「僕には理解できなかった」8番出口 福島健太さんの映画レビュー(感想・評価)
僕には理解できなかった
原作のゲームはYouTubeの実況プレイ動画で見たことがあります。
異変を探しながら8番出口に辿り着くというだけで、ストーリーや登場人物の設定はなさそうだったので、どんな映画になるのか気になっていました。
登場人物の過去とか人間関係とか、ドラマ的な要素での楽しみは、感じませんでした。
喘息の吸入器を持った主人公が、彼女から妊娠を伝えられていただけで、「どうする?」という問いかけに、映画の最後では病院へ行くと答えるようになった心境の変化はあったのでしょう。
けど、彼の元々の性格、彼女とどんなことがあったのか、ドラマ的な要素を構成する部分が弱くて、それが面白いとは言えない。
ゲームでおなじみのおじさんが、脱出を試みる側になっていたのは少し新鮮に思ったけれど、なぜ迷い込んだのか、どんなことを思っていたのか、何のために外へ出たいのか、キャラクターとしての存在がなくて、”あのおじさん”が外へ出ようとしているというだけでした。
子供も、いったい何だったのか。
ドラマ的な面白さはない。
ゲーム的な、「ああ、何か見落とした。悔しい!」とかいう心の動きも、映画を見ていて感じませんでした。
ひたすらに、とにかく奇妙な世界でした。
あの奇妙な感じを楽しめる人達というのが、世の中にはいると思います。
そういった人には、面白い映画かもしれない。
ただ、僕には楽しめませんでした。
それと、映画の評価とは全然関係ないんだけど、地下鉄で泣いている赤ちゃんと母親に怒鳴りつける男性。
あれは腹が立ちましたね。
赤ちゃんが泣くのは当然のことですから、赤ちゃんの泣き声は我慢できます。
でも、いい大人が、赤ちゃんが泣いているなんて当たり前で腹を立てる理由にもならないようなことで大声でわめき散らすのは、我慢できないほど不快でした。
この少子化の世の中で、子供は国の宝です。
社会全体で、温かく見守っていかなきゃいけない。
子供の親だけに、子供の責任を押し付けて苦しめるなんてことは許されない。
だのに、「母親なら黙らせろ」ですって?
「お前が黙れ」と思いました。
なぜ、あんな満員の大勢人が乗っている電車で、誰1人赤ちゃんと母親を守ろうとする人がいなかったのか。
本当に、不快で仕方がない。
とりあえず、映画の評価としては、僕は楽しめなかったり、意味も理解できませんでした。
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