「内容は「こども」向けではない。」不思議の国でアリスと Dive in Wonderland にしさんの映画レビュー(感想・評価)
内容は「こども」向けではない。
タイトルから想像するのは「不思議の国(ワンダーランド)でアリス達と冒険」といったような、雰囲気を感じますが、主人公の「りせ」が周りと同じようにやっているのに、就活はうまくいかず、周りの空気を気にして本心を言い出せない、何かと空回りな状態から物語はスタート。
そんな何をやっても上手くいかない日々を送っていた中、祖母との約束を果たす為、祖母が残した大好きだった「不思議の国(ワンダーランド)」を模した世界へと迷い込む。
(祖母は資産家で不思議の国が大好きでそれを模したパークみたいなものを作っていた。)
ワンダーランドに迷い込んだ際、りせの持っていたスマホが世界感に合わせて「りんご」の姿に変貌、それをワンダーランドにはない異物とした認識した白兎に奪われてしまい、取り返すために追いかけた所でアリスと出会う。
道中、まだこどもで思った事を何でもハッキリと言い、物おじしない性格もあってかワンダーランドを楽しむアリスと、周りとの衝突や空気を読んで本音を言い出すことができず、ワンダーランドに困惑するりせとの対比が描かれながらストーリーは進んでいきます。
途中、ハートの女王率いるトランプの兵士達と遭遇、女王が通るのだから「道をあけろ」と兵士に言われるが、なぜ道をあけないといけないのか。と噛みつくアリスと揉めたくないりせ、そこにハートの女王が現れる、ハートの女王には別の名「首切り」といった物騒な別の名があり、それに怯え怒らせまいとするりせとは裏腹に兵士と揉めるアリス、その結果女王に粗相を働いてしまったとして兵士の一人が首を切られます。
躊躇いなく首を切り飛ばされますが、本当に飛ぼされただけなのと、首を切り飛ばされるのは兵士たちにとっては「楽しみ」の一つであることの為、全然気にしてない様子の兵士達、むしろ羨ましがってました。
躊躇いなく首を切った女王に対し「ひどい」と言うりせに女王は「兵士は喜んでいるのにひどいとは?」という疑問を投げかけるも、それに上手く答えられないでいるりせ。
そこに白兎からの連絡もあり、場が揉めだした来たところをアリスの機転で逃げ出す事に成功。
行く先々でも、アリスとりせの対比が描かれており、都度「まっすぐすぎるアリス」と「場に合わせてどっちつかずなりせ」のやり取りが続き、終盤手前になって、やっとりせの感情が爆発「まわりと同じようにやってるのに上手くいかない事」「周りに合わせないといけない」と思い込んでしまっていること、等を一気に吐露していきます。
りせは「根が良すぎるだけの優しすぎるちょっと変わった女の子」で、子供の頃は「とかげ」が好きだったり、快活そうな女の子だったのが、いつからか自分の好きな物や感情に蓋をして「周りに合わせる」というスタイルになってしまっていた事に自分でも気づき、自分の感情に素直に、正面から向き合う覚悟を決めて、精神的な成長を果たしてワンダーランドから抜け出すことになります。
途中、まだまだ色々な展開はありますが、気になる方は劇場へ。
最初に書いたように「ワンダーランドをアリス達と一緒に冒険」といったテイストではなく「自分の好き」や「自分にとって大切なものとは」というのを、りせが自覚していくストーリーとなっています。
「現代」と「アリス」の世界を融合させた感じですが、世界感はアリス、内容は現代。といったものです。話的には小学生や未就学児ぐらいまではわかりにくいかと。
作品のイメージやCMからは「やさしい雰囲気」で子供向け。かと思いきや、内容は子供には難しく感じます。
キャラの可愛さ、世界感の綺麗さは良いです。
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