「カメラワークと二宮和也のパフォーマンスに一見の価値あり!」8番出口 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
カメラワークと二宮和也のパフォーマンスに一見の価値あり!
この物語に原作があったのか!?
…と、エンドロールを見て驚いたのだが、それはゲームだった…なるほど、そういうことか。
突然、前触れもなく地下の迷宮に男(二宮和也)は入り込む。そして、ぐるぐると回る、廻る、周る…。
長回しが多用されているが、極々狭い範囲を回転するので背景がほとんど変わらない。この状況でカメラに追われ続ける二宮和也の役者力はすごいと感じた。
だが、正直この話を1時間半引っ張るのは無理があったのではないか。巧みなカメラワークと二宮和也のパフォーマンスで飽きさせずに見せてはいるが、なにぶん中身がない。
歩く男のパートを省けば20〜30分は縮められただろうから、短編で良かったのではないか。短編だったら「面白かった」で終われた気がするのだが。
せっかく歩く男を描くのだったら、無機質な二宮和也とすれ違うのを見せてほしかった。どちらとも交流する子供の扱いが難しいとは思うけれど。
小松菜奈はアクセントとして必要だったと思うが、ミュータント鼠はやり過ぎだ。観客を気持ち悪がらせるためか、、、必要なかっただろう。
封切りから1カ月以上過ぎて、私が行った劇場では大きいスクリーンが割り当てられて6回の上映スケジュールが組まれていた。ロング・ランの『国宝』、大人気の『鬼滅の刃』がある中で、大健闘している。土曜日とはいえ朝イチ9時台の回なのに、大きいキャパの客席が半分近く埋まっていた。
いったいどうやって終わるのだろうと思っていたら、なんだか情緒的な終わり方で、感動的なようで無理やり感は否めなかった。
映画の冒頭の地下鉄車内に戻るのだが、そこでの二宮和也の行動が迷宮に堕ちた原因だったと言っているのか…。
彼の心境に変化が起きたのは解るとして、それが地下迷路での体験で生じたのだとは私には思えなかった。
やはり、変な意義付けはしないでスリルに徹した短編の方がよかった…かな。
共感とコメントありがとうございます。
私も何も前知識なしで、観に行きました。
何が映されるのか半信半疑でした。
でも見たら、ゲームをとっかかりに、別れた恋人から、
妊娠を告げられた男が、恋人のところへ駆けつけて、多分
子供を持とう・・・と言いに行く所で終わりましたものね。
なんか作者の川村元気さんは、途中で異次元に(たぶん未来)に
トリップして、広々した海が広がっていて、未来の小松菜奈と
未来の子供(迷路で会った少年)と浜辺で波と戯れてあそびますね。あそこが川村元気さんにはポイントらしいのです。
だから、未来を信じている映画みたいですね。
意外と真っ当な主張でちょっと驚きましたが、
気持ちいい終わり方で良かったと思いました。


