「悪魔を憐れむ映画」爆弾 ざむざむさんの映画レビュー(感想・評価)
悪魔を憐れむ映画
サイコパステロリストと戦う刑事たちを描くノンストップアクションかと思ったが、尋問する刑事が交代して以降、何人もの捜査官がそれぞれ持ち場で事件を深掘りしていく刑事ドラマ要素が加わる。しかも刑事たちそれぞれが闇を抱えており、警察そのものが事件の原因に関わっているという社会派要素もじょじょに追加。「スピード」と「セブン」と「LAコンフィデシャル」をまぜたら訳が分からなくなると思うのだが、絶妙に面白いのがすごい。神業的構成に圧倒された。
で、ここまでは計算された部分。
結局スズキタゴサクがぜんぶ乗っ取ってしまう。
くっだらないギャグが、悪への誘いの言葉に変質して、最後に堂々と悪の教典を成立させる有り様が耐えられないほど恐ろしい。
で、エンタメ的にラストは悪の理由付というのがなされて、タゴサクは理解できるところまで整理されるのだが、意外に映画評では不満が多い。
つまり観客はスズキタゴサクが正体不明の悪のカリスマであることを望んでいるのだ。
だいたいの人間は人生幸福なのは母親のお腹にいるときだけで、がっかりを繰り返して、黒く歪んだ何かに変質した自分から目をそらしつつ、人生は終わる。
せめて、創作の中だけでも悪が自由に振る舞うのをみて、タゴサクのいうように「解放」されたいのではないか。これは個人的な感想でもある。
タゴサクはジョーカーよりも誰か分からないという意味で「セブン」のジョン・ドゥに近いかも知れない。ジョン・ドゥとは名無しのことでタゴサクも名前ではない。私たちはほとんどが名無しの者で、誰もがいつでもタゴサクかジョン・ドゥになり得るのだ。
はじめまして、みかずきです
たくさんの共感ありがとうございます
フォローありがとうございます
私、2015年から本格的に映画レビュー活動を開始して、
現在、キネマ旬報、kinenote、yahoo検索等に映画レビューを投稿しています。現在の目標は2回目のキネマ旬報採用です。
よろしくお願いします。
本作、私のレビューにも書きましたが、警察対犯人というよりは
もっと深堀して、警察の正義対犯人の正義という構図で描かれていると感じました。
何と言っても佐藤二朗の怪演が見事でした。佐藤劇場と言っても良いくらいでした。胸の奥に秘めた憎悪、警察を翻弄する知略がgoodでした。久し振りに会話劇にどっぷり没入できました。
では、また共感作でお会いしましょう。
たくさん共感をありがとうございます。
私は、タゴサクは、知能が高く周囲を見下している承認欲求の強いおこちゃまな印象を持ちました。見かけで判断されて周囲に見下されているのも憤懣遣る方無い感じです。
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