爆弾のレビュー・感想・評価
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もう一回取調べお願いします。
「爆弾」
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いきなり取り調べが始まっている導入部が素晴らしい。
「ドラゴン・タトゥーの女」なオープニングクレジットも微笑ましく、また謎のヒントになっているところもいい。
主な登場人物も特にフォーカスが当たるわけでもなく、淡々と主要人物が画面に登場するさりげなさもいい。誰もかれもが、特殊なわけでもなく、誰もかれもが、同じ側面を持っている。主人公然しない山本裕貴、毅然とした渡部篤郎の崩れ方。山本と渡部の関係も語られないがそれはいいだろう。
だが、その描写故、主要人物のだれもが、「なぜ」それを「するのか」、「できるのか」といったクエスチョンが緊迫感の持続を遮っているのが痛しかゆし。
記録係の手打ち入力。爆発の有無をネットニュースの速報で確認する。そんな警察署に駆け込むネットに踊らされた市民。なかなか引っかかる。
目指すべきてんこ盛りなエンターテイメントになっているが、個人的には回想シーンは全く必要ない。さらに爆破シーンは意外性がないため、展開の緩急になっていない。グロい描写が安っぽく、カメラが外に出れば出るほど逆に映画的な面白さが損なわれている。
お客さんを呼び込むエンタメ映画のための派手なシーンは必要、かと言うと、今年の邦画の充実ぶりを見ると、必ずしもその結論だけではないように思う。
思い切って、全く取調室から外に出ず、会話劇、密室劇に徹するほどの意気込みと練りこみを求めれば、よりインパクトを与える作品になったと思う。
「ジョーカー」で「ジョン・ドウ」な佐藤は、「容疑者X」。「レクター博士」のようなバックボーンの構築も可能。ここでは佐藤と山本の対決は、言葉遊び、「記憶力」の対決。そこに「間宮」な要素はないが(いや、無いわけでもないか)、萩原聖人にこの役をやってほしかったなあ。
もう全部吹き飛ばしてしまえ!
最高に面白かった。下手すると犯人?スズキに共感してしまう。そのスズキの指をへし折った年配刑事(名前なんだっけ)の気持ちも判る。如何に妙な性癖があったとはいえ、それを変態呼ばわりして取り囲むマスコミ、安易に動画を拡散、そして「俺シラネ」といって逃げを決め込む。警察の聞き込みにカメラを向けて嫌味をつける。世の中、良い奴なんて居やしない。アニメにしたら、さぞかし黒インクが足りなくなるだろうという、最初っから最後まで薄暗い映画のイメージ。とことん視聴者にストレスをかけ、むしろ犯人に共感してしまう。スズキから「あなたもそう思ったんじゃないですか」という問いかけは、まさに視聴者へのメッセージ。
でも、ちゃんと釘を刺すのはいいですね。「お前は悪だ」と言い切る年配刑事のセリフのお陰で踏みとどまった気分。露骨に爆弾で傷つく警察官を含めた被害者達の姿に、「悪いことをするとこういうことになるんだ」と目を覚まさせてくれる。そのへんが、この映画の良識だったと思う。面白さ半分、やっぱり見終えて鬱屈した気分にもなったけど、「高い焼き肉おごれ」というメッセージで少し上向き気分になれます。あのメガネの切れ者、類家くんもポーク(なんだっけ)が喰いたいというセリフ。そういえば「じゃりン子チエ」でも言ってました。「まずはお腹いっぱい食べること。お腹が減っていると、ついつい変なことを考えてしまう」ということなのでしょう。国民に飢えさせる国では駄目なんでしょうね。日本の豊かさもまた、治安維持の否決かもしれません。
あと、雑感というかなんというか。こういう事件、一人の犯人が知恵をふるって警察全てを翻弄するなど、本当に有り得るものかどうか。こういうフィクションって本当にファンタジーだと思う。ファンタジーというと語弊が悪ければ、現実味の無い夢物語。懲りに凝った計画犯罪って、なんの経験も無しにプランを組んで実行して、それがどこまで上手くいくものか。ようするに「手練れ」でなければ、「未経験」では駄目だと思う。常習犯で無ければ、成功率なんてかなり低いのでは無いか。
加えて、警察署の取調室で、強面の刑事の取り調べを受けて、どこまで踊りきることが出来るものか。あのスズキも若くないし、どんな経験を積んできたかは知らないけど、出世争いで殴り合ってきた警察相手に面と向かってからかうなんて、どれほど海千山千の経験を詰めば出来るものなのか。映画を見ていて、「そんな人間がいきなり登場するなんて有り得ないよな」という気分に終始囚われてしまいました。でも、だからこそ、「邪悪な怪物」ぶりが面白いんですけどね。
その怪物ぶりを演じきった佐藤二朗さんでしたか。凄まじい名演でした。役者陣が実に魅力的な凄い人達、類家くんが出演者の筆頭に上がってるけど、まさに怪物スズキこそ、この映画の主役だったのではないかと思います。
