ベテラン 凶悪犯罪捜査班のレビュー・感想・評価
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敵役の判明は遅らせたほうがよかった
冒頭の闇賭博現場の摘発では、2015年公開の前作「ベテラン」から変わらない笑い満載の追いつ追われつのドタバタと格闘の快調な活劇で、そうそうこの感じ!と懐かしく嬉しくなる。ただし韓国語のタイトルが表示されてからムードは暗転し、法で裁かれない悪人を制裁する連続殺人犯と、法にのっとって捜査し犯人を追う主人公らチームとの対決へと進んでいく。
主人公のベテラン刑事ソ・ドチョルを演じるファン・ジョンミンは、韓国で主演映画の累計観客動員数が1億人を超え、ソン・ガンホ、ハ・ジョンウとともに“1億人俳優”と呼ばれるトップスター。40代前半で撮影に臨んだ前作ではジャッキー・チェンを思わせる曲芸のような格闘アクションも披露したが、続編では50代前半になり、さすがに難易度の高いアクションシーンは減った。それを補うように、チームに加わる若手刑事パク・ソヌ役のチョン・ヘイン(1988年生まれ、撮影時は30代半ば)がパルクール風の離れ業を含むスピーディーなアクションでたっぷり魅せる。
リュ・スンワン監督は前作同様脚本も手がけた(第2作は共同脚本としてイ・ウォンジェもクレジットされている)。「ベテラン」では財閥グループ企業のオフィスビル内で起きた下請けのトラック運転手の“自殺未遂”をめぐる謎が、ストーリーを牽引する重要な要素になっていた。だがこの続編では、タイトル表示後に描かれる最初の殺人で敵役の顔を映し、以降は連続殺人犯の手の内と、追う捜査班側の両方を並行して観客に見せる、いわば神の視点から俯瞰させることにより、謎解きサスペンスの妙味は減ってしまった。もしも序盤で敵役の正体を明かさず、適宜伏線を張る程度にとどめておき、ソ・ドチョル刑事が気づく段階で観客にも明示する脚本だったなら、主人公が受ける衝撃も共有できたはずなのに、と惜しまれる。
ともあれ、ポストクレジットシーンで示唆されているように、第3作の製作も既定路線のようだ。楽しみに待ちたい。
熱血刑事 善悪葛藤編
韓国警察の特殊強力事件を担当する広域捜査隊に所属する熱血刑事の奮闘を描いた刑事アクション。
10年ぶりに作られた続編。前作と併せて一気見。
前作が期待通りの面白さだったので、続編も勿論期待!
“凶悪犯罪捜査班”なんてサブタイトル付けられているから、あちらの豪腕刑事のように部署異動(とメンバーチェンジ)かなと思ったが、ご安心を。ちゃんと同じ広域捜査隊で同じメンバー。オ・チーム長やミス・ボンも続投。10歳年取ったけど。
我らが熱血ドチョル刑事も10歳年取ったけど、漲る正義感は変わらず。
開幕、チームと一仕事終え、今回対するのは…
巷で法で裁かれない罪人を標的した事件が続発。
残虐な殺人事件だが、法の目をすり抜けてノウノウと生きる罪人たちへの怒り、誰の為か分からない司法制度への不満から世論やマスコミは犯人を英雄視。善悪の象徴である伝説上の生き物“ヘチ”になぞらえて呼んでいた。
そんな折、ドチョルたちに出動命令。新たな標的の身辺警護。ドチョルたちと因縁ある人物。
あのテオ事件の際、被害者であるトラック運転手の直属の上司の運送会社所長。出所後すぐトラブルで妊婦を殺し、ショックで遺族は自殺。が、殺意は認められずという判決で早々と出所。ドチョルたちも疑問や不満を抱えつつ、警護に当たる。
移動の際、暴徒と化した群衆で大混乱。ヘチと思われる人物が接近。交番勤務の若い警官ソヌが未然に防ぐ。
テオ事件でドチョルに憧れるソヌをチームに引き抜き、新たな標的を狙うヘチに立ち向かうが…。
どうした、ドチョル?! 捜査に身が入らない。
息子が学校でトラブルを。いじめ被害者なのだが、兼ねてから喧嘩など問題多く、加害者のように責められる。無論、父子関係は…。
学校に呼び出し中も仕事の電話が掛かり、家族は呆れ。
家族の問題に捜査にさすがのドチョルも心身へとへと。が、決して捜査は疎かにしない。
世論やSNSはヘチを英雄視するが、殺人は殺人。
が、所長や罪人など守りたくないという本音も。
葛藤しながら法の番人として職務に当たるドチョルたち。
若いソヌは奮闘するが、少々暴走しがち。容疑者を重体にも…。
ドチョルたちの捜査を嘲笑うかのように、捕まえたヘチは偽者。追っている最中に所長は本物によって殺され…。
新たな標的として、SNS発信者、外国人女性、そしてドチョルの息子がヘチに捕まってしまう…。
ヘチの正体は…?
