「一週間早く負けていれば」長崎 閃光の影で uzさんの映画レビュー(感想・評価)
一週間早く負けていれば
導入でメイン3人がいいコだと伝わったこともあり、ひたすら辛い作品だった。
重さはしっかり伝わるが、“映画”としては…
原爆投下後から、ずっと悲惨な救護所の様子が続く。
救えた描写はほぼなく、零れ落ちる命を主人公たちと共に無力に眺めさせられる。
医者どころか、正式な看護婦ですらない彼女たちに出来ることは少ない。
いや、医者ですら出来ることなどほとんど無かった。
アツ子が黒焦げになった家族を見つけた時の心情はいかばかりか…
(鼻水や涎まで垂れ流す小野花梨の泣き顔が素晴らしい)
ただ、物語としての展開が皆無のため映画としては残念ながら退屈。
仕方ないとはいえ、看護師や市民がそれぞれ同じような格好をしているため区別がつけづらい。
メインどころは方言が微妙なところ以外はいい芝居をしていたが、モブがちょっとヒドかった。
“閃光”の直後に1人残らず大人しかったり、列車に乗ろうとする様子に必至さゼロだったり。
「お母ちゃん、水」botの子供は何故あそこまで執拗に繰り返させたのか理解に苦しむ。
メインが3人というのが多いとは思わないが、背景や心情が描ききれてるとも言えない。
他にも色々つまむなら、主役は看護学生ひとりにして、医者や看護婦長、妊婦など掘り下げてほしかった。
ミサヲの死がアッサリな割にエピローグも冗長かな。
唯一救えた空広くんのくだりはベタながら嫌いじゃない。
戦争の悲惨さを伝えるという意味ではしっかりとしたつくりになっていたとも思う。
母を探す兄弟の敬礼、特に最初の弟を背負った状態でのそれはなかなか見事。
でも映画としては(派手さやエンタメ性という意味でなく)もう一捻りほしかったです。
何より、不謹慎ながら看護婦長がちょっとエロ過ぎて集中できなかったので、そこもどうにかしてほしい。
コメントありがとうございます。
作品の本題とかけ離れた所で話せるのは幸せ(平和ボケ?)かもしれません。
水崎綾女さんの武器をもぎ取っちゃいけません、隠しようが無いので。