そういえば、類家くんの名乗りの連呼。あれがなければ、見ていて名前が認識できませんでしたね。役割がハッキリしていれば登場人物に名付ける必要はないと思っていますが。
グレーな部分
番宣で知り、信頼できる演者さんたちばかりだし、レビューも良いので張り切って観に行きました。原作未読です。
うーん。とても難しかったです。
タゴサクさんの出すヒントに気を取られて、謎解きをしてしまうんです。その間にもストーリーが進むので、置いていかれがちというか。
一見、動きがないような取り調べ室だけど、観ていて、頭の中ではすごく忙しかった。事実、長谷部刑事の不祥事を記事になる部分を、よく観れておらず、石川家を訪ねた目的や、長谷部刑事本人が家族に「事実だ」と説明する回想場面など、もう完全にわからなくて(笑)やべー大事な所を見過ごしたかも感がいっぱい。自慰シーンを観て、「あー…」となんとなく理解。急いで補完をはじめるものの、謎解きとストーリーを追いながらの仕事が増えた形になる。
でも、この作品は二重構造?もっと重なってるのかな…。
・タイトルにもなっている「爆弾」が仕掛けられているかも。という爆弾の、在りかや仕掛けや目的、動機を解くストーリー
・「わからなくもない」という、白とも黒とも言わないスタンス、それは人に寄り添う「余白」みたいなものなのかな、と。しかし、世間は白黒つかないことを否定するかのような、メディアや群衆の声というストーリー
・ダコサクさんが見ていた、「石川あすかさん」とはなんだったのだろう
なんとなく、解りそうで掴めそうなんだけど、腑に落ちる所までいかない( ˊ꒳ˋ ;)
きっと劇場で観れたことを、後ですごく感動しそうな気がするけど、一度観ただけでは理解が難しく、家でじっくり、あの時のセリフ、あの時の感情を丁寧に観たい。それを飽きさせないお芝居だし、拾わせてくれる信頼がありますね。
もう一度観に行こうかな〜(〃ω〃)
誰の心の奥にも存在する、最後の爆弾との付き合い方
スズキタゴサクと対峙する切れ者刑事・類家(山田裕貴)、そしてスズキの過去を追う刑事・等々力(染谷将太)。
彼らの瞳の奥には、少しの“俯瞰”と“諦め”が同居している。世の中を少し斜め上から見つめ、善も悪も冷静に分別したうえで、それでも「善だけでは救えない現実」があることを知っている。
そのまなざしは、
どこかスズキタゴサク自身と重なって見えた。
見つからなかった“最後の爆弾”とは、実は誰の胸の奥にも潜んでいるものなのかもしれない。それは私自身の胸の奥にも然りである。
映画を観終わったあと
ふとそんなことを思った。
ただ、犯罪者とそうでない人を分けるのは、
その最後の導火線に――火をつけてしまうかどうか。
多くの人はその存在を感じながらも、爆発させることなくその存在とうまく付き合って生きていく。またそれは、人生が誰にとっても容易ではなく、時に理不尽であるという真実を教えてくれる。
導火線に火をつけるのではなく、
静かに鎮める心を育てること。
それこそが“生きる”ということなのかもしれない。
タゴサクの爆弾導火線の着火地点にあった「明日香からもらったドラゴンズの帽子」。
もし捉え方をほんの少し間違えなければ、それは唯一の消火剤になり得たのかもしれない。
たったひとつでいい。
「信じられる誰か」
「心から好きだと言える何か」
その存在が、人生には不可欠だ。
それは私たちの心の奥にある“最後の爆弾”を静かに鎮めてくれる。
久しぶりにお笑いを全く封印したスズキタゴサク役の佐藤二朗さん。やっぱり彼には、こういう役が一番似合う。どこか他人を小馬鹿にしたような不気味な笑み、何を考えているのか分からない狂気の人、彼にしか出せない“静かな狂乱”にすべの人が翻弄される。そしてそれに対抗する切れ者刑事、類家を演じた山田裕貴さんも負けていませんでしたね。見応えのある取り調べシーンでした。染谷将太さん、伊藤沙莉ちゃん、坂東龍汰さん、渡部篤郎さんなど脇を固める俳優さんも豪華!見応えある演技で2時間を超える映画も長くは感じませんでした。
今年は見応えある良作映画が本当に多いと感じます。No.1を決めるのは本当に迷ってしまいます😅映画ファンとしてはうれしい悲鳴ですが、今作『爆弾』も間違いなく記憶に残る一本です。
ぜひ映画館でご鑑賞下さい♪
心の深い部分まで入り込んでいく137分
上映開始10分ぐらいから、助走なしにアクセル全開で最後まで進んでいくサスペンスクライム作品。
一言一句聞き逃さないように、放たれた言葉をすぐさま処理して、どこの言葉に意味があって、どの言葉が弄んでいるのか、見ているこっちもずっと脳内処理をしながら見たので、鑑賞後アドレナリンが出た状態でシアターを出た。つ…つかれた。
でもこういう映画体験は嫌いじゃないので、個人的にはすごく面白かった!
