「途中から事故物件話じゃなくない?結果論?そして霊パワー万能すぎ!」事故物件ゾク 恐い間取り ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
途中から事故物件話じゃなくない?結果論?そして霊パワー万能すぎ!
タレントを目指して上京した青年が、話題になるために事務所の指示で次々に「事故物件」に住むが、そのどれにも、想定以上の出来事が待ち受けていた。
瀬戸康史の好演と江口のり子の顛末のみが異様に印象に残ってた、あの「事故物件」の続篇。
タレント志望の青年が住む5件?の事故物件の話をオムニバス的に描く「女優霊」「リング」の中田秀夫監督作。
主演は別として、最近出演作が続くヒロインの畑芽育が、特に憑りつかれそうになる?一瞬の演技がイイ。そのまま闇落ちしてヒールな部分も観たかった。
そして、吉田鋼太郎の調子がいい軽い感じは、さすがの存在感と説得力。
ホラーは、こういうベテラン俳優をどれだけ集められるかも重要。
短時間ですが、Jホラークイーン、佐伯日菜子の出演もうれしい!
(ただ、実話かもしれないが勝俣の登場はえらく浮いてる。)
話は、最初の3軒は普通に見られる。
「霊がただ映り込んでいるカット」がいくつかあってとっても効果的。
映画の中の人物がそのことについて触れず、また音楽やショッキング音も無く、観客が目撃するだけなのが、ゾッとできていい。
ただ、いきなりあれだけ痛そうでクッキリした歯型をつけられたのに、それほど動揺していない主人公。
格好の話題なのに誰にも言わず騒がない。
また、旅館からの中継で、予定になかった悲しい話は、本当に嘘のアドリブだったのか霊が言わせたのかわからない、など細かいところが気になってくる。
あの女は、よく知らない男を自分の部屋に住まわせるなとか。
いろいろ気になることが多すぎて、純粋に事故物件ネタを楽しめなくなってくる。
そして、4軒目、5軒目は、もう事故物件ネタでなくない?
たまたま間借りした部屋に出るとか、言った先に死体があったとか。
普通のホラー話を無理やり事故物件とこじつけてる。
さらに、途中で、もしかしてこれはよくある「実はこの人死んでました。」パターンかと思えてきて、さて誰だろうと?
不自然な喫茶店の「水もう一つ下さい。」のくだりで比較的わかりやすいネタバレ。
そもそも、何の縁もゆかりもない地方の青年を、わざわざ東京に呼びつける霊力のパワーと手間が凄すぎる。
遠隔地の名刺の名前と電話番号を、幻視させる霊能力恐るべし!
主人公の前では幻覚は見せられても、事務所の仕事の手配とか現実として大勢が関わることも、霊が手配いていたということ?どれだけ万能?ある意味、死後も超有能マネージャー。
いろいろ気になって、観終わって「意外といい話でした。…」じゃないだろうと思った。
メジャー系のJホラーや日本映画は、必ず泣かせる感動話でないといけないの?

