爆弾のレビュー・感想・評価
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レクター、ジョーカー、そしてスズキタゴサク。
会話劇 心理戦
久しぶりに会話劇を堪能させてもらいました。
ベテランと若手が入り混じって、取調室という狭い空間でで容疑者と対峙し、心理戦を繰り広げる。アニメやドラマではこうした心理劇によくある「心の声」は一切使われず、シリアスな仕上がりになっているのが好感持てる。
だいぶ設定は違うが、松山ケンイチと長澤まさみが対峙した「ロストケア」を思い出した。あちらも画面効果をうまく使って、心理戦を盛り上げていたが、本作は余計な描写を排除していたので、役者頼りの劇に仕上がって面白かった。まあ、ストーリー的には掘れば脆いところは出るかもしれないが、それを圧倒する話運びがされていくのが、痛快で良い。少し長めの映画だが、時間はあっという間であった。
佐藤二郎がハマっている。底知れないサイコパスなのか、人を食った言動が、よくわからないが憎らしい容疑者役。この人しかいないという見事な演技。それに対峙するのが渡辺篤郎。「外事警察」の時を彷彿とさせる、年季の入ったクールな交渉役が、これまたカッコいい。そのバディとなる山田裕貴は、天才肌のネゴシエイターという役どころ。
染谷将太が、最初に容疑者を取り調べる刑事だが、髪を目の上まで下ろしていたのがツボに入った。大河ドラマで毎週見ているデコ出し姿に馴染んでいたので、最初は違和感あったが、このヘアスタイルもなかなか気に入った。
都内に仕掛けられた爆弾が、次つぎ爆発していき、取調室に拘束された容疑者が出すヒントを解かなければ、爆弾が爆発して被害者が出るという仕掛け。レクター博士ばりに心理戦をしかけ、それを元に捜査本部は右往左往し、交渉役は容疑者だけでなく時間と組織と闘わなければならない。ありがちな設定ではあるが、それを会話劇で見せ場を次々作り、ラストまで楽しませてくれる。
後半理屈っぽいところが出てくるが、あまり先読みしたりして頭を使わず話を追っていたので、そんな塩梅が良いのかもしれない。伏線回収など考えていたら、バタバタして忙しい物語に見えたかも。
ともあれ、役者陣の会話劇を楽しめた。続編つくるようならまた観たい。
佐藤二郎さん、すみませんでした。
ビューティフルドリーマーの夢邪鬼を彷彿
「分からなくもない」
観入った。
好きなタイプの物語でもあったのだけど、構成が素晴らしくて目も耳も剥がれない感じだった。
基本的には会話劇であり推理物であるとは思うのだが、それらを具現化する俳優陣と演出の非凡さに煽られる。
山田氏もさる事ながら染谷氏の最後の台詞「俺はそれを不幸せだとはおもわないんだよ」
ある種の境界線とも思える一言だった。
連続爆破事件の程ではあるが、環状線の爆破とそれ以外に区分されてて、最初の3つの爆破はスズキの単独犯だったらしい。シェアハウスにある材料からネットの情報を頼りに作りでもしたのだろう。彼も栄光なき天才の1人であったのかもしれない。
頭を傾げるのは彼の実行力だ。
母親による息子の殺害から、環状線爆破までそこまで日数は無かったはずで…様々な葛藤を抱えつつ性急に事を進めた理由が今一つ噛み砕けなかった。
とは言え、報われない天才というか俯瞰者を佐藤氏は見事に演じきってくれた。
とあるインタビュー記事だったか、彼は俳優がカテゴライズされる意味が分からないと苦言を呈していた事がある。「演技派だとか個性派だとか〇〇俳優みたいな区分けがあるけど意味が分からない。全てを演じるのが俳優なんだ」とかなんとか。
その信念に嘘偽りのないスズキタゴサクだった。
怪物・スズキに対峙する等々力も類家も堂々たるもので…常人離れした価値観が素敵だった。
一歩間違えば稀代の犯罪者にもなり得そうだ。
このクソみたいな世の中を壊さない理由を一方は「つまらないから」と言い、一方は「自分を特別視してないから」だと言う。
考え方、捉え方が違うだけで人は180度転ぶのだ。
ゾクゾクする台詞の応酬だった。
ずっと噛んでたくなるような台詞による伏線が大量に準備されて、人物の裏側を探りたくなるような癖の強いキャラが魅力的でもあった作品だった。
見応えあったー!
強烈なインパクトの爆弾魔
「この世はクソです」が、それで?
タゴサクは終始淡々と供述するが、一番感情が動いたシーンが、「この世はクソだろ」を類家から引き出したタイミングだったね。
その思いは、どの登場人物も大体同じ。ただ、そのあとの自己解決の方向性がそれぞれ異なる。それが、この映画が一番示したかったことなんだろうなと思った。そして自分はどのあたりにいるのだろう、と振り返るのが面白いような。怖いような。
久しぶりに快作が見れた。
ここの所、つまらない映画ばかりに当たりヘキヘキしていたが、これは良かった。
予告編も観ずに観に行ったが返ってそれが良かったな。
佐藤二朗が出ているので「また変な演技してるんだろうな。」と思っていたが、その演技が活かされていて、いい演技になる作品があるとは。
山田裕貴の演技も良かったが、染谷将太の演技も良く、久しぶりにしっかりとした演技ができる俳優さんが集まった映画が観れた。
上映時間は2時間以上あるが最後まで飽きさせずに面白かった。
主演は山田裕貴?