結末や真実を知っている状態でもう一度見たら、初回とは違った見方ができて楽しそう。
この作品を見れば、誰もが佐藤二郎という役者のすごさを思い知ることになる。
コメディのイメージが強いけれど「あんのこと」で演じた刑事役も素晴らしかった。
今作ではあの膨大なセリフ量を、取調室という画が変わらない場所で、いかに観客を飽きさせず、惹きつけられるかが肝となる難しい役だ。
しかし、抑揚と緩急、表情や動作で全く飽きさせることなく演じ切った。
彼が演じるタゴサクは、腰は低く、自虐的で、鼻につく感じではないけれど、対峙する人の心を見透かしているかのような言動をする。
あの無邪気な感じは、まるでヒース・レジャーが演じたジョーカーのようだった。
しかし時間が経つにつれて彼の得体のしれなさへの恐怖と不気味さが増していき、バケモノに見えてくる。そのグラデーションも素晴らしかった。
そんなバケモノに対峙して闘う山田裕貴演じる類家もこれまた魅力的。
最初は冴えない腰の低い男かと思いきや、本性を出してからの彼は最高にクールだった。
二人の一歩も引かない心理戦と話術の攻防戦は、見ていてワクワクするしかない。
山田くんは5ヶ月で3作品もの、キャラクターの違う主演3役をやってのけたのは本当にすごすぎる。
きっと誰もが心に爆弾を抱えていて、一歩間違えればタゴサクのように爆発してしまう。
でもその爆弾を抱えたまま、それを爆発させないように生きていくのが人間だ。
でもきっと今もどこかで、爆弾のカウントダウンが始まってる人がいるのかもしれないと思うと、とても怖い。
彼は我々の闇の部分を具現化した生き物なのか。
最後の終わり方もゾワっとした。
是非映画館で体感してほしい。
佐藤二朗ショー
なかなかの怪作というか、佐藤二朗ワンマンショーみたいな映画だったのだが、いかんせん私は佐藤二朗の芸風が苦手なので、彼のどアップの連続とクセつよ演技の炸裂ぶりにちょっと辟易してしまった。佐藤二朗ファンの方本当にごめんなさい。
原作未読なので映画の情報のみでの評価になるが、話の土台の部分がちょっとわかりづらかった。原作を読んでおけばよかったかもとちょっと後悔。
そもそも山脇と梶、石川辰馬は何故環状線の爆破を計画したのか。長谷部の心の闇が何に由来するものなのか。タゴサクに行動を依頼した明日香の動機。明日香が息子の辰馬を殺した理由も今ひとつ腑に落ちず。明日香から頼まれただけであそこまでするタゴサクのモチベーション。
全く描写がないとは言わないが、山盛りのネタに対して人物造形の作り込みが乏しすぎる気がした。さらっと流されたこの辺りのことが引っ掛かり、テンポよく進んでいく物語に乗りきれなかった。
取調室でのタゴサクと捜査一課の面々とのやり取りの緊迫感はよかった。前述のように私は佐藤二朗の芸風が苦手なのでタゴサクのトークにも嫌悪感を抱いたのだが、そもそもタゴサクは観客に嫌悪感を抱かせたら正解と言っていいようなキャラなので、私の受けた印象は佐藤二朗の狙い通りということなのかもしれない。
佐藤二朗 vs 染谷将太、渡部篤郎、山田裕貴の畳み掛けるような台詞の応酬は、爆発シーンと並んで見応えがあった。彼らの間で行き交う言葉を追いつつ、タゴサクの言葉遊びの謎解きにも気を回すため自ずと集中して展開を追うことになる。この辺はゲーム的な要素があって面白かった。
ただ、タゴサクの弾丸トークに垣間見える彼の主張、「人の命が平等だとか欺瞞じゃね? 心の奥では皆そう思ってんだろ?」といったような(違っていたらすみません)メッセージには、正直あまり新鮮味がなく、タゴサクをそれほど怖く感じなかった。あれだけ意味深な言葉を立て続けに吐いて、たまに突然大声も出すのだから、見るからにヤバい奴、という意味での怖さはそれなりにあったが。
