「今時の考え方や作風を「プレデター」でやるとこうなる、的な?」プレデター バッドランド TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
今時の考え方や作風を「プレデター」でやるとこうなる、的な?
プレデターシリーズ最新作。以前の作品を探そうと、単に「プレデター」と検索すればディズニー(20世紀フォックス)による“公式”以外の派生作品も沢山出てきますのでご注意を。或いは、シリーズとは言っても話は作品毎に完結し、時代のみならず世界観すら緩く繋がる程度のため、必ずしも全ての作品を通して観る必要がないと言う意味では“途中参加”や“つまみ食い”も有りのハードルの低いシリーズだと思います。
今作は『プレデター ザ・プレイ(22)』からシリーズを手がけるダン・トラクテンバーグ監督による作品。トレーラーで“上半身だけ”のエル・ファニングを観て興味を惹かれ、劇場鑑賞を決めました。
改めて「プレデター」と言えば、圧倒的な腕力と巧みな技能を併せ持ち、その上強力な武器やレーダー、更には身を隠す遮蔽装置まで使いつつ、戦術を駆使して“狩り”をするチート級の戦闘力を有する人型知的生命体。激しい攻撃性や群れない性質からも“話が通じない相手”と言う比喩が冗談に聞こえないタイプですが、今作では感情機能を有する特別なアンドロイド・ティア(エル・ファニング)と“遭遇”し、翻訳装置を利用して会話をすることで若きプレデター・デク(ディミトリアス・シュスター=コローマタンギ)と距離を縮めながら“共通の利害”を埋め合うバディとして目的に邁進していきます。
「最悪の地(バッドランド)」と呼ばれる特殊な環境とそこに住む生物について、ティアにAIらしく簡潔に解説させるやり方はその世界観にも入りやすくて不自然さは感じません。そして、序盤はこれ見よがしに「未熟なデク」を表すため苦戦と屈辱が続きますが、ティアとのコミュニケーションと体験によって学習と成長を重ね、いつしか自分が生きる意味について考え始めます。
ただ、、少なくとも今作だけ観れば「プレデター」である必要性は強くないのでは?と感じてモヤモヤ。むしろ、デクはいくら若いとはいえ、これまで観てきたプレデターと比較すると考え方が柔軟でスマートであり、如何にも現実にも通じる「今時の若者」然とした感じ。敢えて老害を発揮して言わせてもらうと「かなり緩い」と見えてしまい、わざわざこれを「プレデター」でやる意味は“続編(?)”にこそ隠されているのか?何なら、序盤の苦戦続きが嘘のように急な展開で覚醒するデクの戦闘能力について、もう少し説得力があって然るべきではないか、なんて。ま、平たく言ってストーリーとしては物足りなく「それじゃない」という感想。勿論、戦闘シーンは迫力満点で、暗めのシーンも多いため映画館で観る意味は大きいとは思います。
と言うことで、「サイコー!」とは言うには程遠い印象ですが、アンドロイドに扮したエル・ファニングの活躍を見るだけでも価値はあり、、かな。もし興味があれば。。
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