TOKYOタクシーのレビュー・感想・評価
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車内で数時間だけ交差した2人の人生が、静かに交わりながら、観るものの心を揺らす。
名匠・山田洋次が、倍賞千恵子と木村拓哉を主演に迎え、2022年製作のフランス映画「パリタクシー」を原作に、人生の喜びを描いたヒューマンドラマ。
まず、キムタク。
抱えている家庭の不安も、仕事の疲れも、
「普通のお父さんの普通」をほんまに自然に演じていて、
久しぶりに“等身大の木村拓哉”を見た気がした。この普通が、めちゃくちゃ良い。なんならもっともっと、しがないキムタクでも良かった。でも、今までのキムタク作品の中では一番好きかもしれない。
そして倍賞千恵子さん(84)。
存在がもう 神✨「男はつらいよ」シリーズなど半世紀にわたり日本のトップ女優として作品に出演し続けているその事実だけで優勝🥇拝んでスクリーンを観るべし🤫人生の重みと気品と、老いてもなお揺るがない意志。声のひとつひとつが、観客の胸に直接届く。存在感がレベチ。
そしてその若き日のすみれ役を演じた蒼井優さんも見事。彼女の繊細かつ大胆な演技が、倍賞さんの“人生の深さ”と美しくつながる。
キムタクの妻役・優香も良すぎる。
ただ優しいだけじゃなく、
“働く母としての現実”も“家族を支える芯”も、全部にじむ。だから家庭シーンの描写が自然で温かい。
ひとつだけツッコミ入れておきたい😎
お金がない普通の家族に最新iPhoneはいかがなものかと😅キムタクも妻も…カメラの数が気になって仕方なかった。
で、内容はというと🤫
出会うべくして出会った2人が起こす、静かな奇跡。タクシーで東京の街をゆっくり巡りながら、ふたりの人生が少しずつ交差していく。
ラストは……まあ、想像通り。
原作は知りませんが、かなり早い段階で、予想はつきます。はい😎
正直、“棚ぼた”みたいな展開。
でも、これがいいし、これでいい。
まるで水戸黄門の印籠のように、
「はいはい、ここで持ってくるんやろ?」と分かっていても、
出された瞬間に“やっぱり泣いてしまう”。
この安心感こそ山田洋次ワールド。
これぞ日本映画が持つべく“人”と“情”の美しさ。
最後は報われるべき人が報われる。
衝撃ではなく、
静かなやさしさと余韻で泣けるタイプの映画でした。
人情映画好きのあなたには、ピッタリおすすめの映画です。ぜひ映画館で🎬
優しくあたたかく人との出会いが楽しみになる作品
「パリタクシー」の日本リメイク版
山田洋次監督らしく優しくあたたかな気持ちになる作品。意外性とかは特に無いけれど、カロリー高めなエンタメを摂取し続けていると、こういう優しいおじやみたいな作品を摂取したときポカポカと心が温かくなる。
映画を通して、一期一会の大切さとか、1人の女性の生き方とか、人と人との繋がりから生まれるあたたかさとか、様々な思いが過ぎる時間だった。
倍賞千恵子さんが演じるすみれさんは、可憐さもありながら深みもありとても素敵だった。(あとお召し物が素敵!)