ドチョルは息子たちを救出出来るか…?
遊園地内のパルクールを駆使した追跡、どしゃ降りの格闘、ソヌの足技、クライマックスのドチョルとヘチの決闘…。アクションは今回もふんだんに。
善悪について考えさせられ、世論やSNSなども風刺。
今回も充分面白かった。が、ちと前作には及ばなかったかなと。
前作の分かり易い勧善懲悪ストーリーやテンポの良さに対し、ちょっとシリアスになりテンポも落ちた。
息子の問題をドチョル自身が解決するのかと思ったら、事に当たったのは意外な人物。それでヘチに狙われ…。ラストシーンで家族関係解消も唐突。
捜査劇として致命的だったのは、ヘチの正体が察し付いてしまった事。ズバリ、ソヌ。
動機は罪人や不条理な司法に対しての私刑なんだろうが、今一つそこら辺よく描かれておらず。
何よりソヌが最初からサイコパスにしか見えん…。
ソヌの手中にハマり、息子を含む人質3人の命を天秤に取らされる。
そのピンチに駆け付けるは、やはり頼れるチーム。ここは良かったね。
罪人や不条理な司法に怒りを抱くのは分かる。
ドチョルも警察の人間でありながら毒を吐くが、そこで実際に手を下すか否かの違い。
端から分かっているのだ。罪人や不条理な司法にうんざりさせられるけど、実際に手を下したら、警察以前に人として間違っていると。
何はともあれ、事件解決。
疲れた…と、ぐったりのドチョル。
今回もお疲れッした~!
…と思っていたら、
ED後でまさかの展開!
次作への伏線か…?
何ならいっそ、あちらの豪腕刑事と共同捜査望ム!
楽しめました
やっぱりクォン・ヘヒョがいい
未だにクォン・ヘヒョの名前が覚えられず、『冬のソナタ』のキム次長と覚えています。エンドロール後にも登場しましたが、土下座する彼が似合っていてうれしくなる。韓国映画の醍醐味は主役級のイケメン俳優ではなく、バイプレーヤーの活躍だと思ってます!今回は正義部長として嫌味なユーチューバーを演じたシン・スンファンがなかなかいい。
正義とは何か?といったテーマに対して刑事対悪人の構図に加えて、ヘチという私刑を行う殺人鬼やユーチューバーを通して考えさせられる。前作での犯人テオも懲役20年のはずなのに執行猶予がついたとか。またその傘下にある運送会社所長もストーリーに絡んできて、司法に対する憤りもプラスされている。
『デスノート』のキラもそうだったけど、世間が思うほどの刑が下されなかった場合、やはり誰かが私刑を下すのが喜ばれるのだろうか。真犯人が判明し、対峙したソ・ドチョル刑事(ファン・ジョンミン)が責め立てるが、暴力刑事と言われるほどの過去の言動を思い起こされると手が止まってしまう。ただ、息子に対しては殺す意図が無かったような気もしたが・・・
前作から7年も経っているのに、上手く繋げたな~と感心したけど、ちょっとパワーダウンしたような気もする。やっぱりチームのまとまりの良さは素敵でした。個人的にはお笑い担当でもある(?)リーダーのオ・ダルス兄貴とミス・ボンが好き。
もっと凝った展開を希望
❇️『兄貴の無駄遣い感あり!チーム感も無し』
ベテランII
🇰🇷韓国のソウル
❇️『チーム力がイマイチ伝わらないし、兄貴の無駄遣い感あり!』
㊙️どんな話なの❓
『悪事を働く人を成敗する模倣犯が現れ、世間が注目。事件を解決する為、チームが奮闘する。犯人は誰なのか?』
◉64点。
★彡今回はいろんな事盛り込みすぎで閑散としていたし、チーム感も現象。そしてキャラが活かされていない感じがしました。次回に乞うご期待したい。
🟢感想。
1️⃣『閑散としたストーリーで残念感』
★彡ストーリーが浅く、キャラの演出が弱い。
2️⃣『ネット問題に警鐘?』
★彡安易だし、なんかやや古臭い感じがしました。
3️⃣『兄貴ならもっといい演技出来るのに!
