8番出口のレビュー・感想・評価
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思いの外期待外れ
ニノの演技と音響が秀逸
迷う男(ニノ)が置かれた状況が、別れる予定だったある女(小松菜奈)との間に
子どもができ、さてどうする?という出だし。
迷う男がめっちゃ悩みながら、ある女と電話で話しているうちに、
音声がとぎれとぎれとなり、迷う男は地下でループ状態になる。
迷う男が迷いながら8番出口から出ることを目指すのだが、
ワンシチュエーションでありながら、そこには多種多様のコンフリクトが起き、
エンターテインメントとして秀逸だし、観ていて飽きない展開であった。
迷う男の妄想なのか、地下が迷う男に見せている未来かわからないが、
地下で出会う少年が迷う男とある女の子どもの設定だったり、
その三人で幸せに海辺で過ごす幻想を見たり、
おそらく迷う男が迷わなくなっていく様を描いていると思うのだ。
迷う=地下で。迷う=子どものこと。この2つの意味合いであるのは間違いない。
単に地下から脱出するだけのテーマとせずに、実は社会的な問題も描いているという
深さも感じた。
それから、中田ヤスタカの音楽・音響もすごくマッチしていて、
映画のクオリティを上げるのに一役買っていると思う。
なによりニノの演技が素晴らしい。ほぼひとり芝居といって過言ではないのだが、
実に巧みな演技であった。
非常に面白い。一見の価値あり。
舐めていた!さすがは川村元気というべきか
原作となったゲームは一応クリアするまでやったことがある。とてもシンプルなゲームでそれなり面白かったが、これを実写映画にするなんてどうかしてると思っていた。実際観るかどうかは迷っていたし。でも、川村元気が監督と脚本と知って俄然興味が出てきた。どんな話にするんだろう?と。
あの通路に迷い込むまでは本当にゲーム画面を見ているかのようでちょっと面白い。先に進むか、引き返すかの選択が正しいかどうかは次の通路に差し掛かった時の掲示の数字で明らかになる。だから、結構進んだ段階で目にする「0」の文字にはなかなかショックを受けたことを思い出せられた。そうだったそうだった。
でも、それだけじゃなくてワンシチュエーションの不条理スリラーとしてうまく作ったなという印象だ。視点を変えてみたり、ちょっとした伏線がはられていたり。ゲームの要素をきちんと盛り込みながら、飽きさせない展開が待ち受ける。さらにそこに付加した物語性が意外といい。この手の不条理スリラーなんて訳がわからなくていい。何かが明らかにならなくてもいい。でも、なんか目が離せないってことが大事だ。なんとなく前向きな終わり方なのもよかった。
これ、結構ヒットするんじゃなかろうか。面白かったもの。川村元気という人のすごさを感じた。だから続編なんて考えないでほしい。ここからの続編はつまらなくなりそうだから。いや、でも川村元気なら驚くような続編を作ってくれるのか?
中学生くらいが観る映画かな
ホラーじゃなかった
元々ゲームでホラー版間違い探しと認識してました。
映画内容は若干ホラーが入った微妙なドラマでした。
タイトルだけで見たので、主役が二宮でがっかり、ジャニ系の主役は駄作しか存在しないので、いやな予感がしました。
始まると主役の設定が思いのほか存在して、更に嫌な予感がしました。
ストーリーを深めたいというのは理解できたが、喘息や未来の子供に出会う描写が意味不明だった。
異変の演出は良くて、その点だけは実写化は正解だと思った。
おじさんの毎回同じテンポの歩き方や笑顔の接近は普通に怖かった。
題材的にも90分は長いので、もっと短い映画にして、ホラー描写を強くして、オムニバス展開を強めても良かった気がする。
おじさんや女子高生を深めても良かったが、子供は要らなかった。。。。。
迷う男一人で脱出した方がカタルシスが大きかったはずだが、子供のせいでグダグダになり下がった(題材と相性が悪いせい)。
無駄に監督の好みが入っててタイトルを生かせてない感じだった。
日本の脱出ゲームから派生した「微ホラー」作品。好き嫌いが二分する作品だけど、この発想は日本人にしかできないと思う。
私が観に行く作品を選ぶ理由は、好きな女優(例:長澤まさみ様)が出ているとか、時流に即している(例:戦後80年の節目)とか、すごく単純な理由が多いのですが、今回は過去に長澤まさみ様を泣かせた事があるという大悪党の二宮和也が酷い目に遭うというメシウマ設定だと聞いていたので早速観に行きました。
