「前半はかなり良かったのだが残念」8番出口 JinEさんの映画レビュー(感想・評価)
前半はかなり良かったのだが残念
前半は元のゲームの雰囲気、内容を丁寧に映画の導入に噛み砕いていて好印象。
ところが中盤以降は中々酷い。
シンプルなゲームの内容のままでは映画の尺はもたないと思ったから、あるいは映画は盛り上げなきゃと思ったからか内容が元のゲームの内容から逸脱していく。しかもその逸脱が雑。
通路に異変があるか、ないか?というところに観客の意識も向いているのに、二宮氏演ずる男の不安な心情が形になったような映像が登場し、。観客は「通路の異変」なのか「こいつが頭おかしいだけ」か判断しづらくなっていく。他のホラーならそれもアリだろうか、でもこの作品ではあくまでおかしな通路が主題であり、そこから離れたらテーマそのもの崩壊だろう、と思える。序盤、赤子の声がするロッカーぐらいはまだ、通路の異変に上手に変換できていたのに。
男も、異変があったら戻る!と言いながら、戻ったりなんかそのまま進んだりし始めて、ゲームのルールすら曖昧に展開するようになる。違ったら即Uターンだろ、とツッコミ。観客をイライラさせてどうする。
特に男の子は一番のノイズになっている。全く喋らないから幻影なのか?ホラー的な怪異なのかと思ったら、途中から急に喋り出す普通の男の子になる。迷子ですって最初から言えよ、と脱力。黙ってたのが脚本の都合でしかなくとても不自然で、男の子が出始めてからがとにかくつまらなく、白けたように最後まで駆け抜けてしまった。
前半の中々面白い内容のまま異変がスケールを増し、3〜40分ぐらいのお話、、、例えば「世にも奇妙な物語」特番の一つのエピソード、というぐらいが幸せだったかもなと結論。
一番意味不明だったのは、二宮氏の喘息持ち設定。映像的にも耳障りだし、薬飲めば?としょっちゅう気になるし、案の定中盤から全く触れられなくなり二宮氏も忘れたように振る舞い出すし。じゃあ無くてよかったじゃないの、としか思えなかった。
最後のスタッフロールで冒頭に特別デカデカと表示される「協力 東京メトロ」でちょっとだけ笑って元気を取り戻した。そりゃそうだよね、と。
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