「広く多くの人への伝承として─」ペリリュー 楽園のゲルニカ SHさんの映画レビュー(感想・評価)
広く多くの人への伝承として─
しっかりとしたアニメーション、優しい絵柄のキャラクター、悲惨で過酷な歴史的事実─この作品が未来を生きていく人たちにも届いていくことを願います。
とはいえ、どんなに質が良くても内容はつらいもので決して面白いものではありません。しかも何となくこの歴史的事実を知っていただけに、その上でこの作品を見ると、なかなか心に刺さるような真実味は感じることができなくて、少し引いた目で観賞していたという印象です。やはりドキュメンタリーのようなものが強烈に思えるのですけど、積極的に観賞しようという点でいうと、このような比較的親しみやすいアニメという形式はかなり有効だと思えました。
生き抜くこととは─、絶対的信念が招く危うさ─、なんていうものを感じましたが、設定とか事実関係なんかにもモヤモヤするものを感じて、観賞の後にいろいろと調べてみると興味深い事柄を知ることができたので、きっかけとしても悪くはない作品だったかなと─。
「戦争に関する創作物はすべて嫌いだ」─ペリリューの戦いを生き抜いた方のお言葉。どんなものよりも刺さるのですけど、伝えていかねばならないものもあると思うわけで、経験者の拒絶反応を内包しつつ創作していく志は大切に受け止めたいものだと、まじまじと思った次第です。
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