スマホでなくてPCで脱出ゲームをやった事がある方でしたら分かると思うのですが、日本の脱出ゲームは海外の作品と比べると非常に出来が良いのです。絵がキレイだったり、謎を解くギミックが秀逸だったり、とにかく飽きさせることが無いのです。変異を見つけたら引き返すという手法を「8番ライク」と呼称するぐらいこの形の脱出ゲームは一時期流行りました。
で、観始めるとアバンも無しでいきなりタイトルがドーンなんですよ。この昭和っぽい出だし、嫌いじゃないです。最初は二宮目線の一人称的な映像が続きますが、途中で元カノから掛かってきた電話で異次元に放り込まれます。最初はルールが解らなくてウロウロしますが、要領が飲み込めたらなんかサクサク進んで行きます。「このままじゃ早く終わっちゃうんじゃねぇ?」と不安に思っていたら、ここでゲームチェンジャーの登場です。すれ違う不気味なおじさん(河内大和)も異次元に放り込まれたひとりだったんです。
不気味なおじさんは、変異女子高生(花瀬琴音)や謎の男の子に翻弄されてアレな世界に行っちゃったみたいなんですが、思った以上にカメラワークも良かったです。東京メトロ全面協力という事ですが、どの駅の通路なんですかね? それともセット? 車両と駅は有楽町線みたいですが、最近のコストをかけない風潮の作品としては、観客の想像力で補うという荒技を使った事にビックリでした。
人生迷ってもこの映画を観る選択肢は迷わない
地下通路を抜け、地下鉄の8番出口から地上に出て『8番出口』を観に行きました。公開前から楽しみにしていた、予定どおりの行動です。
ゲームのことは知らなかったのですが、同僚に聞いてプレイしてみて、さらに文庫本も読んでから映画を鑑賞。世界観を存分に堪能できました。
二宮くん、河内さんの名演技も圧巻!
異変に気づけず迷う主人公に対して、思わず心の中で「志村!後ろ!後ろ!」と叫んでいました。
不思議な余韻が残り、出口を出た後もしばらく振り返りたくなる映画でした。帰りの地下鉄の通路では、すれ違う白いワイシャツのオジサン達が気になりすぎました。
2回目観てきました👀
まさかこんな作品だとは思いませんでした。
この作品はホラーではなく、人生、赤ちゃんを託すこと、罪と罰といった深いテーマを扱っているのだとやっと気づきました。
小学生には少し難しく、理解しづらいかもしれません。以前のレビューでも書いた通り、この作品の魅力は、その❜❜「深いドラマ」❜❜にあると思います。
私は高校生ですが、それでも心がえぐられるようなシーンが3つありました。
序盤、赤ちゃんを電車で抱っこした母親が、突然泣き出した赤ちゃんを見つめていた時に、理不尽に乗客の男に怒鳴られ、それを「探す男」(主人公)が無視する場面。
彼女と赤ちゃんをどうするか電話で話している最中に、通行人にぶつかられてスマホを落とす場面。
そして、「8番出口」の地下通路でロッカーの中から赤ちゃん(?)が大泣きしている場面。
これらのシーンでは、辛く、かわいそうで、胸にグサッと刺さり、締めつけられるような思いがしました。
原作ファンの方も、原作を知らない方も、幅広い方におすすめできる作品です。
原作ゲームを考えると上手く映画にできている作品
話を作るのが難しそうな原作ゲームを上手く映画にしていると感じる作品である。
ストーリー無しで突然通路に放り出された話にした場合は単調でもの凄くつまらない話になるような気がしてしまう。
少しどうかと思う設定もあったが、迷い込んだ不安感を伝える演出なのではないだろうか。
原作ゲームが好きな人にはおすすめしたい映画である。
…どうする
展開が
オモシロいと言うか
最後は考えさせられました
…まちがいを探せ
的な
そこはルールがあり
異変に気づいたら
戻らないと先に進めない
異変に気づかなくてふりだしに
戻ったりでなかなか8番出口に出られない
元彼女の電話で繰り返し出る言葉
…どうする
迷う男に決断を迫る
お化け屋敷の様なホラー感
が心理的に迫ってくる
少年が現れたことによって
父性が生まれ
ラストはちょっと感動…
思いの外よかった
ここまでだとは思わなかった。
ニノが出る映画なら大丈夫だろう、とは思いつつも、まさかここまですごいとは思いませんでした。
