爆弾のレビュー・感想・評価
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もう一回取調べお願いします。
「爆弾」
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いきなり取り調べが始まっている導入部が素晴らしい。
「ドラゴン・タトゥーの女」なオープニングクレジットも微笑ましく、また謎のヒントになっているところもいい。
主な登場人物も特にフォーカスが当たるわけでもなく、淡々と主要人物が画面に登場するさりげなさもいい。誰もかれもが、特殊なわけでもなく、誰もかれもが、同じ側面を持っている。主人公然しない山本裕貴、毅然とした渡部篤郎の崩れ方。山本と渡部の関係も語られないがそれはいいだろう。
だが、その描写故、主要人物のだれもが、「なぜ」それを「するのか」、「できるのか」といったクエスチョンが緊迫感の持続を遮っているのが痛しかゆし。
記録係の手打ち入力。爆発の有無をネットニュースの速報で確認する。そんな警察署に駆け込むネットに踊らされた市民。なかなか引っかかる。
目指すべきてんこ盛りなエンターテイメントになっているが、個人的には回想シーンは全く必要ない。さらに爆破シーンは意外性がないため、展開の緩急になっていない。グロい描写が安っぽく、カメラが外に出れば出るほど逆に映画的な面白さが損なわれている。
お客さんを呼び込むエンタメ映画のための派手なシーンは必要、かと言うと、今年の邦画の充実ぶりを見ると、必ずしもその結論だけではないように思う。
思い切って、全く取調室から外に出ず、会話劇、密室劇に徹するほどの意気込みと練りこみを求めれば、よりインパクトを与える作品になったと思う。
「ジョーカー」で「ジョン・ドウ」な佐藤は、「容疑者X」。「レクター博士」のようなバックボーンの構築も可能。ここでは佐藤と山本の対決は、言葉遊び、「記憶力」の対決。そこに「間宮」な要素はないが(いや、無いわけでもないか)、萩原聖人にこの役をやってほしかったなあ。
もう全部吹き飛ばしてしまえ!
最高に面白かった。下手すると犯人?スズキに共感してしまう。そのスズキの指をへし折った年配刑事(名前なんだっけ)の気持ちも判る。如何に妙な性癖があったとはいえ、それを変態呼ばわりして取り囲むマスコミ、安易に動画を拡散、そして「俺シラネ」といって逃げを決め込む。警察の聞き込みにカメラを向けて嫌味をつける。世の中、良い奴なんて居やしない。アニメにしたら、さぞかし黒インクが足りなくなるだろうという、最初っから最後まで薄暗い映画のイメージ。とことん視聴者にストレスをかけ、むしろ犯人に共感してしまう。スズキから「あなたもそう思ったんじゃないですか」という問いかけは、まさに視聴者へのメッセージ。
でも、ちゃんと釘を刺すのはいいですね。「お前は悪だ」と言い切る年配刑事のセリフのお陰で踏みとどまった気分。露骨に爆弾で傷つく警察官を含めた被害者達の姿に、「悪いことをするとこういうことになるんだ」と目を覚まさせてくれる。そのへんが、この映画の良識だったと思う。面白さ半分、やっぱり見終えて鬱屈した気分にもなったけど、「高い焼き肉おごれ」というメッセージで少し上向き気分になれます。あのメガネの切れ者、類家くんもポーク(なんだっけ)が喰いたいというセリフ。そういえば「じゃりン子チエ」でも言ってました。「まずはお腹いっぱい食べること。お腹が減っていると、ついつい変なことを考えてしまう」ということなのでしょう。国民に飢えさせる国では駄目なんでしょうね。日本の豊かさもまた、治安維持の否決かもしれません。
あと、雑感というかなんというか。こういう事件、一人の犯人が知恵をふるって警察全てを翻弄するなど、本当に有り得るものかどうか。こういうフィクションって本当にファンタジーだと思う。ファンタジーというと語弊が悪ければ、現実味の無い夢物語。懲りに凝った計画犯罪って、なんの経験も無しにプランを組んで実行して、それがどこまで上手くいくものか。ようするに「手練れ」でなければ、「未経験」では駄目だと思う。常習犯で無ければ、成功率なんてかなり低いのでは無いか。
加えて、警察署の取調室で、強面の刑事の取り調べを受けて、どこまで踊りきることが出来るものか。あのスズキも若くないし、どんな経験を積んできたかは知らないけど、出世争いで殴り合ってきた警察相手に面と向かってからかうなんて、どれほど海千山千の経験を詰めば出来るものなのか。映画を見ていて、「そんな人間がいきなり登場するなんて有り得ないよな」という気分に終始囚われてしまいました。でも、だからこそ、「邪悪な怪物」ぶりが面白いんですけどね。
その怪物ぶりを演じきった佐藤二朗さんでしたか。凄まじい名演でした。役者陣が実に魅力的な凄い人達、類家くんが出演者の筆頭に上がってるけど、まさに怪物スズキこそ、この映画の主役だったのではないかと思います。
