8番出口のレビュー・感想・評価
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異変に気がついたら引き返せとは、、、
ゲームが話題になり気になって実況見て、実際にプレイもして、その上で映画化って聞いたもんで、どう映画にするの?という最大の疑問を解くため公開初日に見に行きました!
そして、、、んーーー!
期待していのとは違う方向に行ってしまったかなぁ〜冒頭から序盤まではわりかし面白かったのよ、しかもずっと1917や、ウトヤ島、Netflixのアテナとかみたいにこれは長回しで最後まで行くきなのか!と思ってたら、、、意外と序盤の怪異でカット割りしちゃうw
長回ししますよ的な、今までの思わせぶりは何?それでもおじさんへのスイッチングは、中々に主人公変えるパターンか!?とまたもや気持ちが上がるも、結局蛇足
おじさんのストーリーは子供がいる分余計な気がする、どうせおじさんやるなら意味持たしてほしいよね
で、肝心のストーリーは、喘息持ちの彼女と別れようとしていて、電車内のトラブルも引き返しちゃう無視しちゃう人を二宮くんが演じているんだけど、取ってつけたようなストーリーに意味深ぽい映像が挟まれたりするんですが、まあ意味なし
元々世にも奇妙な物語的な話を、無理くりにストーリーつけているから、どうにも辛い、どうせなら二宮くんたどり着けず主人公変わるくらいの英断欲しかったな、でないと脱出できる未来はほぼ判っているのだから、そこまでの過程をもっとドラマチックにしてほしい
喘息持ちも最初その演技させたかっただけ?ああいうのは終盤で活かすか、何かしないと、、、勿体ない
そして、小松菜奈との子供が出来た話
子供が小松菜奈の事お母さんって言うけど、これがこの世界が己の罪の意識や、妄想の世界だとして、子供は未来の2人の子供という解釈は、おじさんパートがある分謎すぎる
そして、この子供異変気がつくんだけども、その異変、、、おじさんも二も、気がつけや!結構気がつくぞあれは
子供が見ている、停まっている
これは大ヒントすぎるし、人って結構違和感に気が付きやすいのですよ
あのドアノブ気がつくよね〜もっと違う変化の方が良かった気がするなー
で、仮に子供が未来の子供への気持ちから産まれた概念だとして、そもそもの今回の映画の違和感
そう違和感
このゲームは異変、違和感を感じたら引き返せ、戻れ!が絶対ルールなんですよ
異変、違和感に立ち向かえじゃないんです
故に最後主人公の二宮君が、電車に戻ってきて、あの赤ん坊の親子に怒鳴り散らしている人に立ち向かう場面、グッと来づらい
話としては判る
そうしたかったんだなというのは判るけど、違和感に逃げていくゲームとの相性は如何なものか?あんな波から逃げるのはそりゃそうなんだけど、、、ああいうのは乗り越えて進む姿が成長的な暗喩になる気もするしね、引き返すって世の中では大事だけど成長と繋がりにくいよね
ストーリーに引き戻らずに失敗した何かがあって引き返す的なものならわかりやすかったのか?
おじさんは話さないけど、女子高生が話し始めるのも怪異、異変としては中々に特別だが、それも大きな意味が無い
どうせなら意味が最後まで無い怖さを描いたほうが世にも奇妙な物語的で怖かったのでは?
おじさんパートが丸々カットしても話が通じてしまうのが、、、勿体なさすぎる
意味の無い羅列の方が良かった気もするなーやっぱり二宮君が失敗する、主人公変わるという英断は無理か
それと、怖さも中途半端なんだよなー
それなりに怖いけど、また見たくなるような映画では僕の中では無かったな
まあ謎解き、間違い探し的な内容と、これを映画化しようという心意気は素晴らしい、これからも挑戦してほしいですね
でも、川村元気監督作、百花もそうだったけど合わないんだろうね〜今の所
次回作に期待!
あくまでも僕の個人的な意見です
まさかの泣ける映画?!
