「<これは映画か演劇か、それともドキュメンタリーか!?>」Page30 HiraHiraHirappaさんの映画レビュー(感想・評価)
<これは映画か演劇か、それともドキュメンタリーか!?>
どこまでが芝居で、どこまでが真実? 舞台演劇でしか味わえないはずの4人の芝居、現場でしか起きない女優たちの化学反応・LIVE感を目撃せよ!
たぶん、コレまで見た事もないような映画?芝居?ではないだろうか。
芝居を作るつもりで書き始めた脚本が、「完成してみれば、映画として作る以外の方法が無かった」、「芝居を作るライブ感を、演劇で再現しようとしたら、映画になってしまった」まさにそんな感じのお話でした。
映画は、円型舞台の小劇場に集められた4人の女優。演出家さえいない異様な空間で、30ページの台本を渡される。まるでイカゲームのように、4日間閉じ込められ、理由も知らされないまま芝居の稽古を始められる。
集められた当日を含め4日目には本番の舞台。たったそれだけの日程でセリフを覚え、誰がどの役をやるかもわからないまま、全ての役をやる前提で、全員がそれぞれの役を交代しながら、役作りを深めていく。
集められた4人の女優は、いずれも女優として瀬戸際に立たされ、苦悩とプレッシャーの中に生きている。それぞれの生き残りを賭けたこの芝居で、4人の演技バトルが始まる。
その演技バトルは、最初は映画の中の演劇の中での演技バトルだったはずなのに、いつの間にか「これは、役を演じているはずの唐田えりか、広山詞葉、林田麻里、MAAKIII、4人の対決をみせられているのではないか!?」 どこまでが芝居で、どこまでが真実か。その境界線がわからなくなるような、異色の作品となっています。
映画ファンを自負する人なら、ぜったいこの作品を体験しておくべきだと思う、そんな異色作品です。
最後は、自分でもどう評価したらいいのかわからないような、何とも言えない感動で締め括られていました。