そういえば、類家くんの名乗りの連呼。あれがなければ、見ていて名前が認識できませんでしたね。役割がハッキリしていれば登場人物に名付ける必要はないと思っていますが。
グレーな部分
番宣で知り、信頼できる演者さんたちばかりだし、レビューも良いので張り切って観に行きました。原作未読です。
うーん。とても難しかったです。
タゴサクさんの出すヒントに気を取られて、謎解きをしてしまうんです。その間にもストーリーが進むので、置いていかれがちというか。
一見、動きがないような取り調べ室だけど、観ていて、頭の中ではすごく忙しかった。事実、長谷部刑事の不祥事を記事になる部分を、よく観れておらず、石川家を訪ねた目的や、長谷部刑事本人が家族に「事実だ」と説明する回想場面など、もう完全にわからなくて(笑)やべー大事な所を見過ごしたかも感がいっぱい。自慰シーンを観て、「あー…」となんとなく理解。急いで補完をはじめるものの、謎解きとストーリーを追いながらの仕事が増えた形になる。
でも、この作品は二重構造?もっと重なってるのかな…。
・タイトルにもなっている「爆弾」が仕掛けられているかも。という爆弾の、在りかや仕掛けや目的、動機を解くストーリー
・「わからなくもない」という、白とも黒とも言わないスタンス、それは人に寄り添う「余白」みたいなものなのかな、と。しかし、世間は白黒つかないことを否定するかのような、メディアや群衆の声というストーリー
・ダコサクさんが見ていた、「石川あすかさん」とはなんだったのだろう
なんとなく、解りそうで掴めそうなんだけど、腑に落ちる所までいかない( ˊ꒳ˋ ;)
きっと劇場で観れたことを、後ですごく感動しそうな気がするけど、一度観ただけでは理解が難しく、家でじっくり、あの時のセリフ、あの時の感情を丁寧に観たい。それを飽きさせないお芝居だし、拾わせてくれる信頼がありますね。
もう一度観に行こうかな〜(〃ω〃)
誰の心の奥にも存在する、最後の爆弾との付き合い方
スズキタゴサクと対峙する切れ者刑事・類家(山田裕貴)、そしてスズキの過去を追う刑事・等々力(染谷将太)。
彼らの瞳の奥には、少しの“俯瞰”と“諦め”が同居している。世の中を少し斜め上から見つめ、善も悪も冷静に分別したうえで、それでも「善だけでは救えない現実」があることを知っている。
そのまなざしは、
どこかスズキタゴサク自身と重なって見えた。
見つからなかった“最後の爆弾”とは、実は誰の胸の奥にも潜んでいるものなのかもしれない。それは私自身の胸の奥にも然りである。
映画を観終わったあと
ふとそんなことを思った。
ただ、犯罪者とそうでない人を分けるのは、
その最後の導火線に――火をつけてしまうかどうか。
多くの人はその存在を感じながらも、爆発させることなくその存在とうまく付き合って生きていく。またそれは、人生が誰にとっても容易ではなく、時に理不尽であるという真実を教えてくれる。
導火線に火をつけるのではなく、
静かに鎮める心を育てること。
それこそが“生きる”ということなのかもしれない。
タゴサクの爆弾導火線の着火地点にあった「明日香からもらったドラゴンズの帽子」。
もし捉え方をほんの少し間違えなければ、それは唯一の消火剤になり得たのかもしれない。
たったひとつでいい。
「信じられる誰か」
「心から好きだと言える何か」
その存在が、人生には不可欠だ。
それは私たちの心の奥にある“最後の爆弾”を静かに鎮めてくれる。
久しぶりにお笑いを全く封印したスズキタゴサク役の佐藤二朗さん。やっぱり彼には、こういう役が一番似合う。どこか他人を小馬鹿にしたような不気味な笑み、何を考えているのか分からない狂気の人、彼にしか出せない“静かな狂乱”にすべの人が翻弄される。そしてそれに対抗する切れ者刑事、類家を演じた山田裕貴さんも負けていませんでしたね。見応えのある取り調べシーンでした。染谷将太さん、伊藤沙莉ちゃん、坂東龍汰さん、渡部篤郎さんなど脇を固める俳優さんも豪華!見応えある演技で2時間を超える映画も長くは感じませんでした。
今年は見応えある良作映画が本当に多いと感じます。No.1を決めるのは本当に迷ってしまいます😅映画ファンとしてはうれしい悲鳴ですが、今作『爆弾』も間違いなく記憶に残る一本です。
ぜひ映画館でご鑑賞下さい♪
心の深い部分まで入り込んでいく137分
上映開始10分ぐらいから、助走なしにアクセル全開で最後まで進んでいくサスペンスクライム作品。
一言一句聞き逃さないように、放たれた言葉をすぐさま処理して、どこの言葉に意味があって、どの言葉が弄んでいるのか、見ているこっちもずっと脳内処理をしながら見たので、鑑賞後アドレナリンが出た状態でシアターを出た。つ…つかれた。
でもこういう映画体験は嫌いじゃないので、個人的にはすごく面白かった!