すごい完成度です。
だいたいゲーム原作の映画って終わってるんだけど、これは本当によくやったと言う感じ しかも終盤ちょっと泣いたんですよ
ただのホラー映画じゃなくてシチュエーションと連動して迷いと決断の映画になっている。進むか? 戻るか? じっとしてても何も変わらないっていうね メッセージ感じたよね〜〜
原作のゲームにストーリーないからどうすんのかなーと思っていたが、ちゃんと主人公の人生に問題を設定。派遣に向かう途中で別れた彼女との間に子供ができたと電話で報告される。自分も彼女も決断ができない。彼は現実を直視できずに駅をフラフラ進み、気づくとゲームと同じ地下エリアに迷い込んでいる。
たまらねーーー!!!!
「心の問題と外の問題が重なるやつ」!!!!
そうやって主人公が自分の未来について思い悩むのと並行してさまざまな異変に見舞われ、その中で徐々に気持ちを入れ替えていく展開が実に王道でアツい。映画って感じだな〜〜〜〜
ゲームには大量の異変が出てくるが映画で全部出すわけにはいかない。そこでいきてくるのがこういう人間ドラマだ。とりあえず人気の異変は抑えつつ、あとは「主人公の悩みと絡ませることができる異変」を出せば映画に説得力が生まれる 赤ちゃんの泣き声。血。目線。
例えば壁沿いのドアが勝手に開く異変ってのがあるんだけど、開けた先は真っ暗闇でゲームだと覗き込んだらアウトなのだが、映画は暗闇の先に嫌いな自分の過去の姿がある→その過去の自分と見つめ合い、何かを決意した表情で主人公はゆっくりドアを閉める。こうすることで異変への対処と同時に「心の入れ替え」を演出している テクいね〜〜〜〜
こっから泣いたポイントなんだけど、同じようにして地下を彷徨っている「主人公の未来の息子」と出会う。その子は実際にはまだ産まれてないので「この世に誕生することができるかできないか」という不確定によって「さまよう」ことになっている(と考察できる)。つまり「親が産む判断をするかどうか」がそのまま「その子が出口にたどり着けるかどうか」に直結するということだ 主人公の人生に関わる最大のイベントだ。そして異変ではない(お助けキャラ的な感じかな)
だから地下で主人公があの子を最後まで守り抜く=自分の子を育てる決意をする と言う意味が生まれることになる
「ここから出たらどうしたい?」は「産まれたら一緒に何する?」と同じと言うことだ それに気づいた瞬間涙が出てくる。その後の洪水の異変で身を挺して少年を助けるところに未来を決断した主人公の強い意志が感じられ、なんかもうたまらんという感じになる
とまあこうやって「主人公の内面と地下攻略の進捗」が連動していて飽きさせない作りになっており、ゲーム勢ニヤリな演出もふんだんで異変のチョイスもよく、考察の余地もあって文句なしの映画といえよう
強いて言えば「ファー〜ーーフォーン」みたいな音の演出がしつこいくらいか。あれ序盤以降はいらないんじゃないかなーー
まあゲームやってた方が圧倒的に楽しめる映画だとは思います。ポスターの目が動くところバチクソテンション上がったわ。待ってました!! ってなる。マリオの映画くらいテンション上がったよ。いやー結構売れるんじゃないこれ?
追記:おじさん編のサブストーリーで異変JKが出てきたけど、おじさん痴漢とかやらかして未来が見えなくなって迷い込んだとかなんだろうか。おじさん...