木村拓哉さんはタクシー運転手にしてはかっこよすぎてしまい、どうしたって彼のイメージがあるから、素朴さや一般人感は出せてはいないけれど、もうそれだけ木村拓哉という人間が強すぎるので仕方がないのかなと思う。
しかし最後のシーンは人間味と優しさが溢れていてすごく感動した。思わず涙が出てしまった。
人と人との関係性が希薄になってきている世の中だからこそ、もしかしたら私も勇気を出して他者と距離を縮める努力をすれば、一生忘れることが出来ないような、素敵な出会いがあるかもしれないと思わせてくれる素敵な作品だった。
二人の間で醸成されるなんとも言えない心地よさ
かつてオリヴェイラが105歳で新作を撮った時も凄いと思ったが、94歳で新作公開を迎えた山田洋次にも恐れ入る。本作は彼が撮り続けてきた人間ドラマを基軸としながら、ストーリー構造は「固定」と「移動」を組み合わせたたもの。互いに目線を合わせることのない二人芝居は、その緩急や起伏の付け方や台詞のタイミングなど、シンプルに見えて実は難しい要素が満載だったのではないかと想像する。もっとも、一台の車を駆使した「動く密室劇」という観点で言うと『幸せの黄色いハンカチ』こそジャンルの代表作であるわけだけれど。ちなみに原型となっているのは仏映画『パリ・タクシー』。しかし最初の乗車地があの場所ならば、これはもう山田作品以外の何物でもない。山田作品ならではのあの人この人の登場も楽しい。そして木村と倍賞の間で醸成される空気感の心地よさ。腕を組む瞬間、双方が浮かべるまるで初恋どうしのような恥じらいの笑みが心に沁み渡る。
ファンタジーの中のリアル
「ハウルの動く城」の組合せ、往年の可憐さを持つ賠償千恵子さんと久し振りに見る木村拓哉さんの演技、山田洋次監督による「パリタクシー」、色々楽しみで見に行きました。
一番違和感無く見ていられたのは賠償さん、作り物めいたキャラも自分のものにしてしまう。
木村さんはどうしても疲れた個人タクシーの運転手には見えない。演技がどうというより、地味なジャンパーやズボンを履いていても絵的に宇佐美<木村拓哉なのは私の世代によるものか。
すみれさんのエスコート役としては完璧です。
宇佐美の妻や娘のリアクション、散りばめられたディテールで山田洋次監督作品そのものであることを実感。
夫が妻に暴力を振るっても離婚理由にはならない、すみれさんの人生に乗せて語られる戦後の日本社会はリアリティがありました。
最終手段としてすみれさんが夫に取った行動も、全体のファンタジー感に平手を食らわすようなかなりな衝撃です。
誰にでも徐々に、でも確実に迫る人生の終わり。
あらゆることに怖気づかなくなったと自負しても尚、華やかな思い出や後悔、孤独、恐怖が押し寄せてしまう。すみれさんは宇佐美との偶然の出会いで、そんな波立ちを半分ぐらい減らせたのかも知れません。
人生を折り返した層には、やけにリアルに響くテーマです。
すみれさんが若い女の子の様にはしゃいで宇佐美と腕を組んで歩く元町のシーン、一番のハイライトでした。
気になる点はあるが、良い作品
まさかの結末、、、
タイトルなし(ネタバレ)
最後に木村拓哉がハンドル握りながら涙するシーン。
残念だったのは、後部座席で妻の優香が寝ていること。
見ず知らずの人から1億の贈与を受けたのですよ。優香が「税務署にはどのように申告するのかしら。でもこれで車検代金や家賃更新料、そして娘の学費も大丈夫ね。いーや それよりも家族で欧州旅行に行きましょうね。あなた。」って後部座席から木村拓哉に話しかけて、それで、木村拓哉がそれを聞きながら「あの涙」だったら私は涙腺爆発でした。
残された時の中で、新しい貴重な時間を二人で紡いでいく物語
「パリタクシー」は観ておりませんが、リメイクするほどの物語となれば、話筋は安定しているだろうことと、倍賞千恵子さん(高野すみれ役)主演ということもあり、観賞。
山田洋次監督独特の動きも無く、少し長めで淡々と語るのみのシーンは、並みの女優さんでは難しそうですが、それを何カットも破綻なく演じ切れる倍賞さんはやはり素晴らしい。木村拓哉さん(宇佐美浩二)はSMAP時代のドラマの印象が強すぎて、それは2023年の「レジェンド&バタフライ」でも変わらずだったのですが、いい中年になってきましたね。すみれと宇佐美が横浜を歩くシーンは、老年の女性をエスコートするに十分な「男」が演じられており、最初にすみれをタクシーに乗せた時の宇佐美が「キムタク」だとするなら、物語が進むに従い、最後は名優「木村拓哉」(言い過ぎ?)になっていく印象でした。
