「幸福の呪い」岸辺露伴は動かない 懺悔室 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
幸福の呪い
クリックして本文を読む
今回の舞台はイタリア、予算たっぷりってことかな。偶然、教会の懺悔室に入った露伴に仮面の男、水尾が懺悔に来ます。それから、露伴が巻き込まれ、水尾の娘を救うお話。
昔、水尾が片付け仕事の途中にやってきた日本人の浮浪者、同じ日本人のよしみで何か食べ物をくれとせがみます、パンをやろうとした水尾ですが
自分の仕事を手伝わせようと、お預けにします。荷物を持って階段で転び死んでしまった浮浪者、駆けつけた水尾に浮浪者の亡霊が、お前が幸せの絶頂の時に不幸にしてやると呪いをかけます。確かに、昔から食い物の恨みは怖いと言いますしパン位すぐに食べさせてやればいいのにと思いますがそれくらいで逆恨み、死んだのも事故ですし悩む水尾も神経過敏過ぎますから、ただの妄想の怪談にしか思えないところですが、同じ呪いがテーマのオペラ、リゴレットの鑑賞を挟んで奥深いことを仄めかしていましたね。娘のマリアが仮面づくりの職人というのもカーニバルで使われる「ヴェネチアンマスク」になぞられ、日本の能面にも通じるとイタリアロケらしい設定は良いですね。
ただ、単に不幸にする復讐ではなく、散々、幸福を恵み幸せの絶頂で悲劇というギャップの大きさに重きを置くと言う質の悪さ、幸せの先の悲劇を恐れるあまり、日常の幸せ自体を怖がらせるというプロットは好みではありませんがユニークであることは認めましょう。
コメントする