有名人の通過は異変
原作のゲームは複数の実況にて把握済み。よって感想は原作ゲームのネタバレも含む。
ゲームのヒットを受けて急いで映画まで作ったよ!という分かりやすい姿勢はそれはそれでいい。
急いで作ったにしては、それなりにホラー映画になっていたと思う。
もうちょっと面白くできた気もするがグロを増やしても原作ゲームと違ってくるし、ドラマを増やしてもほぼストーリーのない原作ゲームからかけ離れるので、これくらいの「めっちゃグロくはないそこそこホラーでなんとなくドラマもある」くらいの落とし所になったのだろう。
原作にあった見つけずらい異変の「ポスターの肥大化」はなかった。あれは映像だと極端にやらないと分からないだろうからなくて良かった。双子も明らかなシャイニングパロディなのであれもなくてもいい。
しかし。「壁男」がないのはもったいないだろう。いつ壁男が走ってくるのかワクワクしていたのに。ないんかー。
まあ分かるは分かる。たぶんCGや全身タイツとかで試したみて面白い感じになったからカットになったのだと思う。
少年は未来で生まれる息子なのか?そうでないのか?という絶妙な加減。パパには会ったことがないと言うが、貝殻をお守りとして持っていた。そして後半にパパ、ママ、息子が海に来る回想だか妄想だかの場面があらわれる。ここで息子がママに貝殻を見せて「お守りにしなよ」とママに言われる。
この意味深な場面で「どういうこと?」と思わせつつ最後まで明確にしないのは、まあ落とし所として意図は分かるは分かる。謎な雰囲気を残したかったのだろう。
個人的にはもっと明確に「未来から来た息子でした」と示してくれても良かった。
おじさんが8番出口を探して歩きまわる場面は意外性があって良かった。誤った間違いの8番出口から出てしまったがゆえに永遠と地下を歩き続ける人ではない存在になってしまった、という感じの演出。ここは良かったと思う。原作ゲームにも嘘8番出口はあるが入っても最初に戻るだけだから。あのゲームならではの永遠とループする話しかけても無反応なおじさん。彼はなぜああなったのか、作り手が考えて示したアレンジは良かった。
目や耳がついたマウスは原作ゲームには出てこず、赤ん坊の泣き声がするコインロッカーも映画独自のものだがこれくらい足してホラーにしないとね、という意図は分かる。
ならば証明写真機もその横のゴミも何かに使って欲しかった。せっかく映画で足したのに使い切れてなくてもったいない。
津波が去ったあとに色々な家具らしきものであの通路が埋まるのだが、あれも主人公の家具だったりするのか。そういう伏線、ストーリー上のつながりみたいのは欲しかった気はする。
と色々書いて「もっとこうだったらより面白くなったのではないか」と口だけなら言えるのだが、結構それって「原作にない要素を付け足す」ことになるので。それはそれで「シンプルな分かりやすさ」が魅力の原作ゲームの魅力を損なう気もする。
ということでこのくらいのバランスの映画の落としどころになったのかなと思った。
音楽が中田ヤスタカだったのだが、あんまりヤスタカ感を感じれなかったので、エンディング曲はヤスタカ作曲のPIKIのコラボソングのやつで良かっただろ、と思った。映画の雰囲気にあってるし。でもおそらく作り手の判断で「いい曲だけど、エンディングで流すとちょっとコミカルな感じになっちゃう気もするんだよなあ。う~ん、コラボソングという落としどころで!」という流れになったんじゃないかと予想する。
ボレロの方が「繰り返すメロディ」が「繰り返される空間」に合ってるし壮大な感じも出る、という判断だったのだろう。でも正直ボレロの雄大さに映画は負けている。ただ、作り手の意図は伝わった。エンドロールでも文字の表示の仕方を工夫しており、なんとか映画らしいことをやろうとする姿勢は見えた。
序盤でニノが電車から降りる場面でヒカキンが乗客として乗ってきて、すごく堂々とヒカキンで「いきなり有名人が通り過ぎるの、立派な異変だろ」と感じた。ただ、こういう要素も入れないと映画にしたかいがないのも確か。
ニノが普通の人っぽい感じを出すのがうまくて、さすがだった。
序盤からニノ演じる主人公は頻繁に咳をしていて水飲んだり吸入器を使っており、どうやら喘息持ち設定らしく。これが緊迫感を生んでいるのは分かるが。
後半でリュックをおろしてその場に中身ぶちまけたまんま置いていき、また同じ場所を通る時はリュックは消えており、これも異変だろ、と感じてしまった。なんなら後半でほとんど呼吸の荒さが出てないのは主人公自身が異変じゃないのか、と思ってしまった。成長した、みたいな表現なのかもしれないが、前半でちょっと咳を強調しすぎた気はする。
ラストカットが再び冒頭と同じ電車内で、今度は降りずに横に移動したところで映画は終わる。あれで「たぶん赤ん坊抱えたママに怒る男の乗客に注意しにいったんじゃないか」と思わせて終わるんだが、そこはもっと明確に描写してよかったようにも思う。ただやっぱりそういう要素を入れると「原作にない余計な付け足し」になるんだよな。だからシンプルさが魅力のゲームの実写映画化はやっぱりなかなか難しいと思った。
期待度大!ガッカリ大!
