爆弾のレビュー・感想・評価
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敗者と敗者か。勝者と勝者か。
原作の小説は今年の3月に既読(続けて続篇も読了)。
そのストーリーの想像力と構成力&キャラクター設定に圧倒された。
まさか映画化されるとは思わなかったし、
その映画を“わざわざ”見に行くとも思わなかった。
(2冊とも読んだ嫁が行きたいということで鑑賞)
映画化するにもキャラクターを演じられる俳優がいるのか、
と思っていたし、予告編を見ても考えが変わらなかった。
(山田裕貴も伊藤沙莉も違うと思った。佐藤二朗は狙いすぎだと思った)
それがどうだ(ホント、ごめんなさい)。
サブスクを待つのではなく、映画館で見るべき映画。
取調室の空気感を作り出した演者たちと演出とカメラワークによる緊迫感。
そして、緩急のある場面展開。
映画という表現手段と尺のなかにテンポよく収めていった。
(ストーリーの運び方の穴はあったものの、そんな穴はすぐにふさがった)
以下ネタバレ
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ラストシーンのタゴサクの「引き分け」という台詞。
小説とは異なる余韻(モヤモヤ)を残す。
※調べたら小説になかった言葉
引き分けは、時に、
痛み分けだったり、勝ちも負けもないノーサイドのようなただのドローではない。
あの時の警察とタゴサクは、
敗者と敗者だったのか。それとも勝者と勝者だったのか。
また、小説を読み通したときに感じた次の3点
(「正義と法を絶対的な善と信じ行動する警察官たち」の強靭さと
「良心も悪意という感情も捨て去った無敵な人」がいるかもしれない恐ろしさ。
さらには暗黒界に堕ちてしまう警察官たちの正義の在り方の難しさ)は
さすがに映画/映像には取り込むことは難しかったようだが、
それでも記憶に残る映画を見たという満足感は深く残った。
佐藤二朗は和製ジム・キャリー
佐藤二朗劇場、ただし振り切れてないのが惜しい
巷間評判通りの佐藤二朗の怪演が楽しい映画だった。星は全て彼のの芝居にたいしてのもの。
佐藤は「さがす」の好演が印象に残るが、一方でコメディ要素の強い作品でのクドいギャグは自分の好みではなかった。本作ではコメディのベクトルを不気味方向に寄せて成功している。
他の役者たちも概ね好演だがをーこれは彼らの責任ではないがー日本人男性の風貌が若作りになってしまっているので、若手俳優(実年齢はそれほど若くない)が映ると、途端に画面が高校演劇部のお芝居風味になって興が醒める。
ストーリーは前半は良いが、後半でスズキタゴサクの犯行動機が明らかになって失速した感じ。タゴサクのサイコパス的凄みをチラチラさせながら結局、動機はそこかよと。レクター博士みたく狂気に振り切れてて欲しかった。
まあ本作の興行成功で、原作通り「爆弾2」も映画化されるみたいだから、またオツキアイするでしょうね。
顔芸でデ・ニーロ越え?
もっと観たい
私は、石川明日香(夏川結衣)が
イヤです
容疑を否認って、せめて認めろや
息子を殺すんじゃなくて
なんとしてでも止めろや
事の発端は旦那でも、今回のいちばんの
悪人は石川明日香だと思う
謎は解けたけど、石川明日香を否認させ
スズキタゴサクの素性まで
追い詰められなかったから
「今回は、引き分け」なのかな
ある意味、ここまで、スズキタゴサクは
計算済みなのか??
普通の脳みそな私は
ドラゴンズの帽子をくれた石川明日香を
思っての行動だと思いたい
類家さんが勝つまで
続きが観たいです
少し物足りなさはありました
"怪演"という言葉を素直に受け取ることができる作品でした。
原作未読で鑑賞したので、
映画の感想としては、類家さんがただ今回の事件の計画の説明者になっていただけの印象を受け、個人的にはそこだけ物足りなかったです。
恐らく本来はもっと面白いキャラだと想像できるので、
ただ"俺は全部分かりますよ"と喋るだけでなく、
実際にどこかの爆発を止めるシーンや、
それか類家さんの他の事件での活躍の話や過去の話等あれば、よりキャラクターの面白さが伝わったと思いました。
スズキタゴサクって、計画に利用する人の名前だけちゃんと呼ぶのかなと思ったので、最後、今後も類家さんとの次の闘いがありそうで気になりました!
