「太平洋戦争の惨禍を描いた良作です。」ペリリュー 楽園のゲルニカ 天空住人さんの映画レビュー(感想・評価)
太平洋戦争の惨禍を描いた良作です。
戦後80年の2025年は7月~9月にかけて多くの戦争関連の日本映画が上映されました(「木の上の軍隊」「雪風」「長崎ー閃光の影でー」「黒川の女たち」など)が、太平洋戦争の開戦になる12月期に本作「ペリリュー楽園のゲルニカ」が上映されましたが、戦争の惨禍を伝える良作だと思いました。
・日本軍1万人が守るペリリュー島にアメリカ兵4万が上陸、激しい戦闘となり、飛び交う銃撃、銃剣での刺し合い、投げ込まれる手榴弾など、実写だと生生しい場面がアニメだと幾分緩和されて(メルヘンぽくなる感じと言えばよいか?)、子供でも観られる内容になっています。
・この映画での登場人物のメインは、戦争の功績係担当の「田丸」(声:板垣李光人)、上官の「吉敷」(声:中村倫也)だが、二人の戦場下での友情物語になっており、それを取り巻く様々なキャラクターの軍人たちが登場して、複雑な軍隊組織のあり様をうまく物語化しているように思いました。
・日本軍の反撃(応援)を待ちつつ、持久戦に持ち込み、米軍基地に忍び込み食料などの物資を調達することや、日本敗戦を受け入れず、投降を拒み続ける日本軍の様子については、竹野内豊主演の映画「太平洋の奇跡」でも描かれていますが、こちらの映画も実話ベースの原作を映画化したもので、当時の「生きて虜囚の辱めを受けるなかれ」という言葉の重さを感じさせました。
・エンディングで流れる「上白石萌音」の歌声は、死者を悼むような清さがあり、大変良かったと思います。
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