様』『こんにちは、母さん』の山田洋次
脚本は他に『釣りバカ日誌20 ファイナル』『武士の献立』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『キネマの神様』『こんにちは、母さん』の朝原雄三
ロケ地
東京都葛飾区
柴又帝釈天
東京都墨田区
鳩の街通り商店街
言門橋
東京都足立区
千住
東京都台東区
上野恩賜公園
東京都目黒区
カトリック碑文谷教会
元ネタは2023年公開のフランス映画『パリタクシー』
柴又から葉山の老人ホームまで乗客の老婆すみれの身の上話を聞く個人タクシーのドライバー宇佐美浩二の話
すみれは若い頃に朝鮮人キム・ヨンギと恋をして孕った
それを知らずにすみれと別れ出来たばかりの北朝鮮に渡った元恋人
すみれは男の子を産み勇と名付けた
やがてすみれは日本人の小川と結婚したが夫は妻子に日常的に暴力を振るい勇を愛することはなかった
たまりかねたすみれは煮えたぎった油を小川の股間に注ぎ込み殺人未遂で9年の服役をする羽目に
服役中に勇はバイクを運転中に事故で亡くなってしまう
最愛の息子を失い死にたかったが刑務所ではなかなか自殺はできなかった
刑期を終え美容院で働き始めネイルの仕事に目覚め起業し成功した
予定時間の17時を大幅に遅れたもののすみれを無事に老人ホームに届けた宇佐美
後日タクシー代を取りに行くついでに妻を連れて老人ホームに見舞いに行った宇佐美ではあったがすみれは数日前に持病の心臓発作で亡くなったという
ショックを受け後悔する宇佐美
すみれをサポートしてきた司法書士から宇佐美宛の遺書を渡された
感謝の言葉と一緒に1億の小切手が同封されていた
彼女の遺産を宇佐美が受け取ることになった
年寄りの話を長々と聞いただけで1億円も貰えるなんてありえないがまあそこは作り話だから文句を言うのは野暮である
とはいえ遠野の老婆から昔話を聞くにはお金を取られるのになあブツブツ
明石屋さんまの声から大竹しのぶの声という豪華リレー
それにしてもさんまの声は汚い
多額の遺産相続だが相続税で半分は取られる
残りの人生を働かずに遊んで暮らす額ではない
家賃や車検や学費は助かるだろうし実家を売ることもない
司法書士の言動を総合すると彼女に親類がいるように思えないのでそういうトラブルはなさそう
強いて心配されるのは代役を頼んで遺産をもらい損ねた同僚のでんがんまんがなの出っ歯である
紹介料としてどれくらい要求することやら
シュークリームを食べて鼻にクリームをつけたのは山田洋次の演出だろう
巡査の1人として和田光沙が出演
タクシーを見逃したあとに相棒相手に口論を始めるところで場面が変わる
山田洋次は芸が細かい
山田洋次94歳にして衰え知らず
黒澤明とか大林宣彦とかどんな巨匠も晩年は「は?」と言いたくなるような映画をドヤ顔で制作していた
しかし山田監督は老若男女隔てなく楽しめる娯楽映画を撮り続ける
山田洋次あなたは素晴らしい
いつまでも長生きして面白い映画作ってねお爺ちゃん
配役
柴又の自宅から神奈川の高齢者施設に引っ越す裕福な老婦人の高野すみれ/小川すみれに倍賞千恵子
すみれの若年期に蒼井優
車検や家賃や娘の教育費の支払いを控え火の車の個人タクシー運転手の宇佐美浩二に木村拓哉
すみれの初恋の相手ですみれの別れて北朝鮮に渡ってしまうキム・ヨンギ/金城栄基にイ・ジュニョン
すみれとキム・ヨンギの息子の勇に木村優来
すみれの夫で妻や勇に対し度々暴力を振るう小川毅に迫田孝也
小川との結婚に反対していたすみれの母の高野信子に神野三鈴
スーパーマーケットでパートをしている浩二の妻に宇佐美薫に優香
浩二の娘で音大志望の中学生の宇佐美奈菜に中島瑠菜
すみれに雇われた司法書士の阿部誠一郎に笹野高史
すみれの裁判を仕切る裁判長にマキタスポーツ
葉山の老人ホームの施設長の東に北山雅康
レストランで家族に誕生日を祝ってもらう老人に小林稔侍
ぎっくり腰になってしまい代わりに仕事を頼む浩二の同僚の声に明石家さんま
弟の借金を断る浩二の姉の声に大竹しのぶ
一時停止を取り締まる巡査に大塚ヒロタ
一時停止を取り締まる巡査に和田光沙
老人ホームの施設スタッフに笠兼三
老人ホームの施設スタッフに小野瀬侑子
やっぱり和田光沙さんでしたよね、クレジット見逃しました。
…と思って調べたら、(恐らく)過去編にも出ていた模様。
当サイトにも公式HPにも名前がないので、完全に油断してました。
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