予告など期待度MAX!
二宮和也主演で、映画「CUBE」を彷彿させる様な謎めいた予告。
映画冒頭のつかみは予告編の通りで、この後どんな事が起こるのか相当ワクワクさせられた。
しかし、話しが進んでも展開がない・・・この後どうなるの?と待てども待てども大した展開もないまま終映。
期待度が高かっただけに、ガッカリも大な作品。
途中、通路の蛍光灯の並びが変わったり、ニッチな変化はあったものの1時間35分が長く感じた。
たまたま上映スケジュールが良く、この作品の後に「国宝(上映時間2時間55分)」を鑑賞したが、長さを全く感じさせない後者と比べるまでもない。
期待値が低かったためか
原作ゲームはプレイしたことがなく、名前を知っている程度の者です。
不条理ホラーとして面白いと思いますが、他の方が書いていた「世にも奇妙な物語」というのがしっくりくるような、コンパクトにまとめられる内容ではと。
どこまでがゲームに沿ったものか分かりませんが、想像していたよりあからさまにお化け屋敷的にビックリさせるようなホラー描写があり、そういう方向なのかと。
やはり同じことを繰り返すので飽きてくるものの、飽きてきたころに視点を変えたり子供を投入したりという構成は良かったと思いますし、子供を絡めてストーリーをまとめているのも成程と。
オープニングやエンディングの雰囲気も良かったです。
とは言え、その設定いるか?、とか、何故そのタイミングで喋りだすんだ?、とか、そこですぐに引き返せよ、とか、違和感を感じる部分もありました。
全体的には、期待値が低かったためか、そこまで悪くはないという印象です。
地下通路が怖くなりました笑
ゲーム未体験で鑑賞。
冒頭のシーン、目の前に起きていることをみて見ぬふり、興味のないニュースや話題には触れずにスルー、今時の日本人を体現した映画だと思いました。
無機質な地下通路を舞台に、大きな場面転換も少ない中でカメラワークが秀逸でした。本当に無限ループの世界に迷い込んだように、カット割りも不自然さは全く感じず、退屈することなく90分鑑賞しました。二宮さんはどこにでもいそうな無気力な男性を演じていて、アイドルのオーラは良い意味で感じなかったです。
ただゲーム未体験だからなのか…女子高生の意味が良く分からなかったです。歩く男と同じようにずっと8番出口から出られずに彷徨っている存在なのでしょうか?それがスッキリせずに星4つにしました。
映画鑑賞後、帰り道は地下通路が怖くて地上をずっと歩いて新宿駅まで向かいました笑
古来の日本で8という数字は「八百万(やおよろず)の神」などに象徴されるように、「無限に大きい」数字を意味していることをふと思い出しました。8という文字がそもそも無限ループしているから8番出口なのでしょうか??いろんなことを考えさせる映画でした。
小さな違和感を探す楽しみ、でも核心は伝わりにくいメッセージ
『8番出口』を鑑賞しました。
もともとゲームがあるくらいは知っていましたが、内容を深く調べずに観に行きました。映画はいきなり本編が始まるスタイルで、「巧妙なストーリーが展開されるのでは?」と期待する作品ではない印象です。
同じ道を延々とループしている理由については、正直私には最後まで理解できませんでした。ただ、彼女や友人と一緒に観ると「今のシーン、ちょっと違和感?」と小さな変化を見つけて盛り上がれる要素はあります。全部がそうではありませんが、観客側の“気づき”を試されているような面白さは少し感じられました。
一方で、主人公の“成長”らしき描写が演出として差し込まれていたものの、それが観ている自分にどう響くのかが掴めませんでした。結果的に「で、何を伝えたかったの?」と感じてしまい、テーマの解釈が難しい作品でした。
設定が魅力的であるだけに、結論が陳腐で残念。
二宮くんが、
①電車の中で泣く子供の母親に毒づくサラリーマンに何も言えなかった。