タクシーって「個室」であるがゆえに、運転手と終焉の時を迎えつつある客が何時間も一緒に居れば、身の上話も出てくるのは自然な流れ。その過去をひとつひとつ辿りながらも、残された時の中で、新しい貴重な体験(時間)を二人で紡いでいく。それを我々は温かい気持ちで見守っていく、そんな物語でした。
余談ですが、すみれの辛い過去が回想されるシーンがあります。「女性に暴力を振るっても普通だったのが昭和だった」ことに否定はしませんが、そこには必ず弱い女性を守る強い男がいたのも昭和(の映画)でした。ふらりと渥美清さんか高倉健さんが兄役で現れて、DV夫をぶっ飛ばせば、すみれは罪を犯すことも無かったのになと妄想してしまうのは、倍賞千恵子さん出演映画をいくつも観てきたからでしょうか。
もうひとつ、少しネタバレ??最後にすみれが宇佐美に渡す大金ですけど、当初は劇中セリフにもあった「自分を応援してくれる女性の人権を守る団体」に全額寄付する予定だったが、その中から宇佐美にこの旅の御礼として数百万円程度を分けた。とした方が美しかったのではと。なんとなく、過ぎた大金を手にした宇佐美家の今後が気になるという余計な後味が残りました(笑)。
倍賞千恵子さんお元気ですね。
倍賞千恵子さんといえば歳のためか映像の露出が減ってきているように思いますが久しぶりに映像で見た倍賞千恵子さんはとてもお元気でしたね。
見た目は歳なので致し方有りませんが見た目以上に元気さは若い頃と余り変わってないように思いましたが倍賞千恵子さんといえばどうしてもさくらのイメージが強いですね。
内容についてはアクションとかSF主体で見る私はこう言う映画は余り多くは見ないのですが山田洋次監督の映画は見るようにしています。
激しいアクションやSFばかり見ているとこういう日常的なドラマ(映画)を見るのも個人的には箸休めになってとてもいいと思っています。
タクシー役のキムタク(宇佐美浩二)が同僚のぎっくり腰で送迎を頼まれたのですが客の倍賞千恵子さん役のすみれをタクシーに乗せて送迎しますがすみれさんの思い出話しであちこち引っ張り回されます、実際こう言う客がいるのかは分かりませんが中々ココまで付き合ってくれるタクシー運転手って現実には中々いないような気もしますがドラマとしてはとてもいいものだと思いました。最後はキムタクが会いに行ったら既にお亡くなりになっていましたが。キムタクさんは相変わらず何をやってもキムタクで其れも俳優の一つの個性として見るべきなのかもしれません。
深く静かに、、
映画館はリラックスしながらも神経を研ぎ澄ませ集中するいわば極上の時間となりうる。家でのテレビと違い、積極心で大画面を見て耳だけでなく全身の細胞で浴びる分感動も大きい。
冒頭タクシードライバーの宇佐美の家計に苦しむ描写でリアリティがあり世界にすんなり入っていけた。
固定された空間でいながら景色は移り変わる。
無愛想な2人が徐々に自然に打ち解けていく。
路地の風景とともに戦中幼少期から徐々に紐解かれるすみれの過去は想像を超える苦悩を抱えていた。名作なりうるにはほのぼのだけで終わるわけにはいかない。壮絶な過去とほのぼのした現在(タクシー)を行き来する。
すみれは長い孤独のなかで蓋をし沈もれていた悲しみを、全て聴き受けとめてくれる存在との邂逅により、最期に自身を涙とともに受け入れることができた。
その対価としてけして高すぎではないと思える。さらに宇佐美はすみれとの出会いにより、お金以上のものを得たのかもしれない。
戦後の日本を懸命に生きた
一人の人生の重みを感じました。
夜景とともに深く静かに、、、
とある人生の一日の記録
すみれさんの人生が強烈過ぎて、鑑賞から丸一日経った今なお鮮烈。全体的に流れるように語られていく物語でも、各キャラクターの個性が強めなので、場面々々の印象は強い。煮えた油をかけちゃうシーンは、わたくしきっと忘れません。アイツは私も大嫌いだが、さすがにあれは想像もしなかった。
どんな人の人生にもドラマはあると思うけど、すみれさんほどフルコンボな人はいないと思うよ。喜びも哀しみも、レベル0から100まで全部揃ってるもの。
この映画はロードムービーでもあったし、おとぎ話でもあったし、すみれさんに仮託された、消え行く昭和という時代へのレクイエムでもありました。人生という本の最後のページでキムタクにあえるなんてすみれさん、ついてたね。
ラストが読めてしまったのが難点と言えば難点。