結末や真実を知っている状態でもう一度見たら、初回とは違った見方ができて楽しそう。
この作品を見れば、誰もが佐藤二郎という役者のすごさを思い知ることになる。
コメディのイメージが強いけれど「あんのこと」で演じた刑事役も素晴らしかった。
今作ではあの膨大なセリフ量を、取調室という画が変わらない場所で、いかに観客を飽きさせず、惹きつけられるかが肝となる難しい役だ。
しかし、抑揚と緩急、表情や動作で全く飽きさせることなく演じ切った。
彼が演じるタゴサクは、腰は低く、自虐的で、鼻につく感じではないけれど、対峙する人の心を見透かしているかのような言動をする。
あの無邪気な感じは、まるでヒース・レジャーが演じたジョーカーのようだった。
しかし時間が経つにつれて彼の得体のしれなさへの恐怖と不気味さが増していき、バケモノに見えてくる。そのグラデーションも素晴らしかった。
そんなバケモノに対峙して闘う山田裕貴演じる類家もこれまた魅力的。
最初は冴えない腰の低い男かと思いきや、本性を出してからの彼は最高にクールだった。
二人の一歩も引かない心理戦と話術の攻防戦は、見ていてワクワクするしかない。
山田くんは5ヶ月で3作品もの、キャラクターの違う主演3役をやってのけたのは本当にすごすぎる。
きっと誰もが心に爆弾を抱えていて、一歩間違えればタゴサクのように爆発してしまう。
でもその爆弾を抱えたまま、それを爆発させないように生きていくのが人間だ。
でもきっと今もどこかで、爆弾のカウントダウンが始まってる人がいるのかもしれないと思うと、とても怖い。
彼は我々の闇の部分を具現化した生き物なのか。
最後の終わり方もゾワっとした。
是非映画館で体感してほしい。
佐藤二朗ショー
なかなかの怪作というか、佐藤二朗ワンマンショーみたいな映画だったのだが、いかんせん私は佐藤二朗の芸風が苦手なので、彼のどアップの連続とクセつよ演技の炸裂ぶりにちょっと辟易してしまった。佐藤二朗ファンの方本当にごめんなさい。
原作未読なので映画の情報のみでの評価になるが、話の土台の部分がちょっとわかりづらかった。原作を読んでおけばよかったかもとちょっと後悔。
そもそも山脇と梶、石川辰馬は何故環状線の爆破を計画したのか。長谷部の心の闇が何に由来するものなのか。タゴサクに行動を依頼した明日香の動機。明日香が息子の辰馬を殺した理由も今ひとつ腑に落ちず。明日香から頼まれただけであそこまでするタゴサクのモチベーション。
全く描写がないとは言わないが、山盛りのネタに対して人物造形の作り込みが乏しすぎる気がした。さらっと流されたこの辺りのことが引っ掛かり、テンポよく進んでいく物語に乗りきれなかった。
取調室でのタゴサクと捜査一課の面々とのやり取りの緊迫感はよかった。前述のように私は佐藤二朗の芸風が苦手なのでタゴサクのトークにも嫌悪感を抱いたのだが、そもそもタゴサクは観客に嫌悪感を抱かせたら正解と言っていいようなキャラなので、私の受けた印象は佐藤二朗の狙い通りということなのかもしれない。
佐藤二朗 vs 染谷将太、渡部篤郎、山田裕貴の畳み掛けるような台詞の応酬は、爆発シーンと並んで見応えがあった。彼らの間で行き交う言葉を追いつつ、タゴサクの言葉遊びの謎解きにも気を回すため自ずと集中して展開を追うことになる。この辺はゲーム的な要素があって面白かった。