②別れを告げた彼女から、あなたの子を妊娠していると告げられ、はっきりとした返事をできずにいる。
このことを前提として、二宮くんは地下鉄の出口から出られなくなり、迷宮に閉じ込められるという展開になる。
途中に子供が出現して、その子は実は二宮くんのこれから生まれてくるだろう子であることがほのめかされる。
この辺りから、二宮くんが、人生を振り返り、勇気と覚悟を持って生きていけるようになれば、迷宮から脱出できるだろうということが観客に見えてくる。
ああ、なんというつまらなさだ。
人生は確かに、まっすぐに進めない。
迷ったり、後戻りしながら、少しずつ、成長していくものだ。
しかしその程度のことを象徴するために、あの魅力的な設定を使うのはあまりにもったいない。
諸星大二郎の単行本「夢見る機械」に収録されている「地下鉄を降りて…」は地下街からどうしても出られなくなるおじさんの話だ。
この映画の原作もこの作品にインスパイアされているように思える。
どうしても出られない。
この不安と恐怖だけでは時間が持たなかったのだろう。
結論があまりに安易だ。
設定が魅力的なだけに残念。
天才・川村元気の完璧な仕事
鑑賞後のサプライズが秀逸
ラストシーンのカットまでは「やっぱりこのストーリーで映画にするには無理があったかな」「ちょっと駄作かな」と思っていたが・・・。最後、冒頭と同じ電車で「迷う男」が違う行動に・・・というシーンで終了したインパクトで、「あ、異変に気付いたんだよね・・」となり、そこから振り返って「人生のメタファー」というメッセージ性に気付いた次第。
やはり冒頭の電車のシーンでモヤモヤしたままだったが、やっぱり無関心はよくない。ただただ「歩く男」になってしまう。寄り添う気持ちがないと異変には気付けない。無関心でただ生きているだけの人生になっていないか?というメッセージか。
エンドロール時にそんなこんなを考えていたら劇場が明るくなったので、入場時に入ってきた出口から出ようとすると、劇場の係員が「お帰りは、前方の出口から出るようお願いします」と言って後ろの出口を封鎖。なんでやねん、と思いながらわざわざ前方から出て地下通路を歩いていると、そこには映画と同じ「0番出口」から始まる看板が掛かってるではないか!そして「1番出口」「2番出口」・・・と続き同じポスターまで貼ってある。7番まで行ったけど8番が無い。あれ、これもしかしてループして出れなくなるのかな、これ現実なんかなと錯覚し始めたら、コーナー曲がって暫く歩いたところに「8番出口」が。
「ふぃ~~」。これからは常に周りに関心を持って生きていこう、と思って劇場を出ました。
原作ゲーム、豪華キャスト、カンヌと、“バズる要素”の宝庫
【イントロダクション】
KOTAKE CREATE(コタケクイリエイト)による同名タイトルのインディーズゲームを二宮和也主演で実写映画化。不思議な駅構内に迷い込んだ男が脱出を試みる姿を描く。
監督・脚本には、映画プロデューサー、小説家、脚本家としても活躍する川村元気。その他脚本に、平瀬謙太朗。音楽に中田ヤスタカ。
【ストーリー】
地下鉄に乗って派遣先の現場に向かう男(二宮和也)は、別れる決意をした恋人(小松菜奈)から「妊娠した」という連絡を受ける。互いに子供をどうするべきか決められず、駅構内で通話を続けていると、突如圏外となってしまう。
男は無限に続く不思議な空間に囚われてしまい、同じ通路を繰り返し行き来する事になる。やがて、男はその世界のルールが記載された案内板に気付く。
・異変を見逃さないこと
・異変を見つけたら、すぐに引き返すこと
・異変が見つからなかったら、引き返さないこと
・8番出口から外に出ること
天井の「出口(Exit)8」という案内表示、壁のポスター、同じ動きで通り過ぎていくおじさん、通路にある3枚のドアetc.
