「シニアによるシニアのためのシニア映画」TOKYOタクシー バビさんの映画レビュー(感想・評価)
シニアによるシニアのためのシニア映画
まず、平日の午前中なのにお客さんが多いのに驚いた。
自分のまわりでは、見たいって人は一人もいないから。
山田監督の力か、倍賞千恵子の魅力か、たぶんキムタク目当てではないと思う。
平均年齢がかなり高そうで、先月の「てっぺんのむこう・・・」と同じくらい。
自分は「馬鹿が戦車でやってくる」から山田作品は好きなんだけど、監督の現代に対する認識にかなり違和感を感じています。が、あと何作見られるのかって思って映画館に行ってしまう。
で、前作、「こんにちは、母さん」と同じような変さを楽しんできました。
娘が私立高校に行くって決まってから学費に驚くキムタク。
家計が苦しいから義姉からお金借りられないか相談するキムタク嫁
ケーキを食べると必ず鼻の頭にクリームをつけずにはいられないし、段差があれば俳優がずっこける。
昭和では楽しかったシーンなんだろうけど、今ではちょっと見てらんない。
スマホの通話相手が「姉」とでるのはともかくとして、でかでかと大竹しのぶの顔が映ってる。
いいおっさんが姉との通話の際に姉の写真が出るように設定するわけないんだが。
倍賞が入居する高級老人ホームの職員が、ルールに厳しくて初入居の彼女に冷たい。
貧乏ホームならあるだろうけど、金持ち用のホームにそんなことはない。
山田監督は現代の企業ってもんの表現に悪意がありすぎますね。
で、話全体も、そんなことあるわけねーべってレベルのおとぎ話。
昭和を懐かしむという要素だけでできている感じ。
あと子役の演技の下手さに甘いってのも山田監督だなあ。
イマドキの子役はもっとやれるでしょ。
まあ、以上のような変さを楽しむためにお金払ってるんですけどね。
キムタクはいつも通りのキムタクなので異常なしです。
すっかり見なかった小林稔侍に会えたのは良かった。
でも、倍賞と同年代の両親には勧めたい作品でした。
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