「Page」岸辺露伴は動かない 懺悔室 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
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露伴先生、今回はヴェネツィアへ。
シャレオツな世界観の実写化は今作も大成功していました。
特典は荒木先生書き下ろしのポストカードでした。
懺悔室の内容が幸せと不幸せのバランスというものを描いており、幸せになりすぎないようにする人生というのがとても味のあるテーマになっており、原作からの拡張もお見事だったりとまさに理想的な実写化だったと思います。
いつも通り自由奔放に目的地に向かう露伴先生とドジで振り回される泉くんの遠距離ワチャワチャから始まって早速和やかですが、露伴先生がどんどん謎に巻き込まれていくところまで非常にスムーズなので、前作からレベルアップしてるな〜と思いました。
懺悔室の内容はやはり重く、代償に次ぐ代償をくらいまくるソトバさんの精神状態はかなりカオスなことになっていましたし、幸せになり続けるけれど幸せになってはいけないという縛りプレイのような人生はハードだ…と狼狽えてしまいました。
ポップコーン投げのシーンの緊迫感ときたら凄まじかったです。
子供の遊びの一環のはずなのに、表情含め狂気に満ち満ちていましたし、途中からハトの妨害も加わってきてしまってはもう大変です。
死と生の狭間をこの遊びでやってしまうとかいうイカレ具合には痺れました。
結婚してしまうと幸せになってしまう!となんとかして結婚を阻止しようとするソトバと、それに抗うために動く露伴先生たちの攻防もスタイリッシュかつ笑いどころもあったりとで好みでした。
原作からの延長線である決着の付け方もベターでありながら、露伴先生ならこれくらいやってくれるだろうという安心感と、ドッタンバッタンしている泉くんがキーパーソンになってくれたりとらしさ全開の展開もとても良かったです。
今作でもヘブンズドアのキメは最高で、最初のジャブの1発はもちろん、重要人物の中身を読んでゾクゾクする露伴先生が良いですし、それぞれの頭を解剖する時に出てくる個性なんかもこれまた面白いです。
オチもスパッと終わってくれますし、美しいヴェネツィアも堪能できたりとで満腹でした。
役者陣がもう本当素晴らしくて…。
クセ強めな露伴先生を衣装と言動含め乗りこなす高橋一生さんが強すぎますし、天真爛漫ど天然な泉くんのポジティブモンスターっぷりを爆発させた飯豊まりえさんも強すぎましたし、絶望を複雑な立ち回りで演じ切った戸次重幸さんと井浦新さんも、儚げな感じの女性を演じ切った玉城ティナさんも豪華絢爛かつ見事な憑依っぷりにやられました。
実写化としての再現度、物語の緊迫感、役者陣の演技、どれをとっても一級品の代物でした。
まだまだ続きもやれそうですし、オシャな世界はいつまでも続いてくれていいぞ〜。
いつかヴェネツィアにも行ってみたいです。
鑑賞日 5/24
鑑賞時間 18:40〜20:35