個々の人間にとって他人の命が平等でないのは当たり前であり、ただ社会秩序のために「命は平等」という単純化した理想を標榜しているに過ぎない。社会秩序が失われれば個々人が危険に晒されるから当然のことだ。だから社会秩序を守る立場の警察の人間が、命は等しく大切だという体裁を取るのも当然だし、類家のように本心では誰かを殺したいと思ったことのある刑事がいるのもこれまた当たり前。そこを今更つついて喜んでいるタゴサクが、ちょっと子供っぽく見えてしまった。
相手の心に踏み込むサイコキャラを出してくるなら、普通に話しているだけでいつの間にか取り込まれそうになる怖さ、あれ?この人そんなに間違ったこと言ってなくね?となりそうになってゾッとする怖さを感じたかったが、タゴサクにはそれはなかった。あくまで私の主観、好みの問題だろうけど……
終盤もちょっと不完全燃焼というか……爆発物を仕込んだのが辰馬たちとは分かったけどもう死んでるし、そもそも明日香は娘を守るために犯罪を計画した辰馬を殺したのかと思ってたら自分が警察署に爆弾抱えて来てるし(不発だったけど)、発見しきれない爆弾残ったまま終わるしで消化不良感が強かった。
山田裕貴のインタビューによると「ベートーヴェン捏造」と撮影時期がかぶっていたようで、彼と染谷将太(上記作品にセイヤー役で出演)の演じ分けを味わうというメタ的な楽しみはあった。
取調室の会話劇の「静」と事件現場における「動」のバランスが良く、役者陣の名演技と監督のセンスが光るサスペンス映画の名作!
本作は、物語の展開の面白さに加えて、映像の「静」と「動」の対比も見事。
「静」の取調室のシーンは、まさに演技合戦の応酬。正直なところ、「本作の主演は誰?」と思ってしまうくらいに佐藤二朗の存在感がありました。これまでの佐藤二朗といえば福田雄一監督作に登場する「とてもおちゃらけた人」か、「宮本から君へ」や「はるヲうるひと」などで見せる本来の体格を活かした「とても怖い人」という印象でした。
ところが本作では、その中間くらいの絶妙な演技で、「国宝」が無ければ今年の日本アカデミー賞で助演男優賞を受賞するんじゃないかと思うほど、年間ベスト級の演技です。
主演の山田裕貴は――ひょっとしたら佐藤二朗よりも出演時間が短いのかもしれませんが――最大のハマり役でブレイクのきっかけとなった「東京リベンジャーズ」のドラケン役を彷彿させるほどに役がハマっていて、独特な存在感を放っていました。
この2人以外のキャストも見事で、「静」の取調室のシーンのやり取りや緊迫感は大きなスクリーンで一見の価値があります。
そして、その「静」から一転する「動」となる現場では、本物の火薬を使って爆発させた圧巻のシーンが多く、現場の警察官やエキストラに至るまで小道具も含めリアリティーに溢れていました。
似たような構造の作品に「ラストマイル」がありましたが、内容がより凝った面と演技合戦の応酬、本格的な爆発シーンなどのリアリティーから、私は本作の方を推します。ただ、「ラストマイル」が気にいった人には本作も同様に気にいると思います。
キャストとスタッフのただならぬこだわりを強く感じる、新たなサスペンス映画の名作です。
これは見るべき映画
新鮮
佐藤二朗さん演じるスズキが奇妙でとてもいい。
福田の作品ばっかり(別に嫌いとかそういう訳では無い)出てるからそれとのギャップがあるしアップのシーンの目の奥で何を考えているのか分からない口だけが動いてるシーンはとても好き。マイノリティであろうASD感ある演技とてもいいなと思った。人間誰しも思うであろうダークな部分を言っていて最近自分自身が考えていることとちょっと近いなと思った。
