岸辺露伴は動かない 懺悔室のレビュー・感想・評価
全240件中、1~20件目を表示
ベネチアロケは効いていた
よく練られたストーリーに特異なキャラクターに風光明媚なベネチアロケで見ごたえある作品だった。広角のショットが多いのは、ベネチアの風景を見せたいだけじゃなく、広角のゆがみが、この奇妙な物語に合うと判断したからか。単純に路地が狭いというのもありそうだが。
幸せになると不幸になる、幸運と不運は紙一重のものとして描くその逆説が面白い。実際、一番辛いことは得ていた幸せを手放す瞬間であって最初から持たざる人は、その突き落とされる絶望すら味わうことはない。「幸せに襲われる」という発想が本作の核となっていて、これを思いついたのが素晴らしい。その核を損なわずに後半は原作にないオリジナルストーリーが展開するが、非常に良かった。
岸部露伴のマンガに対する情熱も幸運が訪れる程度では満足できないというのも描かれていて良い。
今時の娯楽映画としては珍しく、ゆっくりじっくり物語を描いているのも良かった。詰め込んで矢継ぎ早に展開する作品とは一線を画して、余白や間も大事にする作りになっていたのも好感。
「実写化不可能」な伝説的漫画を「全編イタリア・ベネチアロケ」で完璧に実写化。初心者にも優しい現時点での最高傑作!
作画のエッジが効きすぎるなど「実写化不可能」とまで言われた伝説的漫画「ジョジョの奇妙な冒険」。その中に登場する漫画家・岸辺露伴を主人公としたスピンオフシリーズ「岸辺露伴は動かない」の実写映画化第2弾が本作です。
主人公の岸辺露伴役の、まるで漫画から飛び出したかのような高橋一生を筆頭に、本作ではゲストキャストも含めキャスト陣の熱演が光っていました。
そして何と言っても、原作の世界を完璧に再現するため全編イタリア・ベネチアでのロケを敢行し、あらゆるカットでこだわり抜くエッジの効いた映像を作り出すことに成功しています。
さらに脚本の完成度に加えサウンドトラックもより壮大になり、前作から大幅に作品のクオリティーが向上。まさに「劇場版」に相応しい作品といえるでしょう。
スタンド描写の少なさが、「岸辺露伴」実写シリーズ成功の一因
全編ヴェネツィアロケは邦画初だそう。実写映画版の前作「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」でもルーヴル美術館やパリ市のロケ協力があったし、人気の観光名所が露伴の撮影チームに協力的なのは、もちろん「ジョジョの奇妙な冒険」と荒木飛呂彦の海外での人気・知名度によるところも大きいはず。
そして「ジョジョ」とイタリアといえば、まずシリーズ第5部「黄金の風」。イタリアを舞台とし、スタンド使いの少年ジョルノ・ジョバァーナがギャング団の中でのし上がっていくストーリーだった。また、「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」のレビューで書いたことだが、「長い連載の中で、ミケランジェロの彫刻に影響を受けたキャラクターのポージング(通称「ジョジョ立ち」)をはじめとする美術作品の引用」を多く行うなど、芸術や歴史的建造物をはじめとするイタリアの文化と荒木作品の親和性はもともと高かった。それゆえに、原作漫画「懺悔室」に映画オリジナルのエピソードを追加したとはいえ、全編を貫くジョジョ的世界観とヴェネツィアの歴史を感じさせる街並みや登場人物らの衣装がしっくりと馴染むのもある意味必然だろう。
シリーズレギュラーの高橋一生と飯豊まりえが結婚を発表したのが2024年5月、本作のロケ撮影が11月。露伴と泉京花の温度差の違いからくる微妙さが笑いを誘う掛け合いが映画前作やドラマ版に比べ少なく感じたのは、新婚の2人に配慮したからか。
新たなキャストで出色は、水尾役の大東駿介。ポップコーン・チャレンジで顔の上に落ちた一片を必死に口まで運ぼうとするときの表情の演技が最高で、デフォルメされた過剰さがマンガチックというか、歌舞伎の決め顔的というか。 シークエンスの緊迫感と相まって、本作の中でも屈指の名場面になっていた。
NHK制作のドラマからスタートしたこの「岸辺露伴」実写シリーズが毎作で高い質を維持できているのは、スタッフ・キャストともに原作へのリスペクトと映像化への真摯な取り組みがあるのは当然ながら、スタンド描写が少ないことも要因ではないかと思っている。本家「ジョジョ」では第3部以降、スタンドバトルが各章で最大の見せ場になることが多いが、スピンオフの「岸辺露伴は動かない」では、ストーリーにおけるスタンドの役割が相対的に抑えられている。露伴のスタンド「ヘブンズ・ドアー」は相手の心や記憶を本にして読む能力で、敵をパワーで倒す決め技というより、謎の解明やトラブル解決のための知的なツールとして使われる傾向がある。実写版でスタンドバトルが話のメインになると、中途半端な予算では視覚効果がショボくなってしまう。だが、「岸辺露伴」シリーズではもともとスタンド描写が少ないので、安っぽい視覚効果が実写作品の質を下げるリスクを回避できているのだろう。
原作とは別物として
冒頭から不気味な雰囲気
あんまり驚かなかった
舞台はヴェネツィア!
どうせ、イタリアロケは少しだけだろうな〜と思ってたら、全てヴェネツィアだった!
ヴェネツィアの優雅な建造物に、独特の雰囲気の物語がマッチしてる。
映画として十分面白い!
原作とは雰囲気が違うけど、なんか観ちゃうドラマシリーズなんだよなぁ〜。
わかりやすい
好きなシリーズの最新作。 全編ヴェネツィアでの撮影とのことで宣伝通...
好きなシリーズの最新作。
全編ヴェネツィアでの撮影とのことで宣伝通り背景映像の異国感や雰囲気が素晴らしかった。
前半30分くらいの導入が完璧で不思議な物語へ引き込まれる快感がたまらない。
キャストは高橋一生演じる露伴と、飯富まりえ演じる京香が適役で観ていて安心感があった。
衣装も露伴のこだわりや京香の場違いともいえる大仰な服装がなんともコミカルで絶妙にマッチしていた。
ストーリーは他のシリーズに比べるとややホラー寄りの展開だが非日常の底知れぬ不気味な雰囲気がうまく表現されていたと思う。
露伴の能力「ヘブンズ・ドアー」の詳細は原作読んでないとイマイチ伝わらないかも知れないので少し予習してから観るといいかも。
静かな映像美
ヴェネチアの映像が素敵でした。
映画でするには、もう少しお話的に欲しかったなぁ、と思いました。
もっと短くてもいいくらいの内容に感じてしまった。
日本の役者さんの演技は見ていてくるものがあったし、とにかくヴェネチアという絵が素敵でした。こちらの作品では何時も衣装も素敵でそれも楽しみだったのですが、今回泉さんのお衣装がカーニバルをリスペクトした首回りもわもわなものでピンクのものも黒のものも、形が個人的に好みじゃなくて(内容としては合ってるんだけど……!)そこが残念でした!
他の方の衣装はもう皆よかったー。着てみたいなあ。
小道具かっこよかった。バッグとか素敵。
露伴先生のサコッシュとかいいなあって。
テレビ(地上波)としては、豪華で凝ってて面白い
なのに、映画になるといまいちに感じてしまう。
好きなんだけど、なぁ。
ポップコーン
全240件中、1~20件目を表示