「細工格子越しに物語は進み観る者を飽きさせず、映画はここというところで観客を神秘的なベネチアへ誘う。」岸辺露伴は動かない 懺悔室 ihatakaeightさんの映画レビュー(感想・評価)
細工格子越しに物語は進み観る者を飽きさせず、映画はここというところで観客を神秘的なベネチアへ誘う。
荒木飛呂彦の人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのスピンオフ「岸部露伴は動かない」の全編ベネチアロケによる実写映画版第二弾。
撮影が素晴らしい。カメラワークというか構図の撮り方というか、グゥッと奥行きや空間の広がりが感じれる、魚眼レンズによる広角撮影だろうか、天井画まで背景に入れた荘厳な教会でのシーン、落書きのある迷路のような路地裏も格調高く見えてしまう。細工格子越しに物語は進み観る者を飽きさせず、映画はここというところで観客を神秘的なベネチアへ誘う。
もう一つの見所は、呪われた仮面の男にまつわるゲームシーン。まさに荒木節だ。観客をストーリーに引き込ませ方が秀逸。手に汗握るし、あの微妙ないたずら感が何とも言えない。「ヘブンズ・ドアー」の使い方もちょうど良い。原作のスタンドは、どんでん返しでわりと読者の予測を超える強引な使い方が多い印象を持っているが、今回はマジックのネタのように違和感がなく鑑賞後の消化不良も無かった。
原作を読んでなくとも、ヘブンズ・ドアーという超能力を持った主人公だ、くらいの認識で観られます。是非あの世界観を映画館のスクリーンでお楽しみいただきたいです。
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