「人間を肯定的な眼差しで見れるか」TOKYOタクシー HKさんの映画レビュー(感想・評価)
人間を肯定的な眼差しで見れるか
タクシーで思い出の場所を巡るとはいえ、
初対面の運転手に自分の過去を躊躇いもなく洗いざらい話すだろうか、
すみれさんにそうさせる特別な何かがタクシー運転手にあるか、
という基本的な設定に対する疑問にモヤモヤした。
もっと(車中からではない)街の景色をたくさん映して心象を想起させるとか、
黙り込んでもの想いにふけったりとか、逡巡、葛藤する様子とかがあまり無く、
波乱万丈の人生を語るにしては、構成、展開が滑らか過ぎる気がした。
もはや達観しているということか。
その語り口は、人間や物語世界に対する信頼の証であり、
人間関係が希薄で無色透明な世知辛い現代でも、
暖かい純粋なものは存在しているはずだという
監督の強い信念、願いだと思った。
全編に安心感があり、余計なことを考えず、
素直にシンプルに見れば、良い(映画として)幸福な作品だと思った。
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