佐藤二朗が監督、原作、脚本を手がけた映画「はるヲうるひと」が見応えがあったのでそれ以来彼が出演している映画、全てでなく自分好みをチョイスをして観てきました。
その後に公開された「さがす」、「あんのこと」での佐藤二朗は彼の得意とするエキセントリックな演技が作品全体的から見てどこか浮いているように感じイマイチ好きにはなれませんでした。
そんな事もあり本作の「爆弾」は観るか否か迷いました。主演は山田裕貴ですが予告を観るとあまりにも佐藤二朗のデカい顔が印象に残ります。
スズキタゴサク演じる佐藤二朗はドンピシャでした!
佐藤二朗の出演なくして「爆弾」は高評価を得られなかったと思います。
彼の演技を見てるだけで引き込まれる、引き込まれる!
そうなんです、佐藤二朗しか印象に残らないなんともモヤモヤ感が残る作品でした。
これと盤上の悩んだけど
時間的に盤上の向日葵は諦めてこちらを鑑賞
開始すぐから終わりまで
一気に話が進むクライムサスペンス
山田裕貴が途中から効いてくるねぇ
佐藤二郎さん、ちゃんとした役してるの
あんまり見る機会ないから
いつも福田組でわけわからんぎゃくと、歴史探偵の
二つのイメージ強いけど
上手な役者さんなんだなぁ。。。
キャストも素晴らしく話の展開も早く一気に終わった映画だけど
後に残るものが余り無かった
なんだろ、いろんなところから、いろいろ手当たり次第にびっくり箱あるんだけど
腑に落ちる結末ってのがどれもがイマイチ自分的には
あの、先輩刑事だってなぜ?
いろいろがなぜ?
そのまま終わった感じがする
スカッと映画みたなぁって気持ちにはさせてくれる映画だったので
まぁ満足です
盤上の向日葵の方が心にくる映画だったのかも
ま、比べちゃあかんやろけど
言葉のやり取りが面白いのでこれはやっぱ
本読まなきゃね
一番のキャストは坂東龍汰
ライオン〜〜
警官になってるよー
なんか別の意味で感動しちゃったー笑笑
没入感が凄い映画!!
原作へのリスペクトが光る緊張感あふれる一作
ちょっと最高すぎた。わたしの中では今年一番でした。『爆弾』は、キャスト・監督・原作の三位一体で、原作の魅力を損なわず、かつ映像ならではの良さを加えた作品だなと感じました。特に、佐藤二朗が演じるスズキタゴサクは、ただの“悪役”ではなく、日常に潜む異物としての怖さ・不気味さを演技レベルで具現化しており、観る者に強烈な印象を残します。
原作が好きな方にも安心してお勧めできるし、私としては、「佐藤二朗がこの役をやる意味」を実感できたという点が、特に印象深かったです。
個人的には、寛一郎が見せた“まっすぐで濁りのない瞳”に心を掴まれました。
取り調べ室で展開されるドラマとしては「ダークナイト」に匹敵するサスペンス。
あるいは和製「セブン」?冷静に考えると、あの人員でそんな規模の仕掛けは無理だろ!とか、警視庁のエリート刑事を手玉に取れるおっさんがその辺の河原に転がってるの怖すぎるとか、ツッコミどころはあるのだが、それら一切を捻じ伏せる佐藤二朗の怪物的演技!狭い取調室での対話が過半を占めるのに、むしろ下手なアクションよりも緊張感に満ちた対決シーンとして成立している。ただ、結末だけはやはり対話だけでは物足りなさがあったのは数少ない本作の欠点。さすがに現代日本では暴徒が警察署を襲撃したり…とかは無理があるのは分かるのだが。サブプロットの「なぜスキャンダルを起こした同僚刑事をかばったのか?」という謎と、事件のクライマックスがもう少し緊密に結びついていたら満点だったと思う。キャストのトップに表示されないのがおかしいくらい、佐藤二朗は八面六臂の大活躍だったが、山田裕貴らをはじめとする警察陣も名演揃い。特に前半の対決相手を務めた渡部篤郎は、単なるかませ役に留まらず、とても有能できちんとした人が、常識外の怪物に食い破られる様をじっくり演じていて素晴らしかったと思う。敗北後も持ち場を投げ出さず、バトンタッチした山田裕貴のサポート役に回るのがとてもいい。
二朗さん祭り
2025年の中で1番のミステリーでした!
佐藤二朗さんの怪演が凄まじく輝きます。いつもの独特でコミカルな雰囲気は封印して、でもなお、二朗さんらしい独特な間で難しい役を演じてます。
インタビューの中で共演した渡部篤郎さんが、今までいろんな作品で佐藤二朗さんに支えられてたのが、今回は二朗さんを支える役ができて本当に良かった、、、と涙を滲ませながら語っていたけど、長年の俳優同士の友情と信頼感が半端なく、取調室での2人のやり取りが圧倒的な迫力で迫ってきます。
2人に加えて夏川結衣さんや正名僕蔵さんといったベテラン陣に引っ張られて山田裕貴さん、染谷将太さん、伊藤沙莉さんといった若手の方々の熱演がさらに光ります。
こうして演技の世界って役者が育っていくのですかね。(背中を見せるて育てるというか・・)
これは複雑でストレスも多く、時に強烈に理不尽な今の社会を、それぞれが立場や役割の中で葛藤して、苦しんで、もがいた結果起こってしまった事件。
なので、真犯人が誰なのか、誰の意思で描かれ、行われた犯罪なのか、、とても複雑な物語です。でも、強烈なプレッシャーと被害を社会に突きつけつつも、恐らく今の社会の構造は変わらない、、、とても悲しい物語でした。
おそらく評価は佐藤二朗ありきになるかな
全1170件中、721~740件目を表示
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