男は、構内の様々な異変を探し、8番出口からの脱出を目指す。
【感想】
私は原作ゲーム未プレイ。しかし、芸人のゲーム実況やVtuberによるプレイ配信を目にした事がある為、作品としての基本ルールは押さえている状態。
だからこそ、本作の製作発表や予告編を目にした際は、「あのゲーム内容をどうやって実写化するのだろうか?」と疑問に思った。ただ、原作ゲームの内容がシンプルだからこそ、物語として成立させる際、様々な形で手を加えられるという自由度の高さがあるので、上手くやれば作品として成立するとも思っていた。
結果的に、原作ゲームの斬新なワンアイデアを組み込みつつ、物語として無難な着地を見せる作品に仕上がっていた。
第78回カンヌ国際映画祭でミッドナイト・スクリーニング部門で上映され、現地でスタンディングオベーションで迎えられたと公開前から話題となっていた事もあり、公開から3日間の興行収入は9億5,400万円を上げ、初登場第2位にランクイン。2025年公開の実写映画ナンバーワンのスタートを切った。
改めて、川村元気という作家は、“バズる企画”というものを見抜くのが上手いなと感じた。
主演の二宮和也は、流石数多くのドラマ・映画出演があるだけあって、安定感のある演技を披露していた。ラスト、「今度こそは!」と、電車内で赤ん坊と母親を助ける決意をする瞬間の無言の表情が素晴らしかった。
しかし、間違いなく本作最大の演技派役者は、その動きの正確さから海外で「AIなのでは?」と疑われたという河内大和だろう。本当にゲームのCPUのような正確な歩行スピード、感情のない不気味な満面の笑みといった演技が素晴らしい。そして、まさかまさかの彼視点のストーリーである。彼に物語がバトンタッチされてからの、一気に人間味溢れるキャラクターに変貌する様子も見事。
拘り抜かれた「8番出口」構内のセットは抜群の完成度。本当にゲーム世界に迷い込んだかのような、また自分でゲームをプレイしているかのような感覚を覚えさせる。ゲームにあるような、「8」の数字が逆さまになっているという細かな異変の再現も良い。
しかし、そうした役者陣の好演やセットの素晴らしさを、安易なジャンプスケア演出の多用で削いでしまっていたのは残念だった。“「何もない」からこその恐怖”という演出について、もう少し煮詰め、工夫してほしかった。ただし、恐らく本作のメインターゲットは、普段映画を観ないライト層だと思われるので、そうした層に向けた“分かりやすい”、言い換えれば“観客の知能の低さを想定した”演出だと思うので、こうした演出に不快感を示す人々に向けたものではないのではないかと思われる。
また、キャラクターの動向や明かされていく真実含め、こちらの予想の範囲を終始出る事のなかった脚本についても、もう少し捻りの効いたものを(無理だろうとは分かっていつつも)期待していたので、全て予定調和な印象は拭えなかった。
【『8番出口』という世界に重ねられた、人生の岐路】
物語として描かれている事は非常にシンプルで、あの「8番出口」とはつまり“人生の岐路"であり、自らの人生に悩みを抱えている人々が迷い込む空間という事なのだろう。
だからこそ、二宮和也演じる「迷う男」をはじめ、まさかの主観視点が用意されていた河内大和演じるおじさんこと「歩く男」、歩く男が出会う異変である花瀬琴音演じる「女子高生」らは皆自らの人生に疑問を抱いていたのだと思う。「迷う男」は、恋人とヨリを戻して子供を出産すべきかについて、「歩く男」と「女子高生」は、繰り返される変化の乏しい日常を生きていく事について、それぞれが悩んでいたのではないかと思う。また、深くは語られなかったが「歩く男」は「女子高生」の指摘によると、何かしらの現実世界でやましい事を抱えていた可能性もある。
キーとなるのが、「少年」だ。後に男と恋人の間に未来で生まれてくる息子だと判明する彼は、迷い込んだ人々を正しい道へと誘う、所謂“お助けキャラ”であると同時に、男に「目的を持って未来を生きる」事を選択させるメンターでもある。また、好意的に捉えるならば、あの少年は自らを産むか迷っている男と恋人へ「2人の間に生まれてきたいよ」とメッセージを伝える存在なのだろう。
彼だけが、あの異質な空間にて時間という概念を超越していたのも、そうした未来という「確定していない現実」の存在であるからなのだと解釈すると、ストーリー的な辻褄は合うように思う。
