岸辺露伴は動かない 懺悔室のレビュー・感想・評価

全281件中、1~20件目を表示

4.0ベネチアロケは効いていた

2025年5月31日
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鑑賞方法:映画館

よく練られたストーリーに特異なキャラクターに風光明媚なベネチアロケで見ごたえある作品だった。広角のショットが多いのは、ベネチアの風景を見せたいだけじゃなく、広角のゆがみが、この奇妙な物語に合うと判断したからか。単純に路地が狭いというのもありそうだが。
幸せになると不幸になる、幸運と不運は紙一重のものとして描くその逆説が面白い。実際、一番辛いことは得ていた幸せを手放す瞬間であって最初から持たざる人は、その突き落とされる絶望すら味わうことはない。「幸せに襲われる」という発想が本作の核となっていて、これを思いついたのが素晴らしい。その核を損なわずに後半は原作にないオリジナルストーリーが展開するが、非常に良かった。
岸部露伴のマンガに対する情熱も幸運が訪れる程度では満足できないというのも描かれていて良い。
今時の娯楽映画としては珍しく、ゆっくりじっくり物語を描いているのも良かった。詰め込んで矢継ぎ早に展開する作品とは一線を画して、余白や間も大事にする作りになっていたのも好感。

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杉本穂高

5.0「実写化不可能」な伝説的漫画を「全編イタリア・ベネチアロケ」で完璧に実写化。初心者にも優しい現時点での最高傑作!

2025年5月26日
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作画のエッジが効きすぎるなど「実写化不可能」とまで言われた伝説的漫画「ジョジョの奇妙な冒険」。その中に登場する漫画家・岸辺露伴を主人公としたスピンオフシリーズ「岸辺露伴は動かない」の実写映画化第2弾が本作です。
主人公の岸辺露伴役の、まるで漫画から飛び出したかのような高橋一生を筆頭に、本作ではゲストキャストも含めキャスト陣の熱演が光っていました。
そして何と言っても、原作の世界を完璧に再現するため全編イタリア・ベネチアでのロケを敢行し、あらゆるカットでこだわり抜くエッジの効いた映像を作り出すことに成功しています。
さらに脚本の完成度に加えサウンドトラックもより壮大になり、前作から大幅に作品のクオリティーが向上。まさに「劇場版」に相応しい作品といえるでしょう。

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細野真宏

4.0スタンド描写の少なさが、「岸辺露伴」実写シリーズ成功の一因

2025年5月26日
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鑑賞方法:試写会

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全編ヴェネツィアロケは邦画初だそう。実写映画版の前作「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」でもルーヴル美術館やパリ市のロケ協力があったし、人気の観光名所が露伴の撮影チームに協力的なのは、もちろん「ジョジョの奇妙な冒険」と荒木飛呂彦の海外での人気・知名度によるところも大きいはず。

そして「ジョジョ」とイタリアといえば、まずシリーズ第5部「黄金の風」。イタリアを舞台とし、スタンド使いの少年ジョルノ・ジョバァーナがギャング団の中でのし上がっていくストーリーだった。また、「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」のレビューで書いたことだが、「長い連載の中で、ミケランジェロの彫刻に影響を受けたキャラクターのポージング(通称「ジョジョ立ち」)をはじめとする美術作品の引用」を多く行うなど、芸術や歴史的建造物をはじめとするイタリアの文化と荒木作品の親和性はもともと高かった。それゆえに、原作漫画「懺悔室」に映画オリジナルのエピソードを追加したとはいえ、全編を貫くジョジョ的世界観とヴェネツィアの歴史を感じさせる街並みや登場人物らの衣装がしっくりと馴染むのもある意味必然だろう。

シリーズレギュラーの高橋一生と飯豊まりえが結婚を発表したのが2024年5月、本作のロケ撮影が11月。露伴と泉京花の温度差の違いからくる微妙さが笑いを誘う掛け合いが映画前作やドラマ版に比べ少なく感じたのは、新婚の2人に配慮したからか。

新たなキャストで出色は、水尾役の大東駿介。ポップコーン・チャレンジで顔の上に落ちた一片を必死に口まで運ぼうとするときの表情の演技が最高で、デフォルメされた過剰さがマンガチックというか、歌舞伎の決め顔的というか。 シークエンスの緊迫感と相まって、本作の中でも屈指の名場面になっていた。

NHK制作のドラマからスタートしたこの「岸辺露伴」実写シリーズが毎作で高い質を維持できているのは、スタッフ・キャストともに原作へのリスペクトと映像化への真摯な取り組みがあるのは当然ながら、スタンド描写が少ないことも要因ではないかと思っている。本家「ジョジョ」では第3部以降、スタンドバトルが各章で最大の見せ場になることが多いが、スピンオフの「岸辺露伴は動かない」では、ストーリーにおけるスタンドの役割が相対的に抑えられている。露伴のスタンド「ヘブンズ・ドアー」は相手の心や記憶を本にして読む能力で、敵をパワーで倒す決め技というより、謎の解明やトラブル解決のための知的なツールとして使われる傾向がある。実写版でスタンドバトルが話のメインになると、中途半端な予算では視覚効果がショボくなってしまう。だが、「岸辺露伴」シリーズではもともとスタンド描写が少ないので、安っぽい視覚効果が実写作品の質を下げるリスクを回避できているのだろう。

