「仕掛けが沢山で最後まで見飽きない映画」遠井さんは青春したい!「バカとスマホとロマンスと」 おちゃきさんの映画レビュー(感想・評価)
仕掛けが沢山で最後まで見飽きない映画
昨年の12月に出版された、小説『遠井さんは青春したい!-って言ったら青春ロマンス部のツッコミ役にされたんだけど何この学園コメディ-』が元となった作品。
映画館全体、そしてスクリーン全体をフルに活用した映像作品で、想像していたより何倍も楽しむことができた。
遠井さんシリーズと言えば象徴的なのは乙女ゲーム風の吹き出しと平面のイラストで表現されたキャラクターたちであるが、本作はアニメーションだけではなくそういった普段の遠井さんシリーズの要素も盛り込まれており、原作ファンとしてはとても嬉しかった。
珍回答シリーズやクッパシリーズなど、遠井さんシリーズのファンであればあるほど楽しむことのできる小ネタも沢山ある。
勿論、遠井さんシリーズを全く知らない人でも置いてけぼりにされることなく最後まで楽しむことができる。
冒頭の映像もジェルさんが作られたとのことで、製作総指揮としてだけではなく、クリエイターのひとりとして参加するほどの作品への熱量を感じ、とても感動した。
更にこの作品には、映画を鑑賞しているこちら側にもキャラクターたちが呼び掛けてくるシーンがある。
普通の映画では味わうことのできない体験をすることができるので、是非劇場で確かめてもらいたい。
個人的にはこのシーンで使われているSEにもこだわりを感じ、そういった点も含めとてもお気に入りのシーンである。
私たちは作品を見にきた観客のひとりであるが、メタ要素ありな本作品においては観客もひとつの登場人物なのではないかという錯覚さえしてしまうほどこちらを巻き込んで楽しんでもらおうというジェルさんのエンターテイナー心が感じられた。
更に、エンドロールにまでこだわりが溢れていた。
最後の最後まで遠井さんシリーズらしさをとことん追求した、ジェルさんの自身の作品に対する愛をとても感じられる作品だった。
また、本作品は笑いだけが主ではない。
後半はインターネット社会を生きる全ての人に
是非とも観ていただきたい内容になっている。
この内容を鮮明な解像度で描くことができるのも、インターネットで9年間活動を続けてきたジェルさんだからこそだと思った。
本作品は若い世代だけではなく、現代を生きる全ての世代が観るべきであろう。
何故なら、インターネットを利用してこういったことを平気でする人たちが必ずしも若い世代だとは限らないからである。
この作品を通じて、今一度自分の言動(主にインターネットでの)を見直し、改心する人がひとりでも多くいることを願っています。
優しい世の中になりますように。
拙い文章、失礼しました。
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