ただ、タゴサクの弾丸トークに垣間見える彼の主張、「人の命が平等だとか欺瞞じゃね? 心の奥では皆そう思ってんだろ?」といったような(違っていたらすみません)メッセージには、正直あまり新鮮味がなく、タゴサクをそれほど怖く感じなかった。あれだけ意味深な言葉を立て続けに吐いて、たまに突然大声も出すのだから、見るからにヤバい奴、という意味での怖さはそれなりにあったが。
個々の人間にとって他人の命が平等でないのは当たり前であり、ただ社会秩序のために「命は平等」という単純化した理想を標榜しているに過ぎない。社会秩序が失われれば個々人が危険に晒されるから当然のことだ。だから社会秩序を守る立場の警察の人間が、命は等しく大切だという体裁を取るのも当然だし、類家のように本心では誰かを殺したいと思ったことのある刑事がいるのもこれまた当たり前。そこを今更つついて喜んでいるタゴサクが、ちょっと子供っぽく見えてしまった。
相手の心に踏み込むサイコキャラを出してくるなら、普通に話しているだけでいつの間にか取り込まれそうになる怖さ、あれ?この人そんなに間違ったこと言ってなくね?となりそうになってゾッとする怖さを感じたかったが、タゴサクにはそれはなかった。あくまで私の主観、好みの問題だろうけど……
終盤もちょっと不完全燃焼というか……爆発物を仕込んだのが辰馬たちとは分かったけどもう死んでるし、そもそも明日香は娘を守るために犯罪を計画した辰馬を殺したのかと思ってたら自分が警察署に爆弾抱えて来てるし(不発だったけど)、発見しきれない爆弾残ったまま終わるしで消化不良感が強かった。
山田裕貴のインタビューによると「ベートーヴェン捏造」と撮影時期がかぶっていたようで、彼と染谷将太(上記作品にセイヤー役で出演)の演じ分けを味わうというメタ的な楽しみはあった。
見ごたえある芝居
今年の日本映画は豊作だと思うが、これも特筆すべき一本。『国宝』も本作も、日本の役者の実力を感じさせる作品が多く出てきたのは素晴らしいことだ。日本の役者は本当は上手い。その実力を存分に発揮できる脚本と環境さえあれば、もっと羽ばたけるはずだ。
この作品の大部分の舞台となるは取調室なので、舞台があまり頻繁に変えられない。同じ舞台が続くので、撮り方の工夫もいっぱいしているんだけど、それも無限のパターンがあるわけじゃない。それでも観客を飽きさせてはいけない。飽きずに観客の目を画面に釘付けにできるかどうかは、役者の芝居にかかっている。佐藤二朗は見事にその重責に応えて見せた。異様な迫力と底知れない不気味さで観客を震え上がらせる見事な芝居だった。
佐藤二朗と相対する山田裕貴の“スイッチの切り替わる感じ”も良かった。最初はおとなしそうに先輩刑事を立てている感じで出てくるが、取り調べ室の机で佐藤二朗と正面を向かい合ってからは、人が変わったように強気の感じが出ていて、存在感で負けていない。こういう骨太な芝居を見せる日本映画が増えてきているのは、とてもいいことだし、それにお客さんがいっぱい入っているのも希望がある。
それにしても漢字2文字のタイトルの邦画が話題になってるのは偶然なのかな。
シンプルなタイトルブームが来てるんでしょうか。まあ、一部のラノベみたいなタイトルは個人的にはもう飽きてるけど。
取調室の会話劇の「静」と事件現場における「動」のバランスが良く、役者陣の名演技と監督のセンスが光るサスペンス映画の名作!