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高森 郁哉

4.0映像の美しさが際立つ

2025年7月19日
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鑑賞方法:映画館

印象に残るのは、ベネツィアの街を広角に切り取った映像。作品独特の(いつもの)不穏な空気と、それを引き立たせるような被写体の構図。いつも以上に、映像の美しさが際立っていたように思う(その意味で映画館で観る価値あり)。
前半はワクワクドキドキやゾワゾワが止まらなかったが、後半は段々と収束していった(あくまで個人的に)。そういう意味では、前回作のルーブル(後半までドキドキが続いた)の方が、個人的には好きだったかな。

それでも役者の演技(特にポップコーン空中投げ食べ(笑)と、井浦新演じる狂った男)には、十分見応えがあった。

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village

5.0妖しくも美しい、これぞ「岸辺露伴」

2025年7月16日
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鑑賞方法:映画館

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知的

ドキドキ

「岸辺露伴は動かない」のドラマ、映画は全て履修済み。どの作品もよく出来ていた為、心躍らせながら劇場へ。
結論から言うと期待を裏切らない、素晴らしい作品であった。

人の記憶を本にして読むという特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を持つ人気漫画家・岸辺露伴。彼は文化交流の為、ヴェネツィアを訪れていた。
予定をほっぽりだし、取材の為街へ繰り出した露伴は、訪れた教会の懺悔室で、偶然ある男の告解を聞いた事をきっかけに、悍ましい事件に巻き込まれる事となる…。

今回露伴が対峙するのは、とある家族の「幸せ」をめぐる呪い。状況的に露伴は事件の「当事者」とはならないが、次第に巻き込まれていきイライラを隠せない。しかしなんだかんだ言いながら手助けをするあたり、露伴の魅力が非常に良く表現されている。

ストーリーもさることながら、俳優陣の演技が光っていた。特に菓子を口でキャッチしないと死ぬ、という悪夢のようなシチュエーションの回想シーンは、大東駿介氏の鬼気迫る顔の演技がとても素晴らしかった。

物語のテーマは「幸せ、不幸」。事件が終息に向かったラストシーンの露伴のセリフは胸を打たれた。露伴に明日への活力を貰った気分だ。

ヴェネツィアロケを敢行しただけあり、とても風情ある美しさが様々なカットに漂っている。これまでのシリーズの中でも、個人的にはTOP3に入るレベルに好きなエピソードであった。

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しゅわとろん

4.0ルーブルより好み

2025年7月4日
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鑑賞方法:映画館
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kab_mtr

3.5ベネチアの夕焼け

2025年6月29日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

ドキドキ

原作が好きなので映画館で鑑賞してきました。
TVシリーズから観ていますが、高橋一生さんの岸辺露伴は、はまり役だと思います。
今回のヒロイン役である玉城ティナさんがとてもお綺麗でした。
ラストシーンのベネチアの夕焼けがとても綺麗で印象に残りました。
その他、ベネチアの街並みや風景もとても楽しめました。

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Morris

3.5もちろん

2025年6月27日
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鑑賞方法:映画館

知的

原作を知っているんでどんな話か知ってましたけど、それでも楽しめました。
無理なく見せる術を知っていると感じられます。

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まっつん

4.5これぞ岸部露伴ワールド

2025年6月26日
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鑑賞方法:映画館

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ひろっぺ

4.5予備知識もないまま見て 映画っていいなと思った作品

2025年6月26日
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鑑賞方法:映画館

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楽しい

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映画館で見る予定の映画の時間があわず代わりに見た映画 でもよかった。
なんといってもベネチアの景色がいっぱい出て来て、大画面の中に自分がいるみたいな感じ
ポップコーンと女の子の手を叩く場面が私的には好きで 残っている
ストーリーもどうなるの こうなるの そうか よかった とわかりやすく
帰ってから原作の漫画や 前作をみたりしました。

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orizome

4.0ベネチアに行きたくなる

2025年6月25日
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岸辺露伴の衣装を着た高橋一生が違和感無く収まる
ベネチアという街に行きたくなった。しかし現作をよくあそこまで膨らませたものよ。井浦新がややミスマッチだった気もする。

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cinemama

4.5呪いに対峙する作家の矜持

2025年6月21日
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鑑賞方法:映画館

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知的

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「ルーブルに行く」に続き、映画館まで観に行きました。
感じたことや見所を箇条書きで記します!

