「結構哲学的?」トロン:アレス かずさんの映画レビュー(感想・評価)
結構哲学的?
人間とAI、現実世界とデジタル世界の対比。
永遠の意味や妹の意思を受け継ぐ姉の存在の意味など非常に奥深い内容。
フリンとアレスが「永遠とは何か」を語り合う場面がとても印象的でした。
命令で動く存在だったアレスが、人間との関わりを通して「生きること」の意味を学んでいく姿に、静かな感動があります。
現実世界で永続化したアレスが、かつて同じ理想を追いかけたサムとフリンを探す旅に出るラストも美しく、余韻が深いです。
そして、デリンジャー社の悪役が最後にMCPに乗っ取られる展開には、シリーズの新章を予感させるワクワク感がありました。
映像と音楽だけではない何かがある。
以下はシリーズのあらすじ
■トロン
同僚(デリンジャー)に自身のシステムを盗まれて、場末のゲームセンターに追いやられる。
トロンというプログラムをシステム内に送り込み、同僚の不正を暴こうとする。
それに気付いたエンコム社が開発した物質転送装置によってデジタル世界へ追放されてしまう。
コンピュータ内ではMCPと呼ばれるプログラムが現実世界をも支配するべく動いていた。
なんやかんやあってフリンさんはトロンと協力してこのプログラムを撃破する。
■トロン:レガシー
コンピュータ内部に魅了されたフリンさん。
自身が経営していたゲームセンターの隠し部屋でグリッドと呼ばれるコンピュータ世界を構築する。
自分の分身クルーと呼ばれるプログラムを作る。
クルーはグリッドを秩序ある世界にするように命令されており、それを忠実に実行する。
フリンさんはトロンとクルーと自分とでグリッドを理想世界にしようと頑張る。
グリッドでは誰も予期していないデジタル生命体が誕生する。←ISOと命名
フリンさんはISOの誕生をデジタル世界の新たな可能性として歓迎する。
クルーはISOを秩序を破壊するプログラムとして排除しようとする。
また、同様にトロンとフリンも排除対象となる。
こんな状況の中、フリンの息子のサムがフリンの呼びかけでグリッドの世界に入っていく。
ここでISOのクオラに出会い、父と再会。
なんやかんやありながら、サムはクオラを連れて現実世界に戻る。
フリンはクルーを足止めするために自らを犠牲にしてグリッドに留まる。
グリッド世界はネットワークから切り離された世界で進化したもので、
現実世界に戻ったサムはグリッドをまるっとICチップにコピーしてクオラと共に旅に出る。
■トロン:アレス
プログラムが命令ではなく、学習することによって自律的に行動できるようになった現代。
エンコム社は仮想物質を現実に転送する技術を発明する。
しかし、現実に転送された物質は29分しか存在できない。
エンコム社のライバル会社であるデリンジャー社はこれをハッキングし、
人形の生命体を現実世界に転送し、兵士として利用する計画を発表。
この生命体も29分しか存在できない。
29分の壁はフリンが既に解決策をもっており、エンコム社のキム姉妹が探索の命を受ける。
アレスと呼ばれるAIプログラムがデジタル世界と現実世界で29分の壁を破る「永続化コード」を
エンコム社から奪取するためデリンジャー社から送り込まれる。
アレスはキム姉妹のメールをすべて読んで、居所を探す。
この過程でアレスは姉妹の機微や生命とは何かを学び始め、司令に忠実であるプログラムから自律行動を取り始める。
・・・キム妹が不治の病で亡くなるなどの内容から生命について学ぶ
アレスの存在自体はISOに近い存在ではあるが、人間が生み出したデジタル生命体。
まだ不完全でクオラのようには存在できないらしい。
メールから人間の感情や生命を学び、徐々に変化していくアレスの行動。
アレスに見切りをつけ、新たに探索の命を受ける「アテナ」。
アレスはデジタル世界のフリンと出会い、フリンから色々と学習する。
フリンもアレスに芽生えた人間らしい感情に可能性を見出し、永続化コードを埋め込む。
