「繰り返してはならないこと」長崎 閃光の影で 豆之介さんの映画レビュー(感想・評価)
繰り返してはならないこと
地球を滅亡させるのに太陽の赤色巨星化は必要ない。たった今、持っている国々が撃ち合えばいい。その一つが落ちたらどうなったかを描いた後世に残さなければならない映画だ。
今一緒にいる家族が一瞬で真っ黒になる? 想像の域を超えている。でもそれは起こった。三人の少女を始めとする医療従事者達は訳の分からぬままその地獄で働くことになる。歌いながら教会に向かう一団は決してあのような「綺麗な」姿ではなかっただろう。そしてこの映画には当時あった闇も出てくる。エンドロールに大切な文章が流れているが。
焼き場で背中に弟を背負った少年が順番を待つ。世界的に有名な写真から作られたシーンだろう。
あの少年は「あきひろ」君という名前との噂がある。その名を受けたと思われる空広君の何と愛らしいことか。この子が成長して生活して無事一生を終えるまで悲劇を繰り返さないこと。二度とあの雲を立ち上らせないこと。人類は分かっているはずだ。
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