褒めてます。脚本が甘いな😉』
4️⃣『街の雰囲気や街並みが良かった』
★彡危険な路地やドラッグの街などあるんですかね?
👮🏻♂️🌧️🍜🎤🚓🚨🏙️📱🖥️📡
主役が弱い?
前作を見てなくても大丈夫!
悪くはないけど、軽くて、シリアス感に欠ける
疲れるベテラン…
出だしはチームワーク、笑いもあってテンポ良かったが。結局パク・ソヌは何でそんなに行き過ぎた正義を振りかざすのか、また息子はそんなに虐められるのか、その辺りの説明や描写が無く、テンポも悪く失速してしまった感がある。続編がありそうなラストだったけど、ベテラン達は疲れてて、テンポの良くなることを期待したい。
ストレスが上回る
前作よりサスペンス要素が多く、それなりにスリルはあったと思う。
とはいえ真犯人は序盤からバレバレだし、そこからどういう展開になるかと期待したのだが、面白さよりストレスのほうが上回った。
まず、なぜ前作で捕まえたはずのチョン所長を、より胸糞悪い「妊婦・胎児殺し」として再登場させたのか。
観客に正義部長の視聴者と同様の処罰感情を植え付ける役割だと思うが、今作オリジナルのキャラで十分だったと思う。
事件の真相に関わる訳でもなく、ただクズのまま殺され、ホラーでも無いのに眼を見開いた遺体写真を映すのも不快でしか無い。
前作のラスボスであるチョ・テセが執行猶予になったという情報もいらない。(3作目に再登場するフラグかもしれないが、そんな小ネタいらん)
ただでさえスカッとしない終わり方だったのに、あの苦労は一体何だったのか?
祭りでのパルクール?や階段落ちなどはとても迫力があったのだが
アクションシーンは基本的に主役やチームに見せ場がなく、真犯人パク・ソヌの独壇場である。
男同士のラストバトルが金的攻撃で決着がつく作品ってのも初めてみた。
とにかく、せっかくのファン・ジョンミンが前作同様に熱血なだけで「ベテラン」らしい有能さがほとんど見られないのが残念。
頭使ったのは偽ヘチに気づいて正義部長にカマかけた所くらい。
他の警察官が揃いも揃って無能なのでマシにみえるが、終始パク・ソヌに翻弄されており、こっちが主役かと思ってしまう。
今作はSNS社会における正義とは何か的な問いかけがされてるのかと思ったが、それに対するドチョル刑事の葛藤や答えのようなものはほとんど表現されていない。
クライマックスの究極の選択を迫られるシーンも、ただ仲間が駆けつけて窮地を脱出するという展開は安物のアクション映画である。
あと、犯行の動機が分からんのでサスペンスとして腑に落ちないのですが、劇中で語られてたでしょうか?見落としてるかな?
