岸辺露伴は動かない 懺悔室のレビュー・感想・評価
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好みの問題
あの短いストーリーから、よくこのような映画として見ごたえのある脚本に仕上げたなと、その点は脱帽。『岸部露伴は動かない』シリーズの脚本家は、スタンドという概念を普通の超能力っぽい演出にし、JOJOなしで、JOJOの世界観を成り立たせているという点は、テレビシリーズでも映画でもいつも感心させられる。
そこは分かっていてなお、でもこのストーリーは自分好みじゃない。
原作版の『岸部露伴は動かない』は、短編好きな自分としては非常にそそられるシリーズで、奇妙で不条理な世界観が魅力だった。特に初期作品では、露伴はストーリーテラーであり、奇妙な出来事を淡々と見守る、仮にかかわってもその物事の根本的な解決には興味がないのが魅力であった。
特にこの『懺悔室』は、シリーズ最初の作品であり、露伴の傍観者っぷりが際立ったストーリー。非常にドライで、ブラックなオチだからこそ、最後の「彼は悪人ではあるが…」というセリフがびしっと効いていると思う。
だからこそ、「不幸な娘さんのために奔走して、幸せな結婚を成就させる露伴先生」という大衆向けのストーリーは好みじゃない。動機は単に人助けじゃなくて、露伴ならではの「作品を侮辱された仕返しなのだ」という心情を絡めたとしても…。
ドラマのヒットの影響なのか、新作の原作コミックでもちょっとずつ露伴が丸くなっているのが少し寂しいこの頃。
感想メモ
ヴェネチア行きたい
日本人の役者さんもイタリア語喋っててすごい!
Heaven's door, la porta del cuore si apre
広角で室内、景色を撮る映像がヴェネチアの洗練された美しさを迫力満点に伝えてくれる
だがアングルは妙に傾いていて、不安になる感じ、ヴェネチアの持つ光と影を表しているような
井浦新がすごく良かった、口の開き方がジョジョっぽい
高橋一生は勿論最高
ポップコーンのシーンがやはり最高、めっちゃ青空でロケーションばっちり、ちょっと鳩がCGぽい
ベロに顔が出てくるのだが、思ったよりベロすぎて面白くなっちゃった、横から見るとめっちゃ長いのも面白い
後半のストーリーは映画オリジナルだが、上手い具合にまとめられていて良い
リゴレットというオペラと絡めた展開も綺麗
露伴が呪いの手先?として使われている、の理由がよく分からなかった、呪いを移されそうな訳でもないし
自分の実力以外の要素で、呪いの力で、漫画が売れているのが気に入らないでキレるの露伴で良い
幸せが襲ってくる
美しい映像と考えさせられるテーマ。
原作は一切読んだことはありませんが、NHKドラマ全編と前作映画は観ています。
前作のフランスルーブルに続いて今度は水の都イタリアヴェネツィア!
ロケ地のおかげもありますが、撮り方も凝ってて相変らず映像が美しいです。
前作と違うのは高橋一生さんと飯豊まりえさんがまさかのご夫婦となっていること。発表された時は正直ショックでしたが、あらためてお似合いだと思いますしその上で引き続き共演してくださるのはありがたいことです。
今年の5月劇場公開作品がもうアマプラで観られるなんて。。。本当に素晴らしい時代になったものです!!!
私も人生を折り返してだいぶ経ったせいか、今作は京香さんのセリフに何度も考えさせられました。
「でもぉ絶望って死ぬことなんですかね 相手が死んだら呪いは成功ってことですか?私なら生きて絶望してほしいかなーって」
「今日が最高の日なんて決められないです だって明日もっと大きな幸せが来るかもしれませんもん」
幸せと絶望…確かに幸せの絶頂ってちょっと怖い気がします。しかもその時が絶頂だったと気付かずにもっともっとって欲張れば欲張るほど絶望がデカかったり。。。少し足りないくらいの幸せが一番幸せでそこに気付くことが最も大事なことかも。
観終わった後にこのサイトを見てソトバ役が戸次重幸さんであることがわかってビックリしたり、そのソトバがイタリア少女の舌から復活する姿が気色悪かったり、水尾役の大東駿介さんのポップコーンのシーンが霜降り明星の粗品さんにしか見えなくなったり、そしてやっぱり17歳も年下の飯豊まりえさんを射止めた高橋一生さんが心底羨ましかったり。。。
好きなシリーズの最新作。 全編ヴェネツィアでの撮影とのことで宣伝通...