本作は、物語の展開の面白さに加えて、映像の「静」と「動」の対比も見事。
「静」の取調室のシーンは、まさに演技合戦の応酬。正直なところ、「本作の主演は誰?」と思ってしまうくらいに佐藤二朗の存在感がありました。これまでの佐藤二朗といえば福田雄一監督作に登場する「とてもおちゃらけた人」か、「宮本から君へ」や「はるヲうるひと」などで見せる本来の体格を活かした「とても怖い人」という印象でした。
ところが本作では、その中間くらいの絶妙な演技で、「国宝」が無ければ今年の日本アカデミー賞で助演男優賞を受賞するんじゃないかと思うほど、年間ベスト級の演技です。
主演の山田裕貴は――ひょっとしたら佐藤二朗よりも出演時間が短いのかもしれませんが――最大のハマり役でブレイクのきっかけとなった「東京リベンジャーズ」のドラケン役を彷彿させるほどに役がハマっていて、独特な存在感を放っていました。
この2人以外のキャストも見事で、「静」の取調室のシーンのやり取りや緊迫感は大きなスクリーンで一見の価値があります。
そして、その「静」から一転する「動」となる現場では、本物の火薬を使って爆発させた圧巻のシーンが多く、現場の警察官やエキストラに至るまで小道具も含めリアリティーに溢れていました。
似たような構造の作品に「ラストマイル」がありましたが、内容がより凝った面と演技合戦の応酬、本格的な爆発シーンなどのリアリティーから、私は本作の方を推します。ただ、「ラストマイル」が気にいった人には本作も同様に気にいると思います。
キャストとスタッフのただならぬこだわりを強く感じる、新たなサスペンス映画の名作です。
惜しい点もあれど間違いなく佳作
原作小説は未読ながら、連載中のコミカライズ版(未完)がめちゃくちゃ面白くて、今更ながら観てきました。
やー面白かったなぁ。
ストーリーで言うとちょうど真ん中くらちまでは漫画版で読んでいた形になるんですけど、それでもずーっとハラハラワクワクしていました。
散々言われているけれど、佐藤二朗氏の演技も素晴らしい。
これ山田裕貴氏が主演ってクレジットだけど、実質的な主役は佐藤氏じゃ。
ただ終盤はかなり駆け足でいくつか「ん?」いう点もあって、雑にも思えたのが惜しい。
・爆破テロが続発しているのに、市民は暴動を起こしてまで電車に乗りたがるか?
・スズキが本当に罪を被る気だったのなら、真犯人に繋がりかねない長谷部の名前を出すか?
など、この辺の疑問は他の方もレビューで挙げていたので、俺だけじゃなかったんだと安心(笑)
あと宮本浩次の主題歌、これは良くなかったなぁ。
作品の内容にも合っていなかったし、そもそも良い曲だと思えませんでした。
佐藤二朗さんの怪演
山田裕貴フィーバータイムの爽快感
重々しい後味の悪い結末かと思い込み後手に回してた一本でしたが…むしろ鑑賞後はジェットコースターに乗ったような気分。今からでも遅くないから是非足を運んでほしい作品。
不気味で無邪気な爆破予告犯であるスズキタゴサクと、爆弾が仕掛けられた場所を問い詰めていく警視庁捜査一課の類家が織りなすスピーディーミステリー…と、なんとなく二人の会話劇がメインで掛け合いが軸になっているのだな、と想像していたがその掛け合い(煽り合い)がとにかくまぁ想像以上にひたすらうまい。
なんと言っても佐藤二郎の演じるスズキの気持ち悪いこと。冒頭から「あ、このタイプはダメだ」と思わせる雰囲気、所作、口元の動かし方。何より指を示すときに見える人差し指の皮が剥けた、その手の荒れようが、思い出すだけで嫌悪と気味の悪さで背筋をゾッとさせる。特別難しい言葉を使うわけでも傲慢な態度をとるでもなく、心からの純粋な悪で人を不愉快の底に突き落とす。
佐藤二郎しかこの不気味さは表せられない。
そして対する山田裕貴。
途中まで厳格な上司のもとで部下として頭を回転させ、低姿勢でどこかオドオドとした様子の類家を演じる。
が、途中からやってくる類家フィーバータイムもとい山田裕貴フィーバータイム。このスイッチが入る瞬間がたまらない。見ていて思わず前のめりになり、ここからがこの映画の真骨頂と言わんばかりに一気に加速する類家の本性。
演じてて気持ちいいだろうな、と羨やましくなる。二面性のある、しかも陰の性質が強い役柄がビタハマり。
正義vs悪なんてものではない。口達者という温いものでもない。
