「「踊る大捜査線」風味な警察ドラマ」ベテラン 凶悪犯罪捜査班 Lovinaさんの映画レビュー(感想・評価)
「踊る大捜査線」風味な警察ドラマ
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「踊る大捜査線」風味な警察ドラマ。警察内部の葛藤、雲を掴むような事件、社会問題。これらに加えて刑事の家庭問題も絡ませた、ベテラン年代の“中年の危機”的要素もある。コメディリリーフが随所にあるのも良かった。
主人公のドチョル刑事の人柄が魅力的で、その人柄のせいでサイコパスな犯人に妙に懐かれる羽目になるし、逆に懐かれた犯人に息子の問題を(多分?)解決してもらったりもする。その慧眼で、新人刑事くんを可愛がる反面、割と初めの方から怪しんでいるところも印象的。
初めから犯人が分かっている倒叙ミステリーにしていいのかなと最初は疑問に思っていたが、犯人当て要素よりも人間ドラマの部分を強く描きたいのだろうから満足。むしろ、細かい所作で犯人としての新人刑事くんの心情がよく伝わってきて良い演技だった。ドチョル刑事がやたら物騒な言葉を使うと薄ら嬉しそうにしていたり、攻撃中に狂気的に笑っていたり。
トータルでは満足感やカタルシスが強い良い映画だった。しかひ欲を言うと、犯人逮捕の展開にはもう一捻り欲しかった。盗聴されてることを逆手にとって罠にかけるとか。冤罪だった結婚詐欺の人を救えたという結末も微妙。本当に悪人なチョンみたいなやつの殺害を防いでこそ、「殺人に良いも悪いもない」という言葉が真実になると思うから。
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