「まさかの泣ける映画?!」8番出口 〓〓〓さんの映画レビュー(感想・評価)
まさかの泣ける映画?!
すごい完成度です。
だいたいゲーム原作の映画って終わってるんだけど、これは本当によくやったと言う感じ しかも終盤ちょっと泣いたんですよ
ただのホラー映画じゃなくてシチュエーションと連動して迷いと決断の映画になっている。進むか? 戻るか? じっとしてても何も変わらないっていうね メッセージ感じたよね〜〜
原作のゲームにストーリーないからどうすんのかなーと思っていたが、ちゃんと主人公の人生に問題を設定。派遣に向かう途中で別れた彼女との間に子供ができたと電話で報告される。自分も彼女も決断ができない。彼は現実を直視できずに駅をフラフラ進み、気づくとゲームと同じ地下エリアに迷い込んでいる。
たまらねーーー!!!!
「心の問題と外の問題が重なるやつ」!!!!
そうやって主人公が自分の未来について思い悩むのと並行してさまざまな異変に見舞われ、その中で徐々に気持ちを入れ替えていく展開が実に王道でアツい。映画って感じだな〜〜〜〜
ゲームには大量の異変が出てくるが映画で全部出すわけにはいかない。そこでいきてくるのがこういう人間ドラマだ。とりあえず人気の異変は抑えつつ、あとは「主人公の悩みと絡ませることができる異変」を出せば映画に説得力が生まれる 赤ちゃんの泣き声。血。目線。
例えば壁沿いのドアが勝手に開く異変ってのがあるんだけど、開けた先は真っ暗闇でゲームだと覗き込んだらアウトなのだが、映画は暗闇の先に嫌いな自分の過去の姿がある→その過去の自分と見つめ合い、何かを決意した表情で主人公はゆっくりドアを閉める。こうすることで異変への対処と同時に「心の入れ替え」を演出している テクいね〜〜〜〜
こっから泣いたポイントなんだけど、同じようにして地下を彷徨っている「主人公の未来の息子」と出会う。その子は実際にはまだ産まれてないので「この世に誕生することができるかできないか」という不確定によって「さまよう」ことになっている(と考察できる)。つまり「親が産む判断をするかどうか」がそのまま「その子が出口にたどり着けるかどうか」に直結するということだ 主人公の人生に関わる最大のイベントだ。そして異変ではない(お助けキャラ的な感じかな)
だから地下で主人公があの子を最後まで守り抜く=自分の子を育てる決意をする と言う意味が生まれることになる
「ここから出たらどうしたい?」は「産まれたら一緒に何する?」と同じと言うことだ それに気づいた瞬間涙が出てくる。その後の洪水の異変で身を挺して少年を助けるところに未来を決断した主人公の強い意志が感じられ、なんかもうたまらんという感じになる
とまあこうやって「主人公の内面と地下攻略の進捗」が連動していて飽きさせない作りになっており、ゲーム勢ニヤリな演出もふんだんで異変のチョイスもよく、考察の余地もあって文句なしの映画といえよう
強いて言えば「ファー〜ーーフォーン」みたいな音の演出がしつこいくらいか。あれ序盤以降はいらないんじゃないかなーー
まあゲームやってた方が圧倒的に楽しめる映画だとは思います。ポスターの目が動くところバチクソテンション上がったわ。待ってました!! ってなる。マリオの映画くらいテンション上がったよ。いやー結構売れるんじゃないこれ?
追記:おじさん編のサブストーリーで異変JKが出てきたけど、おじさん痴漢とかやらかして未来が見えなくなって迷い込んだとかなんだろうか。おじさん...
