爆弾のレビュー・感想・評価
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グレーな部分
番宣で知り、信頼できる演者さんたちばかりだし、レビューも良いので張り切って観に行きました。原作未読です。
うーん。とても難しかったです。
タゴサクさんの出すヒントに気を取られて、謎解きをしてしまうんです。その間にもストーリーが進むので、置いていかれがちというか。
一見、動きがないような取り調べ室だけど、観ていて、頭の中ではすごく忙しかった。事実、長谷部刑事の不祥事を記事になる部分を、よく観れておらず、石川家を訪ねた目的や、長谷部刑事本人が家族に「事実だ」と説明する回想場面など、もう完全にわからなくて(笑)やべー大事な所を見過ごしたかも感がいっぱい。自慰シーンを観て、「あー…」となんとなく理解。急いで補完をはじめるものの、謎解きとストーリーを追いながらの仕事が増えた形になる。
でも、この作品は二重構造?もっと重なってるのかな…。
・タイトルにもなっている「爆弾」が仕掛けられているかも。という爆弾の、在りかや仕掛けや目的、動機を解くストーリー
・「わからなくもない」という、白とも黒とも言わないスタンス、それは人に寄り添う「余白」みたいなものなのかな、と。しかし、世間は白黒つかないことを否定するかのような、メディアや群衆の声というストーリー
・ダコサクさんが見ていた、「石川あすかさん」とはなんだったのだろう
なんとなく、解りそうで掴めそうなんだけど、腑に落ちる所までいかない( ˊ꒳ˋ ;)
きっと劇場で観れたことを、後ですごく感動しそうな気がするけど、一度観ただけでは理解が難しく、家でじっくり、あの時のセリフ、あの時の感情を丁寧に観たい。それを飽きさせないお芝居だし、拾わせてくれる信頼がありますね。
もう一度観に行こうかな〜(〃ω〃)
誰の心の奥にも存在する、最後の爆弾との付き合い方
スズキタゴサクと対峙する切れ者刑事・類家(山田裕貴)、そしてスズキの過去を追う刑事・等々力(染谷将太)。
彼らの瞳の奥には、少しの“俯瞰”と“諦め”が同居している。世の中を少し斜め上から見つめ、善も悪も冷静に分別したうえで、それでも「善だけでは救えない現実」があることを知っている。
そのまなざしは、
どこかスズキタゴサク自身と重なって見えた。
見つからなかった“最後の爆弾”とは、実は誰の胸の奥にも潜んでいるものなのかもしれない。それは私自身の胸の奥にも然りである。
映画を観終わったあと
ふとそんなことを思った。
ただ、犯罪者とそうでない人を分けるのは、
その最後の導火線に――火をつけてしまうかどうか。
多くの人はその存在を感じながらも、爆発させることなくその存在とうまく付き合って生きていく。またそれは、人生が誰にとっても容易ではなく、時に理不尽であるという真実を教えてくれる。
導火線に火をつけるのではなく、
静かに鎮める心を育てること。
それこそが“生きる”ということなのかもしれない。
タゴサクの爆弾導火線の着火地点にあった「明日香からもらったドラゴンズの帽子」。
もし捉え方をほんの少し間違えなければ、それは唯一の消火剤になり得たのかもしれない。
たったひとつでいい。
「信じられる誰か」
「心から好きだと言える何か」
その存在が、人生には不可欠だ。
それは私たちの心の奥にある“最後の爆弾”を静かに鎮めてくれる。
久しぶりにお笑いを全く封印したスズキタゴサク役の佐藤二朗さん。やっぱり彼には、こういう役が一番似合う。どこか他人を小馬鹿にしたような不気味な笑み、何を考えているのか分からない狂気の人、彼にしか出せない“静かな狂乱”にすべの人が翻弄される。そしてそれに対抗する切れ者刑事、類家を演じた山田裕貴さんも負けていませんでしたね。見応えのある取り調べシーンでした。染谷将太さん、伊藤沙莉ちゃん、坂東龍汰さん、渡部篤郎さんなど脇を固める俳優さんも豪華!見応えある演技で2時間を超える映画も長くは感じませんでした。
今年は見応えある良作映画が本当に多いと感じます。No.1を決めるのは本当に迷ってしまいます😅映画ファンとしてはうれしい悲鳴ですが、今作『爆弾』も間違いなく記憶に残る一本です。
ぜひ映画館でご鑑賞下さい♪
心の深い部分まで入り込んでいく137分
上映開始10分ぐらいから、助走なしにアクセル全開で最後まで進んでいくサスペンスクライム作品。
一言一句聞き逃さないように、放たれた言葉をすぐさま処理して、どこの言葉に意味があって、どの言葉が弄んでいるのか、見ているこっちもずっと脳内処理をしながら見たので、鑑賞後アドレナリンが出た状態でシアターを出た。つ…つかれた。
でもこういう映画体験は嫌いじゃないので、個人的にはすごく面白かった!