一人娘の進学費用で悩む個人タクシー運転手が、ある日東京の柴又から葉山の老人ホームへ入居する85歳の女性を送ることになる一日を描く。
普通の老女と思われた彼女が生きた時代と襲い掛かる苦難に立ち向かった日々。
人生の終活に向けての旅は思いのほか楽しいものになる。
戦争無ければ彼女の人生は異なったし、若さ故に男を見る目が無かったことが彼女の息子を死なせる遠因になってしまうなど彼女に責任を問う声もあるだろう。
ラストが「事前に運転手の家計が火の車であることが語られていた」ことで読めてしまったのが難と言えば難点。
そこそこ泣けるいい映画風にはなっているのは元ネタのおかげ? 絵ハガキ風の東京•横浜の風景をバックに展開する作り物感たっぷりのお芝居にちょっぴり落胆
元ネタの『パリタクシー』は一昨年に鑑賞済み(大いに感動しました)で、このリメイクの企画自体にあまり興味がわかなかったのでパスしようかなと思ったのですが、不謹慎な言い方に聞こえるかもしれないけど山田洋次監督の作品はいつ遺作になってもおかしくない時期にきてるとは思っているので「今のうちに観ておかなくちゃ」と鑑賞してきました。
あらかじめハードルを下げておいたせいか、恥ずかしながら、途中でハンカチを取り出すハメに…… とりあえず、元ネタをうまくなぞって泣けるいい映画にはなっているとは思います。でも、かつて毎年の盆正月に公開される寅さん映画に通っていた年配ファン(お前もそのはしくれだろ、とのツッコミはさておき)にはそれなりに刺さるかもしれませんが、少なくともオリジナルの『パリタクシー』を鑑賞済みの映画ファンにはうけない可能性が高いのではないでしょうか。
まずは、これ、半日で東京の様々な場所を巡って横浜へそして葉山へと移動する「時短かつ短距離ロードムービー」といった趣きなのですが、スクリーンに展開する風景が映画的興趣とはズレていてなんだか絵ハガキ風の美しさを体現しているようです。実はこの東京版、オリジナルのパリ版より10分ほど長いのですが、絵ハガキの枚数を増やしたから、はたまた、回想シーンを無駄に長くしたからそうなったの、とか言いたくなります。
まあでも、オリジナルのパリ版との決定的な違いは主演のふたりではないでしょうか。東京版では倍賞千恵子、木村拓哉というビッグネームを起用したにもかかわらず、共演による化学反応みたいなものがあまり発生していません。本家のセリフをなぞったセリフの応酬に終始している感じで、セリフ以外の非言語的なコミュニケーションにも見るべきものはありませんでした。セリフをなぞったと書きましたが、パリ版のほうにあった「怒りは人を年取らせ、笑いは人を若返させる」といった感じの人生の教訓めいた老婦人マドレーヌの名セリフが東京版のほうには出てきません(出てきたかもしれないけど印象に残ってません)。で、この笑いの話。パリ版のマドレーヌとタクシー運転手シャルルのふたりは笑顔がとてもチャーミングだった記憶があります。ふたりが打ち解けてくると、両者ともこのチャーミングな笑顔をふりまいてとても楽しそうでした。それも、ごく自然に。残念ながら、倍賞、キムタク組にはこの自然な「楽しそう感」を感じ取ることができませんでした(自分にとってはこれが決定的なポイント)。
あと、回想シーンに関しては、なんだか戦勝国フランスと敗戦国日本の違いが出てるような感じでまあ致し方ないと言えば致し方ないです。パリ版ではマドレーヌの最初の相手で子までなすのは、パリ解放に尽力したアメリカ軍の軍人でした。マドレーヌの母親は舞台演劇の衣装を担当していたと思います。このあたりの華やかさは終戦直後の東京では出せないでしょうね。あと、マドレーヌの息子は報道カメラマンになり、取材先のベトナムで亡くなっています。このあたりのメリハリの付け方もパリ版はうまくいっています。
やっぱりリメイクって、難しいですね。リメイクしたことの付加価値をつけないと、両方観た人にはただなぞっただけの安直さを簡単に見破られてしまいます。いいときの山田監督なら、もっと「抒情味」みたいなものが出せる演出をすると思ったのですが。まあでも、そもそもの話になりますが、あの『パリタクシー』をリメイクするという企画自体のハードルが高かったのでは…… でも元ネタのほうを観てない人たちにはそこそこ楽しんでいただけただろ、リメイクの意味はそこにあるのよ、と言われれば返す言葉はございません。両方観た身にとっては、オリジナルの『パリタクシー』って軽くやってる感じなのにけっこう傑作なのね、と再認識した次第でございます。
『投げかけたものは帰ってくる』という素敵なお話!