とはいえ、シチュエーション・スリラーの金字塔である『CUBE』(1997)に代表されるように、こうした作品は「理不尽で理解不能な舞台」を楽しむ事こそが最大の魅力であるので、細かな部分について辻褄合わせや答えを見出す行為は、言ってしまえば時間の無駄とも言えてしまうので、本作も細かい部分は「何となく」で受け流してしまっても良いかもしれない。あの空間自体、男の夢や妄想とも受け取れるし、あくまで本作は原作ゲームの世界観を基に再構築されたものであり、原作の答え合わせをする作品でもないので。
ラスト、冒頭で男が見捨ててしまった地下鉄での母子と乗客のトラブルが再び再現され、父親になる決意を固めた男は、仲裁に入る為動き出す。スマホや時計の表示がされないので想像するしかないが、地下鉄の状況が「8番出口」に迷い込む直前と全く一緒である事から、もしかすると男は物語開始より「少し前」に戻ったのかもしれない。
【総評】
インディーズゲーム原作、豪華キャスト、ワンシチュエーション・スリラーという話題性十分な要素をふんだんに含んだ、ロケットスタートも納得の一作であり、監督である川村元気のプロデューサーとしての慧眼ぶりが改めて伺える作品であった。
ところで、平日のレイトショーにも拘らず客入りは上々で、その多くがカップルであり、1人で映画を楽しみ、作品について考察しながら楽しんだ私は多分に惨めな思いをした。
私の人生の「8番出口」は何処だろう?0番出口(人生0)から、やり直しです。
面白かったです
面白いような面白くないような
ゲーム知らずに見ました。
スマホ、イヤホン…そして何となく無気力で面倒なことには目を向けない、今の日本人の象徴のような迷う男。
迷いながら喘息がでてくる。狭い地下鉄の通路と喘息のヒューヒューという音。そして、不快な音…見ている者も、閉塞感とか不快さを感じてしまう。
んだけど、そういうゲームだから仕方ないのは分かるけど、何度も繰り返されてちょっと中弛み感を感じる。
と、今度は歩く男に焦点が当たる。中弛み…ちょっと挽回しつつも、また繰り返しに中弛み感。
と思ったら子ども
うまい感じで、中弛み感を回収したかな。
コインロッカーから赤ちゃんの泣き声がしたり、津波?が押し寄せてくるシーンは、冒頭の電話の話が迷
う男に潜在意識を植え付けたためか?
だけど、きっと迷う男は父親になるんじゃないかな?とふと感じた。
ボレロの流れるエンドロールが、ポップで新しい感じがして好きだった。
なんかこんな悪夢見たことがあるなぁ〜
映画として100点満点かも!
映像、音楽、音、俳優陣、演出、展開、どれをとっても素晴らしい!
大作ではないので、心震わせて号泣するような大感動作ではありません。どちらかというと低予算映画の部類かと思います。
でもひとつひとつが素晴らしい出来です。
まず、映画ファンが大好きな長回しがたっぷり!
そして二宮和也さんの演技が素晴らしい!この方42歳なのね。見てると20後半〜30代前半の人にしか見えないです。
感覚としては『CUBE』とか『月に囚われた男』に近いですかね。ちょっと『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』を彷彿とさせる内容も。あとシャマラン監督作品っぽくもありますかね。
人によっては「なんじゃコリャ!?」と低評価をつけたくなる作品かもしれません。どちらかというと映画通向けの作品なので、演出とか映像とか音とか展開とか、「映画らしさ」を求める人向けで、純粋にストーリーを楽しみたい人にはちょっと物足りないかもです。
個人的には、観終わったあと、完璧な作品に出会ってしまった!と興奮してしまいました。これは芸術だと!
映画としてここまで完璧だと思えたのは『キングスマン』以来です。
実際、舞台化も出来そうな内容です。
だいぶベタ褒めしてしまいましたが、映画は「期待」して観てしまうことは禁物です。
これから観る方はあくまで、そう感じる人もいるんだなあ、くらいで過度な期待はせず鑑賞なさってください。
「期待」して楽しみにして観てしまったらきっとつまらない映画になると思いますのでご注意下さい。
※これから観る方は、冒頭のスマホの画面をよく覚えておくと、内容がより楽しめるかもです。
ゲームは未経験だけど
全932件中、441~460件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
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