結末や真実を知っている状態でもう一度見たら、初回とは違った見方ができて楽しそう。
この作品を見れば、誰もが佐藤二郎という役者のすごさを思い知ることになる。
コメディのイメージが強いけれど「あんのこと」で演じた刑事役も素晴らしかった。
今作ではあの膨大なセリフ量を、取調室という画が変わらない場所で、いかに観客を飽きさせず、惹きつけられるかが肝となる難しい役だ。
しかし、抑揚と緩急、表情や動作で全く飽きさせることなく演じ切った。
彼が演じるタゴサクは、腰は低く、自虐的で、鼻につく感じではないけれど、対峙する人の心を見透かしているかのような言動をする。
あの無邪気な感じは、まるでヒース・レジャーが演じたジョーカーのようだった。
しかし時間が経つにつれて彼の得体のしれなさへの恐怖と不気味さが増していき、バケモノに見えてくる。そのグラデーションも素晴らしかった。
そんなバケモノに対峙して闘う山田裕貴演じる類家もこれまた魅力的。
最初は冴えない腰の低い男かと思いきや、本性を出してからの彼は最高にクールだった。
二人の一歩も引かない心理戦と話術の攻防戦は、見ていてワクワクするしかない。
山田くんは5ヶ月で3作品もの、キャラクターの違う主演3役をやってのけたのは本当にすごすぎる。
きっと誰もが心に爆弾を抱えていて、一歩間違えればタゴサクのように爆発してしまう。
でもその爆弾を抱えたまま、それを爆発させないように生きていくのが人間だ。
でもきっと今もどこかで、爆弾のカウントダウンが始まってる人がいるのかもしれないと思うと、とても怖い。
彼は我々の闇の部分を具現化した生き物なのか。
最後の終わり方もゾワっとした。
是非映画館で体感してほしい。
見ごたえある芝居
今年の日本映画は豊作だと思うが、これも特筆すべき一本。『国宝』も本作も、日本の役者の実力を感じさせる作品が多く出てきたのは素晴らしいことだ。日本の役者は本当は上手い。その実力を存分に発揮できる脚本と環境さえあれば、もっと羽ばたけるはずだ。
この作品の大部分の舞台となるは取調室なので、舞台があまり頻繁に変えられない。同じ舞台が続くので、撮り方の工夫もいっぱいしているんだけど、それも無限のパターンがあるわけじゃない。それでも観客を飽きさせてはいけない。飽きずに観客の目を画面に釘付けにできるかどうかは、役者の芝居にかかっている。佐藤二朗は見事にその重責に応えて見せた。異様な迫力と底知れない不気味さで観客を震え上がらせる見事な芝居だった。
佐藤二朗と相対する山田裕貴の“スイッチの切り替わる感じ”も良かった。最初はおとなしそうに先輩刑事を立てている感じで出てくるが、取り調べ室の机で佐藤二朗と正面を向かい合ってからは、人が変わったように強気の感じが出ていて、存在感で負けていない。こういう骨太な芝居を見せる日本映画が増えてきているのは、とてもいいことだし、それにお客さんがいっぱい入っているのも希望がある。
それにしても漢字2文字のタイトルの邦画が話題になってるのは偶然なのかな。
シンプルなタイトルブームが来てるんでしょうか。まあ、一部のラノベみたいなタイトルは個人的にはもう飽きてるけど。
取調室の会話劇の「静」と事件現場における「動」のバランスが良く、役者陣の名演技と監督のセンスが光るサスペンス映画の名作!