最初から最後まで、ほぼ1人の環境。それでも見ている人を画面に釘付けにするような演技。どれも圧巻で、二宮和也に全てが飲み込まれているような感覚でした。
ゲームのあのルールだけで、ここまで物語というのは作れるのかと思ったし、あのルールでこの作品を作ったスタッフの方々は本当にすごい人たちだとも思う。
もちろん俳優の方々の演技も素晴らしかった。個人的には『歩く男』。普通、というかCGでもおかしくないはずなのに、あのゲームの中から出て来たような人物をあそこまで同化させられるか!と感じました。
至ってシンプル。ゲームのあの空間を最大限利用して、映画で揉み消すこともなくとてもすごいと思う。でも映画館から帰る道が結構違って見えて、本当にすごいものを見たと思いました。とにかくすごいとしか言えない。
面白くなりそうなのに一向に面白くならない
元ネタのゲームをやったこともなく知識もないので、そもそもターゲットじゃないのかもです。そのくらい、序盤から置いてけぼりというか、ずっと何これ…というテンションのままでした。
地下鉄から出ようとするも無限ループに陥り異変を見つけて出口を探す。面白そうなプロットなのに、リアル間違い探しをただ眺めているだけという感じ…それが1時間半続くのでキツい…。
おかしな状況を秒で受け入れて対応していく主人公に全く共感出来ないし、ちょこちょこ発生するホラーイベントにも繋がりは特になく。
実は伏線がたくさんあって、そのあたりをしっかり汲み取れると面白いのでしょうか…?
私にはサッパリでした…。予告は面白そうだったのにな〜。
静と動
何と斬新な映画だろうと思い、こんな映画今まで見たことない!!といったような、とにかく新しい映画の世界に入り込んだような感覚になり、とても面白かったです。クレジットで、川村元気さんのお名前を見た時に、やっぱり流石だなぁと納得しました。
最近のヒット映画は、とにかく動いているイメージがあったのに対して、この映画は全く同じ場所から動かないで、観ている側をその世界に引き込ませるという静なのに、ハラハラドキドキが止まりませんでした。
東京メトロを利用された方は、わかると思いますが、日々の日常でもしかしたらこんなことあるのかもしれないという錯覚に陥りそうなリアルな描写は素晴らしかった。
映画館の年齢層も幅広かったので、次にヒットしそうな予感がする…。私は、今年公開された映画では、No.2です。
アイディアが秀逸!
昨年の変な家、以来、予告で期待値、爆上がりの作品、まず、その時点で成功だと思う!
結果、期待値を超える面白さ!傑作認定だ!
とにかくビジュアルコンセプトが素晴らしく、同じ場所が延々続くけど飽きずに観られるのが凄い!
主演の二宮和也はベビーフェイスだけど硫黄島からの手紙と同じく、ぶっきらぼうキャラ、日本の若手?にありがちな中2病的な振る舞いが鼻に付く、アニメの影響でしょうか?
不可解な出来事に遭遇した小心な男であれば、あのふてぶてしい態度はいかがな物でしょう?
マーティンスコセッシ作品アフターアワーズのグリフィン•ダンのリアルな演技と比べると少しアニメキャラっぽい気がしてしまうけど、
まあ、話の展開が進むと、これはこれで良かった気もする!
歩く男はサイコー、ある女も不気味で怖い、
当初考えていたよりホラーなのかと思ったけど、
やはり不条理さより綺麗な話に収束するのは
意見が分かれるんでしょうか?
上手くまとめた感があり、言語化すると陳腐になるので余りわかりやすさにいかないで欲しかった!
多少モヤるが文句は無い!
中毒性がある傑作だと思う!
ゲームと映画の境界線があいまいな物語
先ず、ニノの一人芝居は観る人を釘付けにする。映画を観ているのに、自分もゲームプレイヤーになったかのようだった。
原作のゲームをしていないので、一緒に異変を探し、ニノが気づかない異変にはよく見て!と声を掛けてあげたくなった。
その上で、ニノの迷える部分が浮き彫りになり、しっかりと腑に落ちる展開になっていたのは見事だった。
また、「歩く男」の河内大和さんの存在が、ものすごくズッシリきた。ネタバレしたくないので書かないが、色々な意味でゾッとさせられた。
観客には小学校低学年くらいの子供もチラホラいたけど、子どもが理解するには難しいかな。
結論から言うと、とても面白かった。あまり邦画は見ないが、よく似たス...