フランス映画「パリタクシー」をベースにした作品で、94歳の山田監督が作ったというので大いに期待して観に行きました。期待通りで昭和時代の雰囲気がとても漂っていて癒されました。ストーリーは85年間生きてきた倍賞千恵子が柴又から葉山の老人ホームに入るために頼んだタクシーの運転手が木村拓哉だったというものです。きっと静かに淡々と人生が語られて終わりと思っていましたが、どっこいそうではありませんでした笑。賠償の起伏のある人生は、かなりぶっ飛んでいます。気性の激しい女性でやりたいことはすぐに実行してしまうタイプ。かたや木村拓哉といえばかなりおとなしめのごく普通の中年(日常生活は極めて庶民的で良いパパ。無口で無骨笑)。賠償の積極的な話し掛けにより、二人はだんだん打ち解けて下の名前で呼び合うようになります(賠償さんが木村に夫婦の大切さを教え諭した時には涙が出ました)。そして無事葉山の老人ホームに辿り着くのですが、その間の立ち寄り先がめちゃくちゃ東京人ならば愛着のある場所ばかりでした。私は墨田区のスカイツリーの真下にある企業に勤めていましたので、墨田区の情景には自然と涙が出るほど嬉しくなってしまいました(墨田区も本当に素敵なところです!)。そして、もらえてないタクシー代とお見舞いのために1週間後に再び木村夫妻が老人ホームに訪れた時には、青天の霹靂が訪れます。さらには、ラストに予想してはいましたが素敵な宇宙からのプレゼントが?『投げかけたものは帰ってくる』という素敵なお話でした(号泣)。映画館の椅子に座っていつまでも鑑賞後の余韻に浸っていたくなる傑作でした。ありがとう。感謝!
もうちょっと情緒があれば
映画が終わって周囲を見渡したら、年配の方々ばかり。カップルが数組。
盆と正月の寅さんで育った世代ですかね。
ご夫婦らしいみなさんゆったり小声で会話したりして、この映画はそうやって観るのが合っているなと思いました。
TokyoというかYokohamaタクシーかも。風景がきれい。
元になったパリタクシーを日本と日本人にそのまま焼き直したような映画なので、「良かったねえ」で終われていいんですが、ちょっと惜しい。もうちょっと情緒がほしかった。
浩二もすみれさんも、人物に深みがないような。
セリフが硬いせいというのがあると思う。
普通の会話ならこんな言葉使いはないだろう、こんな言い回しはしない、さらには全部説明してしまういかにもセリフな会話が多くて、演技してます感が出てしまった。
息子はどうしているか聞かれて、すみれさんは「あんまり言いたくないのよ、死んでしまって」みたいなことをすらすら言葉にするが、ここは表情と態度と間で「言いたくない感」を醸しだしたらよかったのに。だまって言いよどんで、「そうね、実はね、死んじゃったの」浩二が驚いて「すいません、言いたくないことでしたか?」その方が人の情感に訴えるものがあるような気がする。私見ですが。
そして、すみれさんの過去のエピソードの数々が重い話なのに薄い。
なので浩二がすみれさんに感情移入するほどのことに感じない。
私は倍賞千恵子さんの映画をほとんど見たことがないので普段どういうお芝居するのか知らないが、酸いも甘いも嚙分けた人生の達人のような懐の深い役は合わないのではないか。単に年齢と山田洋二チョイスで配役されたような気がする。松竹だと山田洋二で倍賞千恵子、とすらすらなってしまうんでしょうが違う映画会社だったら違う監督違う配役で、その方がよかったかも。ってか松竹だからのリメイクな気もする。