本作は、物語の展開の面白さに加えて、映像の「静」と「動」の対比も見事。
「静」の取調室のシーンは、まさに演技合戦の応酬。正直なところ、「本作の主演は誰?」と思ってしまうくらいに佐藤二朗の存在感がありました。これまでの佐藤二朗といえば福田雄一監督作に登場する「とてもおちゃらけた人」か、「宮本から君へ」や「はるヲうるひと」などで見せる本来の体格を活かした「とても怖い人」という印象でした。
ところが本作では、その中間くらいの絶妙な演技で、「国宝」が無ければ今年の日本アカデミー賞で助演男優賞を受賞するんじゃないかと思うほど、年間ベスト級の演技です。
主演の山田裕貴は――ひょっとしたら佐藤二朗よりも出演時間が短いのかもしれませんが――最大のハマり役でブレイクのきっかけとなった「東京リベンジャーズ」のドラケン役を彷彿させるほどに役がハマっていて、独特な存在感を放っていました。
この2人以外のキャストも見事で、「静」の取調室のシーンのやり取りや緊迫感は大きなスクリーンで一見の価値があります。
そして、その「静」から一転する「動」となる現場では、本物の火薬を使って爆発させた圧巻のシーンが多く、現場の警察官やエキストラに至るまで小道具も含めリアリティーに溢れていました。
似たような構造の作品に「ラストマイル」がありましたが、内容がより凝った面と演技合戦の応酬、本格的な爆発シーンなどのリアリティーから、私は本作の方を推します。ただ、「ラストマイル」が気にいった人には本作も同様に気にいると思います。
キャストとスタッフのただならぬこだわりを強く感じる、新たなサスペンス映画の名作です。
普通に面白いぐらいかな ★3.0
楽しめたけど、映画として絶賛するような作品ではないかなぁとは思うところ。
仕上がりは「相棒」や「ガリレオ(福山雅治)」といったTV劇場版と同じぐらい。
今が旬のエンタメって感じ。
映像 ★★★
音 ★★★
物語 ★★★ 良い
役者 ★★★ 良い
編集 ★★★
粗さ ★★★ 終盤が少々雑になったかなぁと
総合 ★3.0 「良い」というよりは「悪くはない」と言う表現の方が近い
スズキタゴサク役の佐藤二朗を絶賛する声も分からなくもないが私としては絶賛の域にあらず。本人の問題と言うよりは演出(監督)の問題なのかも。というのも、渡辺と山田演じる超エース級の本庁刑事を相手に、知能+メンタル戦でタゴサクが勝る凄味みたいな空気感が無かった。申し訳ないが「羊たちの沈黙」のアンソニーホプキンスの演技というか存在感を私の中の★5とするなら本作の佐藤二朗は★3となる。私的には本作の役者ベストは渡部篤郎かな。
佐藤二郎の正しい使い方
今年一番 面白かったです
どなたの作品とは言いませんが 福田雄一監督作品等では佐藤二郎さんにコミカルな芝居をさせることが多いです
しかし それは野暮で過剰だったのではないか と思えました
何故なら当人は何もしていなくてもどこかユーモラスな空気を纏っています
そんな人に コメディーの中で コミカルなことをさせれば効果倍増!!