内容的にはたまにツッコミどころあるなと思ったところもある。ただまあそこは作り物だしいい所でまあ補えたなと思う。
楽しみ方はやはりどこが爆破されるのか予想する事かな。ただもうちょっと爆発するのかなとか物足りなさもある笑
あと一人では見ない方がいいかも笑
オチが…
原作未読で映画鑑賞。
予告見て面白そうだったので、期待大。
出演俳優陣が豪華で引き込まれました。
が途中出てくる女子高生暴行殺人事件や、現役刑事の不適切な行動事件など本編とは別の事件が出てくるが、サラッとしていてよく分からなかった。特に女子高生暴行殺人事件は、若手刑事が関わっている…?関わっているなら、なぜそれをスズキが知っていたのか…かなり疑問でした。
そしてオチが弱い…取り調べを山田裕貴に代わってから九つの尻尾ゲームをやるのかと思ったらやらないし、謎解き感も薄れるし、爆弾見つからないの…でモヤモヤして終わってしまったのが残念だった。
予告見て
駆け引きが色々あり、心理戦の所もあり、
とても面白かったです。
佐藤さんの演技が素晴らしい👏
色々伏線が貼られていて、真犯人へのたどり着きが、
少しあっさりしていた所が
少し?でした。
続きがある含み方の終わり方
それも良かったです。
爆弾は何処?気になる!
佐藤二郎の演技がすごい
佐藤二郎の役作りもすごかった。
ヒゲは特殊メイクなのかな?
佐藤二郎の話し方もすごくて、なんだか引き込まれる話し方でした。
爆発シーンはやっぱりすごくて、爆発するかもという緊張感がすごかった。
ただ長谷部なんとかって警察のスキャンダル(事件現場?でオナってた)は、文春とかが記事にして、奥さんの生活がぼろぼろになるのはよくわからんかった。
原作があるから仕方ないけど、変えれたら良かったのにな。
指を折るシーンは、痛そうだった。
後最後矢吹がめっちゃ高い焼肉奢ってっていたのもよくわからなかったし、後伊藤沙里は、伊藤沙里がすごかった
どの役してもよくわかるなぁ
最後の爆弾は……
劇場の私たち観客の誰か(の心)に届けられた、という解釈がより美しいでしょうか。
名前しかり、徹底してスズキタゴサクの背景を見せないところ、また「not創造主」という点から彼を1キャラクターとしてではなく「媒介」の象徴として理解・鑑賞をしてました。
※いろいろと違いはありますが象徴性という意味の本質として日本版ジョーカー(ダークナイト)と言って差し支えないかと。ヒース・レジャーにタメを張れるほどの佐藤二朗さんの怪演!
お話としてはもちろんなのですが、役者さんたちの演技も光る大変良作品として心に残りました。
配信されたら改めてまた観ます!二朗さんサイコー!🤩
どう決着するのかが読めないのは良い
私たちの心に潜んでいる"不発弾"
とある男が酒屋の店員に暴行し、自販機を壊した騒ぎを起こして警察署に運ばれた。
名前は「スズキタゴサク」
彼の容姿は何の変哲もない中年男性といったところで、一見おとなしい態度を見せるが、どこか無邪気にこちらに話しかけてくる。
警察官の等々力は、タゴサクに対して、被害に遭った酒屋に示談を持ちかけるも、どうやら手持ちの金もなさそうだ。
そんなタゴサクは賠償する代わりに警察に捜査協力を持ちかける。
「このあと、秋葉原で何かが起こりますよ」
不審に思う警官の等々力だったが、その直後、秋葉原内で爆弾が爆発する事件が発生。
タゴサクは自身に霊感能力があると告げ、他にも同様の事件がこのあと起きると予言する。果たして目の前の男は本物の能力者なのか?はたまた別に真犯人がいるのか・・・?