好きなシリーズの最新作。
全編ヴェネツィアでの撮影とのことで宣伝通り背景映像の異国感や雰囲気が素晴らしかった。
前半30分くらいの導入が完璧で不思議な物語へ引き込まれる快感がたまらない。
キャストは高橋一生演じる露伴と、飯富まりえ演じる京香が適役で観ていて安心感があった。
衣装も露伴のこだわりや京香の場違いともいえる大仰な服装がなんともコミカルで絶妙にマッチしていた。
ストーリーは他のシリーズに比べるとややホラー寄りの展開だが非日常の底知れぬ不気味な雰囲気がうまく表現されていたと思う。
露伴の能力「ヘブンズ・ドアー」の詳細は原作読んでないとイマイチ伝わらないかも知れないので少し予習してから観るといいかも。
静かな映像美
ヴェネチアの映像が素敵でした。
映画でするには、もう少しお話的に欲しかったなぁ、と思いました。
もっと短くてもいいくらいの内容に感じてしまった。
日本の役者さんの演技は見ていてくるものがあったし、とにかくヴェネチアという絵が素敵でした。こちらの作品では何時も衣装も素敵でそれも楽しみだったのですが、今回泉さんのお衣装がカーニバルをリスペクトした首回りもわもわなものでピンクのものも黒のものも、形が個人的に好みじゃなくて(内容としては合ってるんだけど……!)そこが残念でした!
他の方の衣装はもう皆よかったー。着てみたいなあ。
小道具かっこよかった。バッグとか素敵。
露伴先生のサコッシュとかいいなあって。
テレビ(地上波)としては、豪華で凝ってて面白い
なのに、映画になるといまいちに感じてしまう。
好きなんだけど、なぁ。
ポップコーン
幸福すぎてご免なさい
NHKドラマでの共演がきっかけで知り合った、高橋一生&飯豊まりえご両人の結婚というか幸福をネタにした本作は、前作『岸辺露伴ルーブルへ行く』よりもよくできている。漫画を“第9芸術”と呼んでもてはやすフランスと比べると、バリバリ保守のメローニが首相をつとめるイタリアはベネチアを舞台にしているだけあって、「漫画が芸術だって?ばかいっちゃあいけない」と畏まる露伴のへりくだった態度に好感の持てる作品に仕上がっている。
数十年前に私が観光で訪れた時は生憎天候不順続きでサン・マルコ広場は冠水状態、革靴を一足ダメにした記憶があるのだが、そんなベネチアの観光名所は本作に一切登場しない。運河に浮かぶカラフルなゴンドラや有名なカーニバルがベネチアの“光”だとすれば、劇中映し出される草ぼうぼうの廃墟や漆喰が剥がれ落ちた回廊はその“影”。二つに塗りわけられた“仮面”のごとき二面性(幸福と不幸は表裏一体)を持つベネチアのメタファーにもなっているのだ。
そんなベネチアで展開される本スリラーのテーマは荒木飛呂彦お得意の“呪い”である。一見実際にありそうな“呪い”にみえなくもないのだが、まったくの“ペテン”であることが、あの俳優たち(戸次重幸、大東駿介、井浦新)のオーバーアクトがしつこいぐらいに長ーく続く“ポップコーン🍿占い”によって観客に知らされるのだ。な~んだ、単なる“舌先三寸”の作り話=漫画限定のフィクションやないかい、と。
このファクトとフィクションの境界設定が実に漫画漫画(まがまが?)しく、シリーズの魅力の一つになっている。“ヘブンズ・ドア”と呼ばれる岸辺露伴の“スタンド”も攻撃性はほとんどゼロで、相手の本心を探ったり、操ったりするだけの補助手段。何かというと血飛沫や異物嘔吐(血糊と😛はあるけどね)が常套手段になっている洋ものスリラーに比べると、なんとも日本人らしい奥ゆかしさを感じるのである。