俳優陣が素晴らしい
俳優の皆様、あっぱれでした。
佐藤二朗さんがオーバーな演技にならないか心配してましたが、杞憂に終わりました。
特に良かったのは、1本目の動画の中の早口のシーン。殺人対象者とその理由を畳みかける様子が絶妙でした。まさにサイコパス。
しかしストーリーは気になる点がいくつかあり、少し不満も残りました。
まず、挑発に乗ってしまった清宮と、簡単に引っかかってしまった伊勢です。ちょっと設定が安易過ぎないでしょうか。もしかしたら、原作を読めばもっと理解できるかもしれませんが。
同じく設定で気になってしまったのは長谷部の不祥事の弱さ。スズキが取調室で倖田に気持ちを向けられて射精したり、ミノリのくだりなどとの関連もあるでしょうが、この映画は明日香、辰馬、スズキも含めて全体的に動機が弱いと感じました。(関係ないけど、最初にスズキが長谷川の名前を口にした時、「ハセガワユウコ」と女性の名前を言ったように聞こえてしまいました)
ということで、鑑賞後にシンプルに面白かったとは思えず、残念でした。
最後になりますが、
上映中にスマートウォッチを腕に付けたままずっと時計表示させてる人!ほんとーに迷惑。あんな小さな画面でも凄く眩しいし、予測不能な動きでチラチラ動かれるこっちの身になって!
佐藤二郎の熱演。でも設定に違和感。。
佐藤二郎の熱演。
テンポよく映画は進み、取調室での警察官と犯人のやり取りは面白かった。
取調室のシーンと、外で起きる爆弾テロと警察の捜査。
見ごたえがありました。
ラスト近くになっての謎解き。
佐藤二郎演じるスズキタゴサクの動機が弱く感じて、IQ200の設定とか何か特別な理由が無いとあそこまでの駆け引きはできないだろうと思ってしまった。
それだけ、警察を翻弄するように犯人が謎解きを仕掛ける。
それと爆弾テロの精度が高すぎる。
テロの本場の中東の組織でも、あそこまで鮮やかな爆弾テロはできないと思う。
あの謎解きを作って、爆弾の爆発と合わせるのは至難の業でしょう。
そういう意味では、もう少し設定を緻密というか違和感を感じないようにできなかったかなと思う。
最近の邦画は、この手の違和感を感じる事が多い。アメリカ映画は複数人で脚本を作るからなのか、この手の違和感を感じる事はあまり無い。
無理筋と思える話も強引にまとめてしまう。。
その他のキャストの演技、展開、メインの取調室でのやりとり、これは面白かった。。
気になったのはこの違和感だけ。
あっ、それともう一つ。
伊藤沙莉の警察官の制服姿が似合わなかったかな。
映画、エンタメとしては楽しめました。
高い評価となる作品でしょう。
“爆発”だけがリアルだった──『爆弾』が見落とした現実
俳優陣の芝居量、演出のテンポ、映像の緊張感。
そのいずれもが日本映画としては高水準であり、見応えはある。
しかし、“物語の芯”が伴っていない。
ミステリ/サスペンスの構造としては、観客の思考に耐えうる強度を欠いている。
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■ 長谷部の「不祥事」が起点として弱い
事件の始まりとなる長谷部の不祥事――この要素が、物語を動かす“核”として設置されている。
だがその内容は、現実のスキャンダルや不正事件に比べればはるかに軽微で、社会的衝撃を伴うような題材とは言い難い。
現代日本では、より奇異で理不尽な事件が日常的にニュースを賑わす中で、この“起点”を持ち出しても観客の現実感は揺さぶれない。
結果として、物語の導火線が点火される瞬間にすでに火薬が湿っており、
爆弾事件そのものへの必然性――つまり「なぜこの人物が爆弾を仕掛けねばならなかったのか」が薄い。
脚本上の因果が“形式的な理由づけ”に留まり、人物と事件の接続が空回りしている。
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■ スズキタゴサクという“凡人の神格化”
スズキタゴサクは、凡庸な風貌のまま、爆弾事件の中心人物として描かれる。
しかし、その技能・動機・経歴はいずれも説得力に欠ける。
元ホームレスがプログラムを書き換え、映像を操作し、爆弾を仕掛け、謎解きゲームを設計する――
この設定には、物理的にも社会的にも根拠がない。
「凡人が天才を演じる」というアイロニーを狙ったのかもしれないが、
結果的には観客に「そんなことができるわけがない」という違和感しか残らない。
物語の重心が現実から乖離している。
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■ 類家の推理――もはや“神のひらめき”の域
