「楽園のゲルニカ・・・相反する感情に落胆」ペリリュー 楽園のゲルニカ The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
楽園のゲルニカ・・・相反する感情に落胆
南の島 パラオ島のひとつペリリュ-島
第二次世界大戦末期の激戦舞台として日本軍の最後が描かれている。
2015年の上皇上皇后によるペリリュー島へ慰霊訪問によって注目されて
この作品が作られる源流と成った模様。
先日「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」を拝見しました。
今年戦後80年、それを飾る思いで観に行った次第です。
この原作漫画は平塚 柾緒氏(日本戦史研究家)の協力及びこの現地戦闘で生き残った日本軍兵士(T氏、N氏)の影響が少なからず働いたと思われる。
実際の史実に基づいた原作部分については何ら言う事は無いし、
仮に指摘されている割愛された内容(人肉食、自決、残留)が在ったとしても
それは本作の主意を曲げるとは思わないです。
当然ながら感動もし、最後の命懸けの投降部分では涙もします。
しかし この3頭身キャラに違和感が最後まであります。
もしも、宇宙戦艦ヤマト 松本零士風なキャラだったら。
もしも、ガンダム 富野由悠季風なキャラだったら。
もしも、エヴァンゲリオン 庵野秀明風なキャラだったら。
もしも、宮崎駿風、吾峠呼世晴風だったら。
どういう感情を抱いたか。それを考えてしまいます。
なんで? このキャラなのか。優しいから?分かりやすいから?
この戦争悲劇を表すのに 漫画アニメは良いとしても、このキャラがどうしても心に引っかかります。
それは 目です。目の描き方が全く良くなくて、私的には受け付けません。
主人公田丸の眼鏡の中の目ですね。これがダメだと感じます。
ギャグっぽい。それを感じてしまいこの戦争物語には相応しいと思えないです。
そこが 凄く惜しいと感じるところ。
正直な評価は、話スジ4点、背景3点、キャラ1点な思いです。
生き残った日本軍兵士N氏の言われた
「漫画だろうと小説だろうと何でも、戦争に関する創作物は好きではない、戦争を体験していないあなたがなぜ戦争を描けるのか。漫画というのは軽いと思う」
私もこの言葉を支持したい思いです。
人をそんな簡単に殺せないし、もし殺したとしても凄く精神を病むと思うのです。
それが戦争で在ったとしてもです。
なぜなら それが人と言う存在だと思うからです。
この作品をみて理解できるとか、子供が見て分かるとか、
本当にそう思われますか? 薦められますか?
戦争の本質の1000分の一ですら伝わっていないと私は感じました。
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