……とは なかなかいかないものです
滑ってる という評判が聞かれるようになったのも分かる気がします
まぁ それはさておき
佐藤二郎さんの独特の愉快な空気感や存在感
それはスリラー的要素が強い作品でも変わりません
この作品の場合 それが特に効果的で異様な空気を醸し出していました
凄いものを見ました
5をつけたかったところですが
作中の爆発による犠牲者の数や描写がまるで物足りなかったこと
そして 私が利用している路線が対象ではなかったこと
これらが0.5の減点の対象となりました
被害に巻き込まれた子供や妊婦や遺体や悲鳴や慟哭など
悲惨な様子をもっとたくさん克明に映して欲しかったですね
正視に堪えない 上映中に嘔吐する客が出る程の地獄を期待していたので
傍観者として鑑賞しました
・高校生(女子)連れだと気まずいと感じた性的描写有
・唐突な嘔吐シーン有
・グロめのシーン有
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事前にレビューを拝見した所
「問いかけられる」
「感情移入してしまい苦しい」
「鬱映画」
といった感想がありやや不安ながら気になって鑑賞しました
↓
衝撃シーンはキツかったものの
『演技が凄い映画』として楽しめました
問われる問いに私なりの明快な答えがあり
どのキャラにも理解は示せても共感はできず、傍観者でいたので推理サスペンスものとして呑気に観ていられましたが
この辺りは経験や思考によって大きく異なるのかな、と思います
演技は素晴らしく、セリフのひとつひとつに息を呑んだりビクッとさせられたり終始目を離せないままでした
テレビ視聴だと重くて序盤に離脱してしまう気がするので、映画館で観て良かったと思います
想像以上に…
言葉を失う
最近観た映画で一番面白かったです
佐藤二朗さんがとにかく良かったです。
普段のコミカルなイメージとは違う静かな圧が効いていて、会話だけなのにずっと緊張しました。
90分のテンポも良く、最後まで集中して観られるサスペンス。
派手さはないのに、じわじわハマる一本でした。
佐藤二郎さんのサイコパス怪演に関心です💦
会社の後輩に【爆弾】面白いから観に行った方がいいですよ❗️って促されて…TOKYOタクシー、国宝に続いて邦画3連発目として【爆弾】を観てきました。
普通に面白かったです。
いつも、お笑いコメディ要素の役柄を演じる事が多い佐藤二郎さんの鳥肌がたつような怪演❗️素晴らしいです👍
サイコパス的な役柄も演じる事ができるんだ…すごい俳優さんだなぁって関心しました。
この映画も、Netflixで話題になっている【イクサガミ】と同様に脇を固める俳優さんらが主役級の大物揃いばかり。
山田裕貴さん、伊藤沙莉さん、染谷将太さん、加藤雅也さん、夏川結衣さん、渡部篤郎さん…皆さんの熱演にも、かなり見入りました。
サブスクで配信されるようになったら、もう一度、観てみよかと思います。
期待したけど・・
ヒット作だし、山田裕貴が出るし、
かなり期待して行った。
役名覚えてないので省略です。
田吾作の佐藤二朗は他に出来る人がいない、選ばれた人って感じだけども、
いつもあの調子じゃないかなあと思った。
山田裕貴の天才的変人刑事…なり切れてない。
あの渡部篤郎も出る意味あるのかな?
とっとと諦めて、山田裕貴にバトンタッチ。
伊藤沙莉の警察官も取調室にいきなり入ってしまう…立場上ムリなんじゃないかと…。
謎解きの回転の速さは良かった。
だけど山田裕貴の役は染谷将太の方が良かったんじゃないかと思った。
田吾作に気に入られて、普通の刑事だったのが化けの皮を剥がして、変人同士の掛け合いだと面白いんじゃないかと思った。
染谷将太の芸達者を思うと、もったいない。
役者を揃えた割に上手く使えてなくて
何だったんだ…?
爆破に至るまでも、警察に人が殺到するのも、爆発が続くのも「映像加工」だなあ…何か冷めてしまう。
犯人もうやむや?分からなかった。
盛り上がりそうで盛り上がらない。
今度こそ今度こそひっくり返すはずだ
と思いながら、いまいちで終わった…。
観ないと分からないけど、期待の分だけあ〜あ…って感じだった。
全822件中、1~20件目を表示
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