類家刑事の推理は、もはや論理ではなく啓示である。
提示されたヒントから飛躍的な結論に至る過程が描かれず、
「夜が二つで“よよ”、木を足して“代々木”」といった語呂合わせ推理に象徴されるように、
彼の洞察は“演出都合の奇跡”にすぎない。
観客にとってそれは快感よりもむしろ、脚本の強引さを露呈する瞬間だ。
推理劇としてのリアリティを放棄した時点で、映画はジャンル的支柱を自ら折っている。
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■ 社会的テーマの希薄さ――語るべき「今」がない
格差、孤独、報道不信といった現代的要素が散見されるものの、
いずれも背景として消費されるだけで、社会的文脈に肉薄していない。
「なぜ今この物語を描くのか」という問いに対する答えが、作品の内部から一切聞こえてこない。
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■ 皮肉にも、“爆発”だけがリアルだった
驚くべきことに、爆発シーンそのものは良く出来ている。
CGの質感、衝撃波の描写、崩壊する街並みのリアリティ――
そこには明確な臨場感があり、技術的完成度は高い。
だが、皮肉なことにその“爆発のリアルさ”が、観客に想起させるのはフィクションではなく現実――
つまり、ガザで続くイスラエルの無差別爆撃の映像である。
監督の意図ではないだろう。だが、結果的にこの映画は、
「暴力とは何か」「無差別とは何か」というテーマを、脚本ではなく映像だけで訴えてしまった。
意図しない皮肉として、爆弾の炸裂だけがこの映画で最も真実に近い瞬間である。
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■ 総評
演じ手と映像は見事、だが脚本と構成は凡庸。
観客の記憶に残るのは、俳優の熱量と爆発の迫力――
それだけである。
“語れる映画”ではなく、“語れない虚構”として終わっている。
体験として観るなら良いが、思考する映画としてはあまりに空洞だ。
結論:
『爆弾』は、火薬量は十分だが、導火線が繋がっていない映画である。
俳優を観に行く映画であり、思想を求めるなら――原作を読むべきだ。
原作未読で消化不良の人がいるようなので補足しておきます
この映画はとても素晴らしく原作以上です。
しかし原作未読で鑑賞後に消化不良の人がいるようです。
そういう人のために補足しておきます。
離婚届をもらったが妻がすぐに出さなかったこと。
数日後に夫が電車に飛び込み莫大な借金を負うことに。
これが一番のやるせないポイントです。
自殺した夫のスキャンダルは現場で自慰をする性癖です。
変態だということでマスコミに叩かれまくります。
まー自慰は犯罪ではないんですけどね。
ホームレス時代がバッサリ切られてますね。
原作では恩人である野球帽のホームレスは、
読者が勝手に男性と思い込むミスリードがポイントです。
映像化したら女性って分かってしまいますね。
このホームレス時代に野球帽とタゴサクの人物描写があります。
それだけに勿体無いですが時間の都合でしょう。
刑事が妻のアパートに行くシーン。
娘を車で送るって電車の爆弾を知ってたからなんですね。
あと刑事がアパートを出るときに宅配の人とすれ違います。
これは映画でカットされていましたが、これもミスリードです。
この作品はほとんどが会議室です。
そのため映画化では単調になり不利だと言われていました。
しかし逆に面白いシーンもありました。
指を1本2本差し出すシーンは映像の方が良かったです。
クイズの台詞になると棒読みになる演出も良かったです。
爆発シーンも淡々としてたのがとても良かったです。
爆発は他人事なのでサラっと流すのが原作の意思だと思います。
2025年は4本目の星5映画です。今年は豊作の年ですね。
佐藤二朗は(ムロツヨシもですが)福田雄一作品でなければ安心してみら...
面白かった、です
これはヤバい😅
緊迫感ノンストップ‼️
一流の俳優達の演技合戦が堪らない!それを必要とするスリリングな原作!このキャスト以外もう考えられない‼️
是非是非続編もこのキャストでよろしくお願いします‼️
ちなみに五つ星つけたかったけど、加藤雅也演じる刑事の苦悩の描写が薄いのだけが不満なので。まあこれはこのままのほうがいいのかも、詰め込み過ぎになるので。
ちなみに原作未読ですが、めちゃくちゃ楽しめました‼️
全1156件中、481~500件目を表示
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詳細は遷移先をご確認ください。






