「期待のハードルを上げすぎた?(原作未読)」爆弾 ビギナーらすかるさんの映画レビュー(感想・評価)
期待のハードルを上げすぎた?(原作未読)
各方面において「邦画のレベルもここまで来たか!」「今年の邦画No.1かも!?」と絶賛されていた本作を最寄りの映画館で観てきました (国宝を観ていたのでどっちが面白かったか自分の中で比べてみたかったのもあった)
観終わった時、最初に心の中で思った感想としては (期待してたよりはイマイチだったな…) でした。
勿論良かった点も多く挙げられるのですが、良かった点は他の方のレビューでも多く挙げられているので自分のレビューの中ではイマイチだった・納得のいかなかった点を挙げていきたいと思います。
【“スズキタゴサク”の動機】
正直、イマイチに感じた点のほとんどはこれに尽きると思います。
緊張感のある取り調べを2時間近く没入しながら観届けた結果、動機の背景に"明日香"という存在が関わっていたと知った時には (えぇ…) となってしまいました。
実際スズキ自身に動機がなかった訳ではなく、社会に対する鬱憤や自己顕示欲など様々な感情があったと思うのですが、溜めに溜まった引き金がたまたま出会ったホームレスの女性によってなし崩し的に引かれるというストーリーがなんとも…
「誰にでもあるかもしれない事だなぁ…」と受け取るか、「しょうもないなw」と受け取るかは人それぞれだと思いますが、見終わった後の自分は圧倒的に後者の方の感情が占める割合の方が大きかったですw
【存在価値が意味不明なサイドストーリー】
観終わってみればこの部分も意味不明でした。
加藤雅也演じる“長谷部有孔”が事件現場で射精するシーンはかなり衝撃的な場面だった割にはスズキの動機にはほとんど関わってこなかったし、“倖田”と“矢吹”の現場捜査シーンも振り返ると蛇足だったような気がします。
“スズキタゴサク”のキャラクターを掘り下げて欲しいのにそこには触れられず、代わりにどうでもいいドラマパートに時間が割かれているという点が非常に勿体なく感じました。
原作があるのである程度致し方ない部分もあるのかもしれませんが、長谷部だの倖田だの他のキャラクターのドラマパートは一切カットして、その部分をスズキ自身の過去を掘り下げるパートや取り調べの時間に充ててくれた方が個人的には好みでした。
【兎にも角にもアホすぎる警察】
実態が分からないので的外れな指摘かもしれませんがここもかなりイラつきましたw
警官が思いつきで推理すれば見つかるレベルなのに見つけられてなかった販売所の爆弾、勝手に避難指示を解除して甚大な被害を生んだ阿佐ヶ谷の爆弾。
極め付きは推理を途中で切り上げた結果、大量の死傷者を出した代々木の爆弾。
「推理を途中で切り上げた結果、起きた被害なのに“命の選択”もクソもあるか!!!」と言いたくなってしまうくらいには取調室外の警官が無能ばかり。
あくまでこの映画のメインは“取り調べ”。余計な部分でイラつきたくなかったというのが本音です。
原作がある作品なので映画自体にどうこう言うのも間違っている話かもしれませんが、映画に対する感想は
「余計なドラマパートが多い割に“スズキタゴサク”の掘り下げは特になく、素性に対してもあまり納得することが出来なかった」
こんな感じにまとまりました。
他作品の名前を出すのも失礼ですが、この作品を見て改めて「今年のNo.1邦画は『国宝』」という思いが強まりました。
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