キムタクは、当初の仏頂面でつっけんどんな表情が、いつのまにかすみれさんに魅かれて劇的に柔和になるような、オリジナルでは見せ場だった運転手さんの感情の動きが感じられない。最初から最後まであまり変わらない。
(但し、夫や父親としてはいい感じだった。ごく普通の家庭の、家族思いのお父さんで夫。朝ごはんは白いごはんに納豆派なのね)
パリタクシーとストーリーはほぼ同じだが、情緒が大分違う。
元町を歩きながら、すみれさんの方から浩二に「腕を組んでも良い?」と聞くのはどうでしょうか。すみれさんのほうからそんな申し出をさせるのか。ここは浩二の方から肘を差し出して、すみれさんにお手をどうぞ、とエスコートするところじゃないですか。そのほうがスマートだし、浩二からの、すみれさんへの敬意と親しみの気持ちが表わせると思う。すみれさんは驚き、照れながら喜び、恥じらいながらも堂々と腕を組むでしょう。日本の男はそんなことしないかもだが、浩二もマダムのチャーミングな気品に、ぎこちないがそんな気持ちになった感じで良いのでは。
ホテルのディナーも浩二が自分の気持ちでごちそうする。すみれさんはお礼に浩二娘リクエストの元町の名店のシュークリームをたくさん買う。そのほうが良くないか。
そういう、ちょっとした人間の機微を拾って心動くような場面が、tokyoタクシーにはほぼなかった気がする。
すみれさんが自分より大分若い男性(ちょっと前のイケメンの代名詞キムタク!)侍らせて、ふたりきりで遊べて浮かれてはしゃいでいる金持ちマダム、な感じに見えてしまうときがある。
ホテルに行きたい、にはちょっとギョッとした、そんなわけ無いんですが。
昭和の日本人男性である山田洋二は、日本の下町や炭鉱での人情を描くのは名人だが、女性の微妙な気持ちとか大人の男のセンスあるふるまいには疎いのかもと思ってしまった。
浩二の奥さん役の優香が良かった。
良い家庭なので安心して見ていられる。
パリの運転手さんほど切羽詰まって困窮してはいないようです。
長年さくらだったけど、今度はすみれ。
山田洋二監督のちょっとしたシャレなんでしょうね。
それにしても「1億」は大きすぎる。贈与税でかなり取られるにしても。
宝くじで高額当選して、急に大金が手に入ったばかりに人生狂わせる人が多いようだが、この良き一家は大丈夫か、余計な心配をしました。
映画館で鑑賞。 キムタクのファン?倍賞千恵子のファン?ご年配の方で...
映画館で鑑賞。
キムタクのファン?倍賞千恵子のファン?ご年配の方で満員でした。
アドリブなのか、ふふっと笑える場面がいくつかあり、皆さん笑っていました。
平成生まれにはあまりピンとこない時代背景でした。
パリタクシーはなんか主人公に親近感湧いたのになんでかなあ。
作り話感が強いのか、私の教養が足りていないのか…。
車検や家賃の更新でお金がないなんて、なんて計画性の無い家族なの。
そんな中、終始キムタクはやっぱりキムタクなんだなって演技でした。
映画館ではなくで、深夜に家てぼーっとみるぐらいで楽しみたい映画でした。
そんな映画が好きなので、きっとまた何かの機会で観ると思います。
キムタクは教場が楽しみです。
国家の枯れ具合をキムタクの枯れ具合で山田洋次が撮るとは。
全450件中、1~20件目を表示
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