ほんの僅かな物差しの違いでたまたま対立する立場になった二人の掛け合いが面白くてたまらないのだ。
ただこの二人が決して同じ側に立てないのは、類家が発した“やりがい”の対象の違いだろう。シンプルな言葉だったが、彼のような人間がいたら、彼のような人間がより評価され、受け入れられる世界になれば、少しでもこの世の中はまともに近づいていくのではなかろうかと考えた。
またさまざなところで評されているが、署内でのやり取りが主なスクリーンの中で、外部で動く面々の使い方がこれまた絶妙。鑑賞者を飽きさせない演出で、まさに静と動の扱いが巧みであった。
圧倒的に使えない警察の上層部、後先考えずに動いてしまう若手警察組、そして父親を筆頭にした長谷部一家の行動…外部の面々が人間らしく合理性なく動き回るからこそ、スズキと類家の人間離れした思考回路が際立つ。
確かに最後は若干ばたつくというか、さささっと収束させた様子はあったがそれでも大満足の後味が残る一本であった。
社会の歪み
佐藤二郎が素晴らしい
冒頭から終盤直前まで佐藤二郎と警察の頭脳戦が繰り広げられピリピリした展開が続きます。
佐藤二郎の演技に圧倒されます。
妖艶でありながら少しコミカルですっとぼけた演技にニヤニヤしながら観てました。
惜しむらくは終盤の詰めがフワッとしてたところです。
佐藤二郎が首謀者で良かったのに、変な小細工をするのでかえってストーリーが分かりにくくなっています。
奇をてらった脚本家のしたり顔が目に見えるようですが残念ながらハズしてます。
R指定通り過激な描写があります。
特に性的描写があるのでR指定ギリギリの年齢のお子さんを連れて行く場合は覚悟してください。
隣の席の母娘は該当シーンの時居心地が悪そうでした。
本編と話は逸れますが、佐藤二郎の演技を観てて何故か麻原彰晃を思い出しました。
オウムをテーマにした映画を作るなら麻原役は佐藤二郎が適任だと思いながら観てました。
知的駆け引きと爆弾の迫力あるシーン
期待していなかったから余計に大きな衝撃
子どもに勧められて鑑賞。
佐藤二郎の演技が圧巻だし、会話の内容についていくのが必死。
もう一度見て、復習したい。
続編ありますか?
ただ、奥さんが子どもを殺すのは理解できないかなあ、
無理がある気がする
名作
「天才」対「秀才」
本作、非常に面白かったです。
事件、刑事ものとしては分かりやすい導入。
秋葉原爆発の映像は、洋画にはなりますが「ダイ・ハード3」導入の爆破シーンに似ていて、観ていて衝撃が良く伝わりました。
そして取調室での鈴木と警察の攻防・やり取りもとても良かった。
大事な要素として、取調室に居た全ての人間と鈴木は緻密に関わりを持っている映像が表現されていたので、「浮いた」演者が居なかった。
しかも取調室から「現場」の人物にも深い伏線と交差が表現され、無駄なく完璧に登場人物に交わりが生まれていたのが素晴らしい。
なぜなら、「浮いた」役の登場人物、「薄い」登場人物が生まれることが多いから。
そして「謎」の関わり合いも複雑でありながら上手いミスリードや関わりの整合性があり、鑑賞中に首をひねったり眠くなる事も無かった。
さらに俳優さんたちの演技が皆さん揃って素晴らしかった。
ベテランも中堅も新人もとても良い演技、そして監督の映像の見せ方だったと思います。
鈴木タゴサク演じる佐藤二郎さんの演技は本当に素晴らしかった。
最近は「コメディ」の演技が印象的な俳優さんですが、このような役柄も当然のようにこなす。
思えば私の記憶ではドラマ「スペック」で非情な役(警官だっけな)をされていたので、「あぁ色んな役をこなせる役者さんのままだ」と、尚更感動しました。
そして物語の衝撃の「事の顛末」に、私は鈴木タゴサクの過去が非常に気になりました。
絶対に「普通の社会人」だった訳ではない気がします。
人のためとはいえ、あれほどの計画性や演技、マインドコントロール。
かなりの上級職の「天才」だと思えます。
そう思えるとなぜ「宿無し」に身を落としたのか。そうなる前は何をしていたのか。
エンドロールを観ながら非常に気になってしまいました。
原作では続編で明らかになっているのかな。
面白い作品を手掛けている呉さんに、再度してやられた?作品でした。
面白かったです!
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