【”現実から目を背けずに現実を直視して生きる。”虚無的に生きる男がエッシャーの騙し絵の如き地下道を彷徨う中、様々な”異変”と出会い自らの生き方をリセットしていく構成、演出が秀でたヒューマンスリラー。】
■男(二宮和成)は生気のない顔で、派遣先の会社に地下鉄で向かっている。社内では泣き叫ぶ赤ん坊を抱いた母親に対し、前に立つ男が怒鳴りつけているが、男を含め、周囲の人間は誰もその男を止めようとしない。
そして、男が地下鉄を降りると別れ話が出ていた恋人(小松奈々)から”妊娠したみたい。今、病院にいる。どうしたら良い?”と電話が掛かって来る。男は、困った様な顔で”病院に向かうよ。”と言い、地下道を歩き始めるが、徐々に同じ場所を何度も歩いている事に気付くのである。
地下道の壁を見ると、
・異変を見逃さない事
・異変を見つけたら、すぐに引き返す事
・異変が見つからなかったら、引き返さない事
・8番出口から外に出る事
と書かれた”ご案内 Information”を見つけるのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭から、没入感が凄い作品である。
男が同じ地下道を喘息持ちのために咳をしながら何度も歩く中で、異変を探すために何度も壁のポスター(中にはエッシャーの展覧会のポスターもある。)、消火栓、非常扉、従業員用扉、換気口二つ、オジサン(河内大和)、コインロッカー、証明写真撮影機、その脇に捨てられているゴミを確認し、異常があると引き返すと、出口を示す番号が1→2になったり、異常が無いのに引き返すと0になったりし、その度に男は喜び、絶望するのである。
この時の二宮和也の、虚無的な顔から徐々に生を求めて必死になって行く顔の変化が凄いのである。そして、絶望の表情も・・。
・男は様々なポスターの眼が動く異常を見つけ、その度に戻り出口の番号が増えるが、小さな男の子が現れた時に“異常だ”と呟き戻るも、出口を示す番号を見ると男の子が”異常”でない事が分かるシーンで、男の子の正体が直ぐに分かるのである。
・一方、無表情に歩くオジサン視点から描かれるパートも面白い。
オジサンが出口を探して歩いていると、女子高生が現れ”毎日、満員の通勤電車に乗って会社に行く、単調な日々。”と告げられ、女子高生が動かなくなった後に、オジサンは8番出口を見つけ、男の子が”行っては駄目!”と言うような仕草で引き留めるも、階段を嬉しそうに上がって行くオジサンの姿は光に包まれ消えてしまうのである。
オジサンが”虚無的な世界の住人”になってしまった事を示すシーンである。あの女子高生も・・。
■男と男の子は何度も地下通路を歩く。男の子が8番出口の8の字が逆である事を見つけたり、従業員用扉のドアノブが真ん中について居るのを見つけたり・・。
そして、従業員用のドアが開いている時に、男がそこから観たのは”自分が、地下鉄の中で怒鳴っている男を見て見ぬ振りをしている虚無的な表情の自分。”だったのである。
男が、”異常”を探す中で、【それまで、無関心だった外界に対し、観察せざるを得なくなっていく】設定が巧いのである。
更に秀逸なのは、スタンリー・キューブリック監督の「シャイニング」のオーバールックホテル内で折れ曲がった通路から鮮血が怒涛の如く流れて来る有名なシーンと全く同じ構成で、泥水が凄い勢いで流れて来るシーンである。
男は一瞬、自分だけ逃げ出そうとするも引き返し、男の子を必死に持ち上げて助けようとするのである。
すると、シーンは変わり【男と恋人が清浄な海岸で、その男の子が遊んでいる姿を幸せそうに見ているシーン。】になるのである。
<そして、男は8番”入口”を見つける。更に地下に降りる階段である。
男は躊躇せずに階段を降り、ホームに滑り込んできた地下鉄に乗るのである。そこでは、泣き叫ぶ赤ん坊を抱いた母親に対し、前に立つ男が怒鳴りつけているのである。
男は、突き上げる衝動を抑えるかの如き(それは、過去の自分の生き方に対してかもしれない。)涙を潤ませた目になり、耳からイヤホンを取り、決意を込めた顔で男の方を見た瞬間に画面は暗転するのである。
今作は、虚無的に生きる男がエッシャーの騙し画の如き地下道を彷徨う中、様々な”異変”と出会う過程で、自らの生き方をリセットしていくヒューマンスリラーの逸品であり、作品構成、演出共に優れたる作品でもある。>
8番シアターで観た。
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