巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯
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題名に覚えがあると思ったら、春の映画祭の参加作品の一つで、時間が合わなくて観ることができなかった作品だった。チラシでは、主人公が BC 級戦犯として絞首刑の宣告を受けることになっていたのだが、実際に観ていてその後の展開がよくわからなくなって、気がついたら、日記を書き続けて、他の人々の遺書の編集に取り組んで日記の記録が疎かになり、巣鴨プリズンの解散を迎え、故郷に帰り、家族と暮らして、天神の一等地でグリーティングカード店を営み、戦争の加害者として反省を忘れず、留学生の面倒もよく看て、60代で亡くなった、という話になっていき、絞首刑が執行されなかった事情がわからなかった。
舞台挨拶で、本作にも出演していた三男が、主人公とよく似ている、と自ら語られた。監督は、BC 級戦犯の取材対象者がなかなか応じてもらえないなかで、本作の主人公は、文房具店を営んでいるということもあって、記録がよく残っていて、日記や写真だけでなく、自ら出演した RKB テレビ映像も、RKB にさえ残っていないのに、自宅でビデオテープレコーダーを買って録画してもらっていたので、家族からの提供で本作に加えることができたという。
事後に質疑呼応等の時間がなく、「とうじ」という記憶のある文具店があった場所に向かい、念のためにネットで検索したら、その場所が移転していたことがわかり、店で買う商品を選んでレジで若い店員に映画のことを訊いてみたが、その店員は知らなかった。再度ネットで検索し、店の歴史の記述を確認すると、本作の主人公の名が明記されていたので、訊く相手を選ぶべきだったと思い、また別の機会に訊いてみたいと思った。