この映画の核心は、「タゴサク」という存在と、彼が仕掛ける「爆弾」というメタファーにあると思う。
まず、キーパーソンである「タゴサク」は、冒頭から既に捕まっている。にもかかわらず、彼は爆弾が仕掛けられている場所のヒントを出し、クイズ形式で捜査官たちを弄ぶ。
彼は、人の心に潜む「欲」を見抜くのが恐ろしく上手い。
例えば、伊勢捜査官の出世欲を瞬時に見抜き「手柄」をエサにする。清宮捜査員の心の内の憎悪を感じ取り、最終的に彼に「容疑者への暴行」という不祥事を起こさせる。人の「欲」を引きずり出し、その後に最悪の「結果」をもたらす。
人間自体が容器で、負の感情は「爆薬」として考えるなら「タゴサク」自身がその「火付け役」として立ち回る。
その姿は、まさに「妖怪」のようだ。爆発を予告する姿は「くだん(件)」であり、こちらの心を正確に読むところは「サトリ(覚)」でもある。
タゴサクの姿は坊主頭で地味な服に身を包み、おどおどしていて、なおかつ言葉使いは異常なほど丁寧語だ。会話の内容も、事件に関係のない話を盛り込んで長文で話す。会話の内容も姿も「特徴がない」のですぐに存在を忘れそうになる。
姿を隠してセリフだけ聞くと中性的で性別がわからないようにも感じるので、姿形が掴めない。印象に残らない。
のっぺらぼうのような外見とは裏腹に、彼の内面から発せられる「悪臭」は、我々が隠し持つ「心のすね」を刺激してくる。
思えば「タゴサク」という単語は「農民や田舎者を嘲って言う言葉」という意味だ。
劇中でも自分を過度に卑下したり見下すような言動を繰り返していたが、その名前を反対にして考えて見れば、東京という大都会の人間たちを自分の掌で踊らせて嘲笑っていたのかもしない。
一方で、映画で執拗に描かれる「爆弾」は、単なる物理的な脅威ではない。
それは、我々の「腹に一物」、つまり「妬み、憎しみ、嫉妬」といった、普段は理性のフタの下に隠している負の感情のメタファーでもあると感じる。
日々暮らしていると、世の中の無情さや理不尽さによって「不満」が蓄積し、それが時限爆弾のように変わっていく。
彼が爆弾を「無作為にばらまく」行為は、彼なりの歪んだ「平等性」の証明だったのかもしれない。
タゴサクは、登場人物、そして我々観客に「選別」を迫る。
爆弾(感情)を起爆させるか、踏みとどまれるか。それは「理性がある=人間」「理性がない=獣」という紙一重の境界線でもある。
劇中で「タゴサクを殺そうとする人たち」は、ギリギリのところで誰かに止められる。この「踏みとどまれるか否か」こそが、人間と獣を分ける決定的な違いとして示されている。
女性警官の倖田や警察署に集まる暴徒と化した人々、石川明日香は受け止めてくれる人はいるが、タゴサクにはいなかった。もしタゴサクの身近にそうした人がいたら今回の事件は起きなかったのではないか。
では、なぜ彼はこんなことをするのか?と考えたときに感じたのは、「何者でもない、何もない人間」が、「真犯人になることで何者かになれる」と信じたからなのかもしれない。
物語の途中、YouTubeに動画を残し、全世界に公開して人々を扇動したのも、歪んだ承認欲求の現れに見えた。
この映画は、「世の中はクソだ」と諦めたくなるような現実を突きつける。
だが同時に、「感情があるからこそ、誰かを守ったり、引き戻したりできる」という、わずかな「人間賛美」も描いている。現場で最後まで爆弾を探そうとしたり、一般市民を必死に引き留めようとする捜査員たちの懸命さなどがその一例だ。
タゴサクという「無」の存在を突きつけられた我々は、いかに世の中が残酷でも、「人間として踏みとどまれるか?」という重い問いを突きつけられる。
まさか邦画で
初投稿です
「セブン」や「ダークナイト」みたいなのができるとは思わなかった。(単に映画見てる本数が少ないだけだったり)
タナカ タゴサク=ジョーカーとは見る前には想像もつかなかったけど、あの見た目や人を小馬鹿にするような口調は充分タメ張れます。
あと最近見た映画に引っ掛けて一言
「最初の爆発が起きた時、既に勝負は決まっていたのかもしれない」
全772件中、1~20件目を表示
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詳細は遷移先をご確認ください。













