「韓国版甲斐君」ベテラン 凶悪犯罪捜査班 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
韓国版甲斐君
「ソウルの春」で全斗煥を模した”チョン・ドゥグァン”役を演じて唸らせてくれたファン・ジョンミンが刑事役で登場する作品でした。韓国の刑事物というと、マ・ドンソクの「犯罪都市」が頭に浮かびましたが、マ・ドンソクが心身ともにマッチョ系を演じていたのとは違い、ファン・ジョンミンは体格こそ普通の人でしたが、行動様式は破天荒そのものでした。そういう意味で、典型的な韓国の刑事物と言える作品でした。
ストーリーはいかにも現代風で、警察や検察、裁判で微罪になった犯罪者や外国人女性に対する憎悪を煽るYouTuberが登場し、それに呼応するように「ヘチ」とあだ名される連続殺人犯が現れて”天誅”を下していく。そしてファン・ジョンミン扮する主人公ソ・ドチョルをはじめとする凶悪犯罪捜査班が犯人を追及して行きますが、そこで登場するのが”UFC刑事”として有名なパク・ソヌ刑事(チョン・ヘイン)。格闘技に秀でたパクは、ソの片腕として捜査に当たりますが、当初からどうも動きがおかしい。結果、彼こそが「ヘチ」そのものであり、最後はソvsパクの対決になって行くというお話でした。
イケメンの若い刑事が非合法に”天誅”を下すというと、ドラマ「相棒」の甲斐亨(成宮寛貴)そのもので、ダーク系のパーカーを着て”天誅”を下していく時の雰囲気も似通っていて、国籍を問わず刑事物にありがちなプロットなんだなと思ったところでした。
因みにパクの得意技は三角締めで、この必殺技で1人をヤっちゃっていて、ソとの対決でも繰り出しました。しかしソvsパクの最後はカーチェイスでソに軍配。出来ればソに三角締め返しをやってパクを倒して欲しかったなとも思いました。
あと、ラストで移送中のパクが脱走したとの報があり、そのままエンディングとなり、次回作へのシグナルが鳴ったのは、流石にズッコケました。3作目を創るのは良いとして、パクをまだ引っ張るんかい!
そんな訳で、本作の評価は★3.4とします。
