劇場公開日 2025年11月7日

「異色にして熱すぎる「プレデター」」プレデター バッドランド しゅわとろんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 異色にして熱すぎる「プレデター」

2025年12月6日
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鑑賞方法:映画館

興奮

斬新

ドキドキ

映画シリーズでは初めて「プレデターを主人公とした作品」である事が話題になっていた本作。一体どんな作品に仕上がっているのか?と気になっていたが、まさかこれほどまでに完成度の高い作品とは思ってもいなかった。

優れた科学技術を持ちながらも、「狩り」という原始的な風習を持つ異星人「ヤウージャ族」のデクは、その弱さ故に一族の恥として粛清される事に。命からがら逃げ延びたデクは、ヤウージャ族ですら恐れる弱肉強食の惑星「ゲンナ」へと降り立ってしまう。そこでアンドロイドの女性・ティアと出会ったデクは、惑星ゲンナに棲む「最強の獲物」を狩るため、彼女と共に冒険を繰り広げる。

この映画、何と言ってもストーリーが素晴らしい。未熟な主人公が様々な出会いを経て成長し、強くなっていく。非常に王道な物語だろう。「プレデター」でこれほど熱く爽快な冒険活劇を見られる日が来るとは。
プレデターが主人公、しかも終始異星の言語で喋るという作劇にもかかわらず、主人公の目的が最後まで明確で、冒険を経ての変化や成長も非常に分かりやすい。敵・味方のキャラクターもかなり立っており、また数も絞られている為一人一人を丁寧に描く事も出来ている。デクの生い立ちや敵(ネタバレの為伏せ)を絡めての「家族」というテーマも良い。見事なストーリーテリングだ。

アクションシーンも素晴らしい。プレデターの殺陣、CGを惜しげもなく使ったクリーチャーの迫力や激しいアクロバット等は圧巻だ。カメラワークも見やすかった。「モンスターハンター」等を彷彿とさせるゲンナの生態系の描写も興味深い。

音楽も実に良い。メインテーマのコーラスにはプレデターの言語を使っているのだろうか。どこか民族的な響きがあり、世界観を見事に表現している。ストリングスを使った戦闘BGMの盛り上がりも素晴らしかった。

気になる点があるとすれば、「時間経過」の描写が弱く、いきなり状態が変化したかのように感じるシーンがほんの少しあったが、逆に言えばその程度。とてつもない完成度である。

「エイリアン」シリーズの「ウェイランド・ユタニ社」が登場する事や、物語の結末等、クロスオーバーや続編への興味は尽きない。デク達の物語を再び見られる事を願うばかりだ。

しゅわとろん
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