玉城ティナってこんなに豊乳だったっけと?が浮かぶピッタリしたウェディングドレス姿はさておき、心なしか(おめでたで?)ふっくらして見える飯豊まりえの脚線美が封印されていたのはなんとも残念でならない。ちょいと放映コードに引っ掛かりそうな、露伴の京香に対するハラスメントっぽい態度も本作に限ってはかなり抑えめだ。そんなこんなもいま現在“幸福に襲われ”まくっている一生夫婦にとっては些細なこと、ベネチア新婚旅行を満喫したかなのような「フッ」という飯豊まりえの幸せそうな微笑みが全てを物語っていた。
アマプラに感謝
前作よりは◎
人気漫画家の岸辺露伴はベネチアの教会で、仮面をかぶった男の恐ろしい懺悔を聞く。それは、かつて誤って浮浪者を殺した男がかけられた「幸せの絶頂を迎えた時に“絶望”を味わう」という呪いについての告白だった。
男は幸福から必死に逃れようとしてきたが、ある日無邪気に遊ぶ娘を見て「心からの幸せ」を感じてしまう。その瞬間、死んだはずの浮浪者が現れ、男はある試練に挑むことになる。
そんな男の奇妙な告白にのめりこむ露伴は、相手の心や記憶を本にして読む特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を使用するが、やがて自身にも呪いが襲いかかっていることに気づく(解説より)
当方、原作ファン。
とはいえ、原作未読でも本作はSFサスペンスとして楽しめるものになっているかと思う。
1作目を鑑賞していなくても、およそストーリーは理解しやすいものかと。
なんというか、人間のダークな部分とか、生への執着、愛情とは、などなどいろんなことが垣間見れるものになっていると思う(原作がそもそもそれらを含めて「人間讃歌」をテーマにしているのだが)
一点、本来もっとコンパクトにまとめられる部分を、映画尺に無理矢理延ばしている感は否めないので、その辺りのもどかしさはやや気になった。
それでいても今回は及第点かと思う。
幸福の呪い
今回の舞台はイタリア、予算たっぷりってことかな。偶然、教会の懺悔室に入った露伴に仮面の男、水尾が懺悔に来ます。それから、露伴が巻き込まれ、水尾の娘を救うお話。
昔、水尾が片付け仕事の途中にやってきた日本人の浮浪者、同じ日本人のよしみで何か食べ物をくれとせがみます、パンをやろうとした水尾ですが
自分の仕事を手伝わせようと、お預けにします。荷物を持って階段で転び死んでしまった浮浪者、駆けつけた水尾に浮浪者の亡霊が、お前が幸せの絶頂の時に不幸にしてやると呪いをかけます。確かに、昔から食い物の恨みは怖いと言いますしパン位すぐに食べさせてやればいいのにと思いますがそれくらいで逆恨み、死んだのも事故ですし悩む水尾も神経過敏過ぎますから、ただの妄想の怪談にしか思えないところですが、同じ呪いがテーマのオペラ、リゴレットの鑑賞を挟んで奥深いことを仄めかしていましたね。娘のマリアが仮面づくりの職人というのもカーニバルで使われる「ヴェネチアンマスク」になぞられ、日本の能面にも通じるとイタリアロケらしい設定は良いですね。
ただ、単に不幸にする復讐ではなく、散々、幸福を恵み幸せの絶頂で悲劇というギャップの大きさに重きを置くと言う質の悪さ、幸せの先の悲劇を恐れるあまり、日常の幸せ自体を怖がらせるというプロットは好みではありませんがユニークであることは認めましょう。
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