「ホラー、アイドル、キャラクター、3本柱の楽しみ方」事故物件ゾク 恐い間取り さとさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラー、アイドル、キャラクター、3本柱の楽しみ方
主演が渡辺翔太さんなので観に行きました。
ホラー作品として見ると映画自体はライトというか、幅広い層が楽しめるつくりだと思います。
"実話に基づく"ということで松原タニシさんが原作者であり本も出されていますが、怖さを求める人はタニシさんのお話を併せてたどっていくと、リアルな不快感を得られるかなと思いました。エンドロールで元となる写真など出てきます。ホラー要素で個人的に好きな部分はここでした。
ホラー要素に関して、宣伝で持っていた期待値に比べて映画本編だけでは物足りなく感じたので、星は3.5にしました。
アイドル渡辺翔太を観に行く人は十分に楽しめると思います。
「渡辺翔太と言えば」という映像やセリフが、作品中にふんだんに散りばめられています。
"上京前の職場は工場"という前情報を入れずに観たため冒頭が製鉄所で「?」と思ったのですが、その後すぐのシーンでパンプアップされた肉体を披露するので、労働で鍛えられた体という設定かと納得しました。
観客をホラーの世界にいざなう主人公ヤヒロとしての演技も、ナチュラルで良かったと思います。
個人的に一番ハマったのは、個性際立つ登場人物たちです。
映画Webページにも出ていますが、事故物件を取り扱う不動産会社社員(シソンヌじろう)、心霊現象に知見が深いオカルトライター・神室(山田真歩)、「いわくつきの古い旅館」の様子がおかしい主人・大宮(正名僕蔵)などはやっぱりすごくいい味を出していました。
公開イベントの前夜祭の日に2回見ているのですが、何回でも見たくなるキャラクターが何人もいらっしゃいました。
Xなどで情報を探すと、"実話に基づく"部分の解説があったり隠し要素のヒントがあったりと、映画を深掘りしていくこともできます。
サクッと見られて実際の上映時間よりも短い体感だったので、いろんな視点で繰り返し観て楽しめる映画だと思います。
