「ルーブルより好み」岸辺露伴は動かない 懺悔室 kab_mtrさんの映画レビュー(感想・評価)
ルーブルより好み
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全編ヴェネツィアで、全編ムードやトーンが統一されており、映画内の景色をどっぷり楽しめて、ルーブルより好みでした。
高橋一生は立ち姿のスマートさもあって、コート姿が美しい。
シャープな手の動きでさらっという「ヘブンズドアー」もますますこなれてかっこいい。
井浦新はこういう世界は本領発揮だと思っていたけれど、だからか驚きはなく、むしろ大東駿介が見所。
しかし、あの父親にとっての絶望が娘の死でないのだとしたら、なんなのか。娘の幸せの絶頂はこの先にあるとして、何が彼の絶望なのか。娘が死んで「よかった」とつぶやく人物にとっての絶望はやはり自身の死なのか。そこは疑問を残したまま。つぶやきをただ一人聞きながらその点に触れない露伴先生は、ここまで原作に手を入れつつもやはり原作通りに傍観の人で、脚本が巧みだなと思いました。
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