「85歳の女性の一生と現役世代の運転手が感じる物語」TOKYOタクシー 梅じんの相棒さんの映画レビュー(感想・評価)
85歳の女性の一生と現役世代の運転手が感じる物語
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私はキムタクが演じる映画やドラマが好きではありませんが山田洋次監督作品にして倍賞千恵子さん主演と言うことで鑑賞。
人生の終わりを感じた老女が終の住まいとして選んだ施設へのタクシー移動の1日の映画なんだけど、スタートが帝釈天と言うのが嬉しい。
原作のパリタクシーを観ていないので内容も知らずだったが、85歳の高野すみれ(やっぱり花の名なのね)の一生で時代背景によるところの人間模様、変わっていくものと男が妻に対して愛を言葉にしないのは何時の時代も変わらずという点の表現は監督らしいですね。
東京大空襲から復興、経済成長、ウーマンリブ、ファッションなどの変遷、回顧シーンも素晴らしく日本の現代史と東京から横浜を巡って葉山まで東京観光のよう。
また個人的に大嫌いな言葉だが「老害」とネット上をはじめ昨今の若者にとって煩わしく感じる高齢者の事を一言で老害というが、戦中戦後を生き抜いてきた人生の先輩をもっと敬うべきなのではと運転手の宇佐美浩二を通して言いたかったのだろうとさえ思った。
誰もが一生を終える時が来る、望んで契約した施設にいざ入る時のすみれの何ともさみしい表情とそれを見送る浩二の切ない表情には涙腺が緩んだ。
老いた親を持つ身には堪えるシーンです。このシーンこそがすべてでは。核家族化と言われ久しい時代に親
の面倒見ることも他人任せの時代、自分たち親と子の家族の生活だけで経済的にも精一杯で自分に愛情注いで育ててくれた親に対して亡くなってから後悔するなどは現代日本の常ではあるが本当にそれで良しとしていいのかを問うた作品だと感じました。
忘れてはならない、歌手、倍賞千恵子さんにも注目です。
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