「見終わったあと、とてもやさしい気持ちになりました」TOKYOタクシー ROKUxさんの映画レビュー(感想・評価)
見終わったあと、とてもやさしい気持ちになりました
物語の中に、いわゆる「サービス付き高齢者向け住宅」が出てくる。すべてがそうだというわけではないけれど、サービスより“管理”が優先される所もあるやに聞く。この作品の中で、すみれさん(倍賞千恵子)が目的にしている施設は、なんとなくそんな雰囲気をにおわせている。
それから、個人タクシー運転手の浩二(木村拓哉)の家庭の事情が、まさにリアル。そこそこ暮らしていけてはいるものの、いざ娘の夢を叶えてやろうとしたとき、お金がない。その惨めさや、現実逃避したい気持ちがひしひしと伝わる。
台詞回しや演技に嘘くささが残るけれど、タクシーの中でかなりディープな身の上話を始めるという設定がそもそも嘘くさいので、まあそこは許せるとして。
人生はいつも時代とともにあったし、時代は一人一人の人生とともにあったのだなあという、ごくごく当たり前のことに気づかされた作品でありました。
お年寄りは大切にしなきゃなあと思いましたが、若い人には伝わりにくいかも。
そういえば、タクシーの中のシーンって、どうやって撮影したんだろう。昔みたいに、止まってる車内で、背景に流れる景色を映写するって感じでもなかったし、CGの嘘くささもなかったし…。
たぶん撮影用の特殊な車両を使ったんだろうな。キムタクは本当に運転しているんじゃなく、牽引された特殊車両の動きに合わせて演技していただけなのではないだろうか。
そこらあたりの種明かしを楽しみに待ちたい。
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