妻や息子との対話を怠り続け、あげく無実の未亡人も巻き込んだのにラーメン食いながら「父さんは考えが浅かった」って締め方も、それ自体が浅くないだろうか・・・。
シリーズ2作、ほぼ通しでみた感想は悪役のほうが輝いており、ファン・ジョンミンを活かし切れていないなあというものでした。
便利さの代償
インターネット便利さの代償に私達は、悪魔の道具を手に入れてしまったのかもしれない。目に見えないバーチャルな世界のやり取りが、リアルな世界に紛れ込んでくる。どこまでが虚構で、どこからか真実なのか、もはやわからなくなってしまった。
嫌な時代になったなと、つくづく感じてしまう。
私人逮捕系youtuberとか。
法の裁きの行き届かぬところを義賊の如く殺戮を繰り返す犯人。
見ている方は、怒りの気分が収まるんでしょうが。
なんといっても危ない、現代のネット社会を嫌というほど見せてくれます。
リアルな世界と違う、もう一つの世界が存在する現代。
お茶の間にいて、あるいは安全な場所にいて、殺人の現場からの生中継をみる異常さ。
殺人現場で、その様子を、ただ黙々と写すスマホの群れ。
いつからこんな世の中になってしまったんだろう。
気がついたら、便利だけど窮屈な時代になってしまった。
そんな気分を嫌というほど味あわせてくれる作品。
それだけ、出来がいいんだろうな。
韓国映画の底力に脱帽。
本当は、発信なんてしないほうがいい。
こうやってブログを書いていながら、矛盾した意見ですが。
この危険な世の中では、そのほうが安全。
あくまでも、情報を得るためと連絡手段としてのみというのがいいのだろうと。
それでも、向こうからいろんな災いが襲いかかってくる時代。
万全とはいえないまでも、危険を減らすためにはそのほうがいい。
情報を得ると言っても、あらゆる情報が錯綜して。
あるいは、捏造や悪意の流布。
テレビとて、もはや世の動きを正確には伝えれない時代。
なんだろう、こんなはずではなかった。
そんな、混迷深まる時代をここまで身近に感じさせてくれる『ベテラン』
あまりにもリアルに迫ってきたからか。
映画を見た晩は、嫌な夢を立て続けに見てしまった。
悪夢にうなされる映画。
よくできている。
兄貴の拳が一番堅い
◉笑わせた後に現場写真
メンバー5人がタップを踏みながら歩き出すシーンの後に、捜査本部で目を背けたくなる遺体写真が大写しになる。おふざけと現場写真を平然と繰り返すと言う、エグ味の強い筋書き。この調子で、はみ出し刑事チームと連続殺人犯の対決が展開していく。
◉ドチョル刑事の真情
連続殺人犯であるヘチは、罪状に見合った報いを受けず、軽い罪で逃げ延びている犯人に正義の斧を振り下ろす。仕事人シリーズと重なるし、八丁堀が裁けない奴らを始末する「十手無用 九丁堀」である。古い。
だがしかし、根底に如何なる正義感があろうとも、シリアルキラーである以上、己の満足心が先行した結果に過ぎないと見なして、ドチョル刑事は命懸けで追う。
更に許し難いものは、「正義」をもてはやし次のターゲットまで要求する世情と、煽るネット民だ。ドチョルはもう、見境いなく怒る。おまけに俺の息子を虐める奴まで現れて!
アクションが打撃・蹴り技・関節技がぶつかって逃げ場のない大迫力であるのに対して、主演デカがひたすら真っ当に突き進むのみ。しかしドチョル(ファン・ジョンミン)の紅潮した生真面目な顔に魅力があり過ぎて、引き込まれました。
◉犯人の隠し方
登場した瞬間、パク・ソヌ(チョン・ヘイン)は間違いなく怪しいことに気づくのだが、ヘチの影武者から協力者や模倣犯まで現れる。金目当てのユーチューバー「正義部長」までも協力者候補になって、クライムサスペンスの綾の作り方が上手過ぎる。
パクがトイレに何かを隠して、親子3人を殺害した犯人がそれを使って脱走、更に犯人の所在の情報をパクが握っていたと分かっても、私はパクはあくまでヘチの協力者と騙されていました。
何度も命を失いかけた父が、虐めの地獄から生還した息子と、延びたカップ麺を啜る。ラストは本当に気持ち良い脱力感。
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