「ホラー初心者向き」事故物件ゾク 恐い間取り ながせさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラー初心者向き
「ホラー映画=怖いだけ」と思っている人にこそ、試してほしい。
この映画、ちゃんと人間ドラマとしても観られます。
主人公の桑田ヤヒロは素朴で優しさにあふれた青年。ですが、出世の話をされ人生の岐路を前にして、いきなり29歳から上京して憧れのタレント活動をしようとする時点でクレイジーです。
上京した彼が「事故物件に住む」というタレント活動を始めるのですが、その姿は怖いよりも「なんか放っておけない」方がたちます。
だんだん服装や髪型が東京に染まって垢抜けていくんですがチャラさなどのいやらしさが出てこない。
もちろん「ホラー映画」としてのスパイスはちゃんとあります。
暗闇からふいに何かが現れたり、「えっ今の何!?」と目をこらしたくなるような演出もあり。
でも、それ以上に心に残るのは、登場する“物件たち”が持つ背景や、そこに住んでいた人々の物語です。
とくに2軒目と4軒目は、「怖い」よりも「切ない」感情が残りました。
3回目になるとようやく2軒目の幽霊の表情をよく見やるようになってきたんですが、もう、それが悲しくて…。
全体を通して緊迫感が続くわけではなく、程よいリズム感で観られるので、ホラー初心者にもおすすめです。
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