「🇧🇷ブラジル好き、ジャズ、ボサノヴァ好きには宝物のような映画」ボサノヴァ 撃たれたピアニスト minavoさんの映画レビュー(感想・評価)
🇧🇷ブラジル好き、ジャズ、ボサノヴァ好きには宝物のような映画
50年代のリオデジャネイロのカフェで突発的に発生し、世界のミュージックシーンに影響を与えたボサノヴァの創成期に活躍したジャズピアニスト、テノーリオがヴィニシウス(イパネマの娘の作詞家)のアルゼンチンツアーのピアニストとして帯同したある夜、行方不明になったという史実を、ニューヨーカーの音楽ライターが当時の関係者を取材して謎を追いかけるというお話。
音楽映画として完成度が高いため、歴史ミステリーとしては主題がもやもやしてもいいかなと思ってましたが、きっちり行方不明の原因や、なぜこのような悲劇が起こったかという背景まで描いています。(CIA=アメリカの通常営業。反共産のための軍事政権支援のため暗躍してた。ウクライナでマイダン革命起こしたのと同じことやってたということ)
実在したミュージシャンの話なので、当たり前ですがボサノヴァはもちろん、ジャズのレジェンドミュージシャンが関係者としてでまくります。
が!
これをアニメーションで見せてるところが、もう凄すぎてエンドロールで、え?って声がでるほど混乱し、思わずパンフレット購入。
なるほどガワはフィクション、中身はドキュメンタリー、そこをシームレスでみせるためのアニメなんですね。
よくある実写ドキュメンタリーだとインタビューの間の昔の映像とかは、あくまでイメージ的に挿入されたりしますが、ここを全てアニメでみせることで境界がなくなり話のリアリティが損なわれないという。こんな映像体験も初めてで驚愕、感動です。
ちょこっとだけ言うと、ジョビンがアニメでシェガジサウダージ(想いこがれて=ノーモアブルース)演奏したり、エラフィッツジェラルドがリオデジャネイロでボサノヴァと出会ってライブに飛び入りするシーンは最高でした。