「ひたむきに愛を求めた一人の女性の物語。凄く良かったです。」ロザリー snowwhiteさんの映画レビュー(感想・評価)
ひたむきに愛を求めた一人の女性の物語。凄く良かったです。
試写会にて一足先に見せて頂きました。
すごく良かったです!何より主人公ロザリーが魅力的。夫役のブノワ・マジメルは流石名優、繊細な演技でした。
多毛症で髭の生えた実在の女性の自叙伝を元に作られたと聞いて差別や偏見と闘う映画かなと思いましたが、これは一生懸命に愛を得ようとした一人の女性の物語であり、夫婦の素敵なラブストーリーでしたね。
生まれつき多毛症のロザリー。父と二人で隠れるようにして生きてきたが田舎町のカフェ店主アベルと結婚することになる。ロザリーは髭を剃り病気を隠したまま結婚。一方アベルは借金まみれで持参金目当てでロザリーと結婚。ロザリーの秘密は初めての夜にばれ、アベルはロザリーを拒絶する。
一方のアベルの秘密もしばらくしてロザリーは知ることとなりカフェに客を呼ぶため自分の髭を利用することを思いつく。夫は反対するがこのままでは住む家も無くなると決行。意外なことに髭のロザリーは村人に受け入れられ店は大繁盛、ロザリーに友達もできる。ロザリーが明るく自然なのが素敵だ。
アベルは徐々にロザリーの純粋で真摯な愛に次第に魅かれて行ったが依然として彼女を受け入れられないでいた。ロザリーは拒絶されたままで辛い思いをしているが、一方で生まれて初めて髭を隠す必要もなくなり本当の自由を得たロザリーは幸せも感じていた。
2人は順調に借金を返済したがそれを気に食わないものがいた。借金の形に店を取り上げるつもりでいた領主である。差別的な態度と言葉をロザリーに浴びせ、ロザリーが男だというデマを流す。デマは次第に村人に変化を与え皆がロザリーを避けるようになる。孤立するロザリーをこれまで彼女を拒絶してきたアベルがかばう。二人の愛の行方は如何に……?ロザリーは愛を幸せを掴めるのか?
この映画の本質は差別や偏見と闘う話ではない。切ないまでに愛を得ようとした一人の女性の物話であり、夫婦の愛の物語である。すごく良い映画でした。二人のお互いを思いあう姿が素敵でした。名優ブノワ・マジメルの繊細にして重厚な演技は見事でした。ロザリーはとても魅力的に演じられていて村人に受け入れられたことに違和感が無くとても素敵でした。