「設定が魅力的であるだけに、結論が陳腐で残念。」8番出口 ふくすけさんの映画レビュー(感想・評価)
設定が魅力的であるだけに、結論が陳腐で残念。
二宮くんが、
①電車の中で泣く子供の母親に毒づくサラリーマンに何も言えなかった。
②別れを告げた彼女から、あなたの子を妊娠していると告げられ、はっきりとした返事をできずにいる。
このことを前提として、二宮くんは地下鉄の出口から出られなくなり、迷宮に閉じ込められるという展開になる。
途中に子供が出現して、その子は実は二宮くんのこれから生まれてくるだろう子であることがほのめかされる。
この辺りから、二宮くんが、人生を振り返り、勇気と覚悟を持って生きていけるようになれば、迷宮から脱出できるだろうということが観客に見えてくる。
ああ、なんというつまらなさだ。
人生は確かに、まっすぐに進めない。
迷ったり、後戻りしながら、少しずつ、成長していくものだ。
しかしその程度のことを象徴するために、あの魅力的な設定を使うのはあまりにもったいない。
諸星大二郎の単行本「夢見る機械」に収録されている「地下鉄を降りて…」は地下街からどうしても出られなくなるおじさんの話だ。
この映画の原作もこの作品にインスパイアされているように思える。
どうしても出られない。
この不安と恐怖だけでは時間が持たなかったのだろう。
結論があまりに安易だ。
設定が魅力的なだけに残念。
餃子さん
よくわかります。
あの迷路が素晴らしいと感じるからこそ、軽さに我慢ならないと思っていらっしゃるのだと思いました。
わたしゃ、小学生じゃないのよ!
ってとこですかしら?(笑)
「設定は軽いくらいの方が、自分の物語として受け入れられる」層の方がきっといて、その人達には必要な物語なのかな。
と、思いましたが、どうなんですかね…、
なんか「こんくらいのモンでしょ」って言われたような気分になってしまって、不愉快になってしまって…、
沸点が低いのかもしれません。
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