・登場人物は10人以下。スッカスカにならず、役者の皆さんの圧倒的な演技とベネチアの歴史ある風景が重厚さを与えています。
・「呪い」に対する露伴の決意表明→これが原点、というのが何となくわかりました。どんな怪奇が襲ってこようとも、ブレてないんだなと。ドラマと映画で多くの作品が受け入れられた今だからこその、「懺悔室」映画化に踏み切ったのではないでしょうか?
・ポップコーンが落ちてくるだけの場面を高画質スローモーションで何度も笑
1個のポップコーンにこんなにこだわって撮った映画はあまりないのでは?
・戸次さんの鬼気迫る演技→演者を把握して観ても誰?となるくらい面影がありませんでした。
・大東さんの歌舞伎顔笑
・インタビューで読みましたが、後半は映画オリジナルの展開とか…。絵柄が苦手で原作は読んでませんでしたが、展開の違いを確認するために読んでみようかな、と心が傾きました🙂

ドラマ・映画、どちらでも続編を楽しみにしてます♪

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ぺー

3.5面白いけど、劇場で見るほどだったか、というと…

2025年6月21日
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鑑賞方法:映画館

当方、原作は知らないで鑑賞。ストーリーも良かったし岸辺露伴シリーズのテイストもしっかり味わう事ができておりその点は満足です。今回は怪異と対峙するというよりは人間の内面的な恐怖に偶然深入りさせられたという点で画角的に盛り上げにくかったのか、やたら手前にモノをおいてぼやかす、というカットがしつこいくらいあって無理矢理「映画だからの絵なんだよ」とアピールしてるみたいでかえって没入しにくかったです。

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コーイッヒ

4.0足りないくらいがいいんです

2025年6月20日
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みゅー

4.5原点にして頂点

2025年6月18日
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NHKの実写ドラマらしい丁寧で落ち着いた映像美と、じわじわと迫るサスペンスホラーの不穏な空気が見事に融合した異色の作品です。

脚本に関して、もともとは短編漫画から映像化でここまで膨らませるのか…と驚かされました。

ただ一つ惜しいのは、物語の最大の盛り上がりが中盤に来てしまっていることで、結末もさほど意外性がなかったことだと思います。

まだまだ、映像化していないエピソードがあるので続編も期待したいです。

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すし

5.0よく練られたストーリー!世界観に浸れた

2025年6月17日
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鑑賞方法:映画館

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怖い

ドキドキ

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ヒツジ

3.5ヘブンズドアーッ!エンドロール後ないのか!!

2025年6月17日
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いまさら鑑賞。平日夜の回10人でした。JOJO感少なめでNHK感が自分的には微妙だった。高橋サン良いけど、ジョジョ好きとしては、ヘブンズドアーッって激しく言って欲しかったー。クール過ぎてそこが消化不良なのと、大東さんがミナミの帝王感過ぎたー。アラタさんが何気に良かったー。高橋サンの雰囲気は良いけど、衣装があんな黒ばっか着てたっけ??ってそこが気になってイマイチ入り込めず。
大東サンが登場する辺りまでアニメを踏襲してるのが良い所でもあり、ダルい感じだった。
でもあんな城でてきたっけ??とどうしても原作とのギャップを感じてしまい3.8位でしたー。これは、NHK好きな人には良いのかな。ジョジョっていうより相棒みたいなノリだったー。

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ユメ

3.5前作の方が良かったかな…

2025年6月17日
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鑑賞方法:映画館

原作であるジョジョの奇妙な冒険のスピンオフ作品であるが、原作のテーマである人間讃歌を違った形で表現している。今回露伴は事件に巻き込まれつつ、狂言回しのようなポジションに。主人公は呪われた男なのだ。彼の情けないぐらいの生への執着が見どころなのだろう。原作と同じ所で終わった方がゾクっとした気はして、その後は蛇足な気もしたが、そのエピソードも男の生への執着を強める一つなのだろう。死ぬ事が絶望か?死なずに生きていく事が絶望か?歳を重ねると、どちらもあり得る事を知っている。その戒言のようなメッセージはそこまで自分には響かなかった。

さて、ストーリー以外に関して、全編ヴェネツィアロケで予算を使ってしまったのか、登場人物は限定的。その分、一人一人が頑張っているのだが、怪演とまでは思えず、ジョーカーのホアキン・フェニックスや、そこまでいかなくても杉咲花や、くしゃがら回の森山未來ぐらいの演技が観たかった。前作よりも良くまとまっていると思うが、前作の方が幾つか整合しない箇所があったとしても、その展開と迫力、怖さがあった。ただ、高橋一生君と飯豊まりえさんが映画でハネムーンできたと思うと感慨深い。どうかお幸せに!

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Ton

4.5幸せを得るには不幸に立ち向かう気持ちが必要

2025年6月16日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

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わんわん

4.0演技が凄すぎる

2025年6月15日
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鑑賞方法:映画館

怖い

斬新

ドキドキ

まず、ロケーションが素晴らしい。
全編ヴェネツィアで撮影という力の入り具合は最初聞いた時驚いたが、街並みが日本とは違う美しさがあり、映画の雰囲気にぴったりだった。
そして一番凄かったのが、役者さん達の演技。
水尾役の大東さんによる、狂気と興奮が入り交じった表情。ソトバ役の戸次さんによる恐怖を感じる言い回し。どちらも漫画寄りのわざとらしい表現だが、それに違和感がなくとてもハマっていた。
もちろん、露伴先生も素晴らしかった。傍から見たら奇抜なはずの衣装も、全く違和感がなかった。

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ぴこ